読みたいふたり

本好きのふたりが、おすすめしたい本とその本にまつわる話を往復書簡の形でゆるーくご紹介。…

読みたいふたり

本好きのふたりが、おすすめしたい本とその本にまつわる話を往復書簡の形でゆるーくご紹介。毎週金曜日にどちらかからの手紙が届きます! かおりとやすこ

最近の記事

  • 固定された記事

はじめまして

本が好きな、かおり(左の方)とやすこ(右の方)のふたりで書いていくnoteです。知り合って約15年の私たちが、好きな本の話、おすすめしたい本の話を往復書簡でご紹介。毎週金曜日に更新します。不定期でおしゃべり企画なども実施予定。 本好きな友達の雑談を聞きに来るみたいな感覚で、気楽に読みに来ていただけたらうれしいです。 どうぞよろしくお願いします。 かおり:古い建物を見るのが好き。手芸が好き。2年前からピアノを練習中(全くの初心者)。好きな作家は津村記久子、伊坂幸太郎、木皿泉

    • 大切な人にプレゼントしたくなる本の話〜糸井重里『ボールのようなことば』

      かおりさんへ こんにちは。 とある場所で、「大切な人にプレゼントしたくなる本」として手に入れたこの本。どのようにして出会ったかについてはいずれ、「しゃべりたいふたり」でじっくり書く予定なのだけど。ちょっとフライングで糸井重里さんの『ボールのようなことば』について書こうと思います。 糸井重里さんは言わずと知れた偉大なコピーライター。私が若いころにはTVでもよく見かけたし、「ほぼ日」の人としても有名。この本は、彼のことばを若い人にも知ってほしいということで年に一回発刊されてい

      • 心休まる真夜中の話~吉田篤弘『おやすみ、東京』

        やすこさんへ 岸本佐知子さんの本、何ともいえない世界観でしょう?私も読みながら時々迷子になるけど、それでも大好きで、新刊が出ると即買ってしまいます。 ところで、やすこさんが読んだ『なんらかの事情』で装丁やカットイラストを手がけたクラフト・エヴィング商會のことは知ってる?実在しない書物や雑貨などをすごいハイクオリティで手作りして、そこに文章を添えて、架空の世界をいかにも本物らしく表現してみせることが大得意の二人組、吉田篤弘さんと浩美さんのユニット。私、この人たちの本も大好きな

        • どこまでが現実でどこからが妄想?の話〜岸本佐知子『なんらかの事情』〜

          かおりさんへ このあいだの他人の会話が気になる話、もちろん私も周りの話をじっと聞いちゃうタイプです。今度じっくりかおりさんと考察したいな。 さて、かおりさんが前に薦めてくれた岸本佐知子さんの『ひみつのしつもん』。ペッパーくんの話がなかなかのインパクトだったんだよね。で、岸本佐知子さんは要チェック!と思っていたら、図書館に『なんらかの事情』という本があったの。今日はこの本のことを書いてみようと思います。 佐知子さんは感性がものすごく独特。日常に起きている小さい出来事を丁寧

        • 固定された記事

        はじめまして

          他人の会話が気になる話〜田房永子『喫茶 行動と人格』

          やすこさんへ レストランや喫茶店で、あるいは電車やバスの中で、周りの人の会話が耳に入ってきてついそのまま聞き続けちゃう事ってない?私はある。 美味しいお店の情報には聞き耳を立てるし、誰かの悪口大会、恋バナや痴話喧嘩も興味深い。明らかにヤバそうな勧誘を受けてる人は出来ることなら助けたくなるし、「えっと~、あれ?あの名前なんだっけ?」とか、会話者がアレあれあのほら状態になってると「うわぁ、答えたーーーい!」とムズムズ。。。 他人の話を盗み聞き。今日はそんな本の話です。 『喫

          他人の会話が気になる話〜田房永子『喫茶 行動と人格』

          しゃべりたいふたり~『本好きに10の質問』に答えてみた(後編)

