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どーでもいいけど確認したい話〜益田ミリ『小さいコトが気になります』〜
かおりさんへ
「読みたいふたり」を始めて、気がつけばはや9カ月。図書館に行ったり、本屋さんに行ったりしながら、「ネタ探し」をするようになりました。「これは書きやすそう」とか「この本にチャレンジしてみようかな」とか。今回紹介したいのは「これはかおりさんが好きそう」と思った本。益田ミリ『小さいコトが気になります』です。
人は確認を怠ったとき、小さな、あるいは、大きな失敗をしでかしてしまうことがあります。しかし、この世にはさほど必要のない「確認」もあり、わたしは、その、さほど必要のない確認のために、そこそこの時間を費やしていることに気がついたのでした。
「心当たりがある………私もだ」と思いました。まあ言ってみれば、かおりさんと私のLINEもそんな会話が少なくない。「さほど必要のないこと」について確認したり、考えたり、語り合うことは本当に楽しい。何の役にも立たないからこそ楽しい。それを実感できるような本なのです。
この本はね、エッセイ+イラストの章もあるし、マンガの章もあるの。私は、なぜかマンガの章の方が「あるある〜!わかるう!」と思うテーマが多かった。
前に「将棋がまったくわからないくせに将棋の本が大好きな話」でも書いたんだけど、「棋士のメニューの確認」なんかよくわかる!将棋メシを確認したところで私には何の関係もないんだけど、確認したいんだよね。「どんな気持ちで今日はこれを選んだんだろう」とか、「このメニューを提供したお店の人はなぜこれを出したんだろう」とか思いを巡らせることがただ楽しいというか。
他人の買い物カゴをちらっと盗み見て勝手にどんな人かを想像しちゃう「買い物カゴの確認」とか雨が降り始めると雨が降ってる様子をただただ見てしまう「雨の確認」とか。「だからなんだっていうの?」という「確認」を人はしちゃうもんなんだよなとつくづく思いました。
そして、思ったのです。「どーでもいいけど確認したい」のは脳が平常を保ちたいからなのかもなあって。人は怒ったり、喜んだり、感情が揺さぶられると疲れちゃうでしょ。だから、人はいつでも「さほど必要ではないこと」を確認することに余念がなくて、そういうことで頭をいっぱいにしてるのかも。
会社で嫌なことがあったとき、同僚と最初は愚痴っているんだけど、だんだんと話がそれていって、どうでもいいことに話が及ぶと何だか楽しくなってきて、まあいいかって思えるのと同じというか。あれ?違うか。
ともかく、きっとかおりさんは好きだろうし、この本にない「さほど必要もないけど確認したいこと」をいっぱい思いつくのではと思います。ぜひ、読んでみてね。
2024年5月31日
やすこより
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