美味しいものでも食べなさい

「手伝ってくれてありがとう。はい、お駄賃、これで何か美味しいものでも食べなさい」

「断固拒否する！」

「えぇ！？」

「俺は入った金は絶対ゲームに使う！これで何か美味しいものを買わないといけないなら受け取りを断固拒否する！」

「いや、別に自由に使ってもらって構わないんだけど、言葉のあやというかさ…。」

「はぁ！？何それ！？何か美味しいものでも食べなさいと言っておいて、実は何か美味しいものに使わなくてもいいのかよ！うそつき！」

「そこに突っかかる！？っていうか、せっかくお駄賃あげるって言ってるのにその態度は失礼じゃないかな！？」

「せっかくの厚意でもそれで人の金銭的自由を奪うならそれは人権侵害だ！」

「金銭的自由を奪うだなんて大袈裟な…。美味しいものでも食べなさいって言うけど本当は何に使ってもいいんだよ」

「言動に一貫性がないぞ！裁判官！どう思われますか！この人の言うことを信じられますか！？」

「どこに裁判官がいるんだよ！ここは法廷じゃないだろ！っていうかさっき『入った金は絶対ゲームに使う』って言ったけど、もしかしてそれでそんなに痩せてるの…？一体どのくらいの間食べてないの…？」

「うるさい！関係ないだろ！」

「本当にこれで何か美味しいものでも食べなさい…。」

「やめろ！人の金銭的自由を奪うな！人権侵害だ！」

「餓死寸前になるほどゲーム依存症になっている人を目の前に金銭的自由とか言ってられないんだよ！」

「え…」

「やっと自分の状況を理解したのか。とりあえず近くのレストランにでも連れていくから、美味しいものでも食べよう？」