          かおり:さて、BOOK HOTELさんの『本好きに10の質問』に答えてみる企画。今日は後半戦いってみようか。 やすこ:前編では5問目まで答えたから6問目からね。「あなたの家の積読は何冊?」 かおり:私は4冊。読み始めたけど途中で挫折した本1冊、読みかけのまま数か月経った挫折予備軍本1冊、読む気はあるけど未読の本2冊。 やすこ:ちなみに挫折した本って何? かおり:『空気の研究』山本七平。「あの空気では何も言えなかった」とかいう時の「空気」について書いてある本で、面白そう

          しゃべりたいふたり~『本好きに10の質問』に答えてみた(後編)

          神保町の古本屋ふたたびの話〜原田ひ香『古本食堂 新装開店』〜

          かおりさんへ こんにちは。 『団地のふたり』のドラマ、気になってたんだけど、見てないのよ。小林聡美さんとキョンキョンなんて、最強だよね。かおりさんにすすめてもらったので、ドラマも本も楽しんでみたいと思います! さて、原田ひ香さんの『古本食堂』の続編が出たのよ。図書館の何人もの予約の順番を待って、ようやく手元に届いたので、今日は『古本食堂 新装開店』について書こうかなと思います。 前作で、ビジネスパートナーになった珊瑚さんと美希喜ちゃん。先代店主の滋郎さんのお店とも珊瑚さ

          神保町の古本屋ふたたびの話〜原田ひ香『古本食堂 新装開店』〜

          しゃべりたいふたり第12回~『本好きに10の質問』に答えてみた(前編)

          かおり:やすこさん、この間、『本好きに10の質問してみた。』っていうBOOK  HOTELさんの記事をみつけたんだけど、面白そうだから私たちもやってみない? やすこ:これに私たちが答えるってこと?面白そう。やってみよう! かおり:そう言ってくれると思った(笑) 先に10の質問をざっと紹介するね かおり:というわけで、早速答えていきたいんだけど、まず第1問「あなたの『人生の一冊』は何ですか?」か…。ちょっと最初から難問じゃない?これ、ちょっと後回しにしていい?やすこさん、

          しゃべりたいふたり第12回~『本好きに10の質問』に答えてみた(前編)

          50代、地味だけど心地良い暮らしの話〜藤野千夜『団地のふたり』

          やすこさんへ 『やっぱり猫が好き』私も大好きでした!恩田三姉妹のなんてことない、でも時々少し奇妙な生活が楽しくて、ずーっと続いてくれたらいいのにと思っていたよ。 先週おすすめしてもらった『聡乃学習』からの小林聡美さん繋がりで、私からは『団地のふたり』をおすすめ。 なんで聡美さん繋がりかというと、小林聡美さんと小泉今日子さん主演でドラマ化されたから。古い団地に暮らす50代女性2人のゆるーい日常が、何とも心地良いんです。 同じ団地で生まれ育った幼馴染で、お互いのいいところ

          50代、地味だけど心地良い暮らしの話〜藤野千夜『団地のふたり』

          五十過ぎたら順不同の話〜小林聡美『聡乃学習』〜

          lかおりさんへ こんにちは。 前回の『ハラヘリ読書』!同じ図書館に通っているのに、ノーマークだったわ。かおりさんはおもしろい本を見つけるのが上手だなあといつもながら感心しました。 さて、今回はかおりさんの大好きな「スイカ」のドラマに出てくる小林聡美さんの『聡乃学習』について書こうかなと思います。 私と聡美さんの出会いは「やっぱり猫が好き」のドラマなんだよね。ちょうど高校生くらいだったと思うんだけど、世界観がたまらなく好きだったの。長女がもたいまさこさん、次女が室井滋さん

          五十過ぎたら順不同の話〜小林聡美『聡乃学習』〜

          本を美味しく味わう話~宮田ナノ『ハラヘリ読書』

          やすこさんへ 前回のお手紙で『和菓子のアン』の世界に魅了されてすっかり和菓子の口になってしまったやすこさんの様子を見て、「まさに”ハラヘリ読書”だ!」と楽しくなったので、今日は宮田ナノさんの『ハラヘリ読書』を紹介します。 作者の宮田さんは、気に入った本を噛み締めるように何度も読むタイプの読書家。中でも本の中の『食べ物の描写』が大好き!というわけで、これは一冊丸ごと、古今東西のエッセイや小説に出てくる『食べ物』をテーマにした本です。やすこさんも絶対好きだと思うな。 私が特

