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しゃべりたいふたり ~第2回 俺たちのコバルト文庫~

かおり:さて、この間のLAVOTミュージアムから始まった「しゃべりたいふたり」だけど、本当は最初にこの話をしようって言ってたんだよね。

やすこ:そうそう。そもそも私たちがたまに会って本の話をしていたのが「読みたいふたり」の始まりだからね。往復書簡もいいけど、ふたりでしゃべってるのをそのまま記事にしても楽しんでもらえるんじゃない?って話になって。

かおり:テーマを設けてしゃべってみようと。図らずも第1回はLAVOTミュージアム体験記になったけど、今回は、膝附き合わせて本について語る会。これからも本にまつわるいろんな話をしていくつもりだけど、まずは私たちが若いころに夢中になったこれの話をしたいんだよね。
名付けて「俺たちの”コバルト文庫”」(拍手!)

やすこ:コバルト文庫!本当に好きだった。勉強してるフリをしながらいっつも机とヒザの間に本を挟んで読んでたわ。今から思えば、一体何のパフォーマンスだよと思うけど。かなり夢中になっていろいろ読んだよ。今の子はわかんないよねえ。でも私たち世代はどストライクじゃない?

かおり:コバルト文庫と言えば氷室冴子!『クララ白書』と『アグネス白書』が大好きだった
お父さんの転勤で寄宿舎に入ることになった話でさ、新入りの通過儀礼で食料庫破りをしてドーナツ45人分をあげるんだよ。クララは中学生の話で、アグネスは高校生の話なの。女子校の寄宿舎生活、めっちゃ憧れた!ずっと共学だったけど。

やすこ:私は断然『なぎさボーイ』『多恵子ガール』。2冊で完成するっていうのが新しかったの。めちゃくちゃキュンキュンした。私、中学から女子校に通っていたから、もう色恋にはあこがれしかなくて、妄想一直線だったからさ。懐かしいなあ。


かおり:表紙もよかったよね!
並べ方で向き合ってるようにも、そっぽ向いてるようにも見えるという。
『なんて素敵にジャパネスク』『ざ・ちぇんじ!』『雑居時代』もよかったなあ。
氷室冴子さんが亡くなったの知ってる?2008年に51歳で亡くなったんだって。知った時はショックだった。

やすこ:え!知らなかった。そうなんだ〜。なんかそう聞くと読み返したくなるね。でも、今って売ってないよね。
私は氷室冴子も好きだったけど、久美沙織派だったの。『丘の家のミッキー』が好きでさ、実家に行くたびに探すんだけど、多分捨てられちゃったんだよね。買っちゃおうかなあ。Amazonで10冊セット2280円って言ってる。どう思う?

かおり:買っちゃえば?10冊セットなら安いし。でも古本だと結構焼けちゃってたりするよね。いっそKindleでよくない?絶対きれいだよ。

やすこ:そうなんだけどさ、紙がいいんだよね。古い人間と言われても紙で読みたい。あ!なんか中古で買うときはイラストレーターが変わってないか確認しろって書いてある。

かおり:絵も大事だよね。あ、『丘の家のミッキー』イラストめるへんめーかーじゃん。そうだったね〜。
あ!『シンデレラ迷宮』売ってる!この表紙懐かしいな。このピンクのやつ。

やすこ:あー!これ!そうそう、この表紙だったよね。読んだ!好きだった!でも内容が思い出せない。どんな話だったっけ。

かおり:私も読んだ!と、好きだった!しか憶えてない!(笑)
新井素子も好きだったなあ、『あたしの中の』とか『星へ行く船』シリーズ、夢中で読んだよ。

やすこ:あの頃は本当に夢中で読んでたよね。今、あんな読み方、なかなかできないよ。

かおり:10代の体力と集中力(笑)

やすこ:それもあるけど、やっぱりあの頃は今より好奇心いっぱいだったんだろうな。人生経験も読書経験も浅い分、何もかもが新鮮だったってこともあるんじゃない?

かおり:そうかも。そう考えると、やっぱり10代の読書体験って大事だね。この年になると感情を大きく揺さぶられることに疲れちゃうからさあ。もうあんな風に、本の世界にどっぷり溺れるような読み方はできない。

やすこ:わかる!感情を揺さぶられるの疲れる。ドラマでもジェットコースターみたいな怒涛の展開のやつは見るのすごく大変!坂口健太郎が出てたやつは仕方ないから見たけど。だって、坂口健太郎が出てちゃ、見るしかないもの。

かおり:あー、坂口健太郎はいいよね!わかる!坂口健太郎はいい!
それはそうと赤川次郎もあったよね、コバルト文庫。

やすこ:あったあった。でも三毛猫ホームズは違うんだよね。あれはサイズが一回り大きい本だった。

かおり:うんうん。コバルトはね(調べる)…あ、吸血鬼シリーズだ!『吸血鬼はお年頃』とか。

やすこ:読んだー。

かおり:私も読んだ。全く憶えてないけど。
そう言えばコバルト文庫って今どうなったの?もう見ないよね?

やすこ:いや、それがWebに移行してったみたいなんだよ。で、文庫本としてはオレンジ文庫がコバルトの後継になるのかな?

かおり:へえ~。あ、ホントだ。今もあることはあるんだ。すごいね。今の10代の子も夢中になって読んでるのかな?そうだといいな。

やすこ:コバルト文庫、今読み返したらどんな感じかなあ?また夢中で読めるかな?

かおり:どうだろうね?やっぱり買ったら?『丘の上のミッキー』(笑)


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