          本を美味しく味わう話~宮田ナノ『ハラヘリ読書』

          和菓子がものすごーく食べたくなる話〜坂木司『アンと幸福』〜

          かおりさんへ みくのしんさんが初めて読む『走れメロス』の話、私も読んでみたくなりました。花によると「オモコロチャンネル」っていう動画チャンネルで若者に人気があるんだってね。私は動画チャンネルはほとんど見ないけど、私の知らない文化がたくさんあるんだな〜とひとつ賢くなりました。 さて、知らない文化つながりで、今回は坂木司さんの『和菓子のアン』シリーズの第4弾『アンと幸福』について書こうと思います。和菓子ってさ、知らない文化のかたまりで奥深いなあと、このシリーズを読むとしみじみ

          和菓子がものすごーく食べたくなる話〜坂木司『アンと幸福』〜

          全読書家が震える?話 ~『本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む』~

          やすこさんへ 『目の見えない白鳥さんとアートを見に行く』、私も読みました。話に出てきた美術館の人じゃないけど、ちゃんと見ているつもりで実は見えてなかったってこと、結構あるよね。よく知っているはずのもの(例えばドラえもんとか)も、いざお手本を見ないで描こうとすると、細かいところがどうなってたかわからなくて「あれ?あれ?」って。案外、ぼやっとしか見てなかったんだなって気付くの。 それと同じで、私は本が「読める」って思ってたけど、案外ぼやっとしか読んでなかったわ、と、この本を読

          全読書家が震える?話 ~『本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む』~

          それはどういうこと?の話〜川内有緒『目の見えない白鳥さんとアートを見に行く』

          かおりさんへ この間の岩波少年文庫の話、おもしろかったです!私も読み返してみようかな。 さて、今週は何を書こうかなあと思いつつ、図書館でぶらぶらしていて目に止まったのがこの本。川内有緒さんの『目の見えない白鳥さんとアートを見に行く』です。 美術系の棚で見つけたんだけどね、まず、「え、それはどういうことなの?」と思いました。イメージがまったく湧かないなか、なんとなく手に取り、本を開くとそこにはこんなメッセージが。 白鳥さんが初めて美術館に行ったのは大学生のころ。気になる

          それはどういうこと?の話〜川内有緒『目の見えない白鳥さんとアートを見に行く』

          しゃべりたいふたり〜第11回 祝!一周年 こうやって3人でnoteを書いてます。

          かおり:いやあ、早いもので「読みたいふたり」も1周年だね! やすこ:めでたい!「読みたいふたり」は毎週金曜日更新で、「しゃべりたいふたり」も11回分更新して、意外とがんばれたね〜。 かおり:ホントだね。去年の今頃は、続けていけるかなあなんて心配しながら、2カ月分くらいは書き溜めて、noteデビューに備えてたよね。 やすこ:noteのタイトルを何にするかとか、更新頻度とかを決める会議をしたり、1か月くらいかけて準備してた記憶がある。 かおり:準備期間も楽しかったよね。

          しゃべりたいふたり〜第11回 祝!一周年 こうやって3人でnoteを書いてます。

          児童文学を再読したら色々びっくりした話~ケストナー『飛ぶ教室』~

          やすこさんへ 前回の学校司書さんの本、面白そう。前にも話したけど私は田舎育ちで近くに大きな本屋や図書館がなくて、本との出会いは専ら学校の図書室だったので、そんな素敵な司書さんがいたらどんなによかったかと思います。10代でいい本や素敵な大人と出会えるって、すごく幸運なことだよね。 それで思い出したけど、この間、岩波少年文庫を買ったのよ。実は、夏のフェアに応募すると本をモチーフにした可愛いキーホルダーがもらえるので、これが欲しくて! アクキー目当てで買ったけど、久しぶりに再

          児童文学を再読したら色々びっくりした話~ケストナー『飛ぶ教室』~