見出し画像

「何歳になってもミニスカ履きたい」。20代でエイジズムに悩み始めた...年を重ねることが怖い私たちから提案です!【Yomcottメンバー雑談会】

/違和感ポイント/
ある日突然、「自分の顔が老けた」と感じた。女は若い方が価値があるのか...?年齢に関する偏見や差別がある中で、どうしたら、自分らしく生きていけるのでしょうか。エイジズムに悩むYomcottの大学生メンバーが、語り明かしました。

写真(左から):原野百々恵、清水和華子、RIHOKO

エイジズム」とは、年齢に対する偏見や固定観念(ステレオタイプ)から生まれる年齢の差別のことです。例えば「いい年してこんな格好して」「頭が固いのは年のせい」などの発言がエイジズムに当たります。

Yomcottのデザイナー・RIHOKOが、自分の外見に対する「老け」を感じるようになったことからエイジズムを意識し始めたという話から、同メンバー原野と清水の三人で「エイジズム」について語りました。

Yomcottメンバー三人は、どんな時に、エイジズムを感じているのでしょうか?各メンバーのエイジズムとの向き合い方や思いを聞きました。

<参加メンバー>

RIHOKO:大学4年生。大学2年生になった頃から、自分の外見に「老け」を感じるようになり、エイジズムを意識し始める。

原野百々恵:大学3年生。ギャップイヤーや休学を経て、同学年の多くの生徒よりも年齢が上。大学に復学した時に感じた「年齢による違い」や「年齢をバカにする冗談」でエイジズムを意識するようになる。

清水和華子:20歳。早稲田大学2年生。エイジズムの概念は「何となく知っている」程度。

※2022年2月時点のプロフィールです。

イメージ画像。写真=Unsplash

急に顔が変わった

原野:RIHOKOがこのエイジズムの話題を持ってきてくれたけど、そもそもどうしてエイジズムを意識し始めたの?

RIHOKO:大学2年生になってから、急に自分の顔が変わったなって感じるようになったんだよね。そこで、「あ、これが老けるってことか」って意識し始めたんだよね。一回意識しちゃったら、沼にはまっちゃって、高校生の時とか昔の方が、かわいかったなって思うようになったんだよね。

私のエイジズムは、ルッキズムとかジェンダー意識とかにも近いと思う。若い方が見た目で良い評価を受けやすい、みたいな。

清水:言われてみれば私も、大学に入学してから、「銀杏伝説(=大学1年の秋、銀杏の散るころまでに彼氏が出来ない東大女子は一生独り身)」とか「一姫、二女、三婆、四屍(=1年生の時にはもてはやされる女子大生が、4年になるにつれて塩対応になっていく様子)」っていう言葉を聞いて驚くと同時に、エイジズムとか感じるようになったかも。「一般的に女性の価値って、年齢に応じて下がるんだな」って思っちゃった。

RIHOKO:あるよね、そういう周りの価値観。私は、同学年より年が2個上だから、おばさんいじりとかされる時もあったなあ。21歳まではいじられても気にしてなかったんだけどねー。

原野:分かるそれ。「20歳超えたら誕生日も祝ってほしくない」ってインスタで投稿している友達を見て、年を取ることに対するマイナスなイメージが凄く強いんだなって思った。

RIHOKO:うんそうだよね。私も自己肯定感が凄く下がっていた時期に、同じ学年で2つ年下の男の子達と一緒に過ごしていて、「この子達は私のことなんか恋愛対象として見てないんだろうな」って想像して悲しくなってた。

清水:それは年齢が上だから、自分はそういう対象にならないって思ったってこと?

RIHOKO:うん。2歳差で、私が女性っていうのを凄く大きなものだと感じた。

清水:確かにエイジズムと女性でいることって凄く密接に関連しているのかも。ちょっと極端な視点かもしれないけど、高齢の男性を「イケオジ」って言うのに、女性だと「美魔女」ってなんか揶揄する表現になっちゃうよね。「美魔女」って凄くマイナスなイメージがある。

RIHOKO:体感だけど、女性の方が「年齢での呪縛」が多い気がする。男性がどう思っているのかは分からないから、断定できないけど。

原野:もし、自分のピークが19歳とか20歳って思ってしまったら、その後は下がるしかないっていうマインドセットでいるのも寂しいよね...。

清水:確かにね。若い方が良いみたいなステレオタイプがある中で、どうやったら楽しく年をとれるんだろう?

イメージ画像。写真=Unsplash

楽しく年を取る方法ってある?

原野:RIHOKOは、一時期エイジズムを気にして落ち込んでいた頃よりも、吹っ切れた(ていう表現が適切かは分からないけど)印象があるのだけど、どんなきっかけがあったの?

RIHOKO:うーんまずは、自分の見た目を受け入れるようになったことかな。自分が想像する自分の姿が、「高校生の時の自分」から「変わった後の自分」に変化したことはあると思う。

それから、ある程度は「老い」に抵抗するようにしたことがあるな。胸がたれ始めたと思った時は、ナイトブラとかして出来るだけ気休めをしたんだよね。「これやってて無理ならまあいっか」っていう気持ちになったかな。あとは、「今のあなたの方が綺麗だよ」って言ってくれる人が、周りに増えたこと。凄くありがたかった。

原野:周りの評価ってすごく影響するよね。エイジズムとかルッキズムの一番の怖い部分って、自分が変化することに関して、「どう周りの評価が変わるか」だと思う。評価が下がったりとか、誰かに何か言われたりとか、パートナーに好かれなくなるとか。

エイジ・ニュートラル

RIHOKO:やっぱりエイジズムに対して、完全に前向きにはなれないな。ルッキズムと切り離したくても、外見を褒められると凄く嬉しいし。

「こういう風にあるべき」という信念とか考え方を厳しくしすぎないのも大事かも。自分の年齢に対して、不安に思う時もあるよねって感じで許容できるようになった部分もあるし。

原野:今のを聞いて、ボディ・ニュートラル(ボディ・ニュートラル=自分の外見や体型に対する感じ方をそのまま受け入れること)みたいな価値観の方に少し近い気がした!ボディ・ニュートラルならぬ、エイジ・ニュートラル(Age Neutral)...?!(注1)

注1:この文脈でのAge Neutral、「年齢を重ねることに対して否定をする自分も肯定する自分も受容しようという態度」という意味の、Yomcott内での造語。本来の意味では、「若者も高齢者も両方ともに使いやすい製品やそのデザイン」のこと。

清水:ボディ・ポジティブは、「自分の体型について常に前向きな考えの立場でいること」だから極端には、「自分の体に対して、常に、好き!と思わなくてはいけない」っていう押し付けもある。一方で、ボディ・ニュートラルは、「自分の体形に自信が持てない日もあるよね」っていうメッセージも含まれているよね。

原野:そうそう!否定も肯定もしないこと、だと思っている。年齢を重ねることに関して、嬉しく思う時も悲しく思う時もきっとあるから、それ全部を「そーゆー時もあるよね」って自分で思えるようになりたいなぁ。

RIHOKOは、同じような悩みを抱えている人に向けてコメントある?

RIHOKO:うーん、「自分も歳取るんだから、年上の人を馬鹿にすんじゃねえぞ!」っていうのは置いといて、、、(笑)年齢を重ねることを不安に思ったり、自己肯定感が下がってしまったりすることは、私ももちろんある。

自分に対してもだけど、言いたいのは、2つかな。こういうことを一緒に悩んでくれる仲間を見つけようってことと、年齢を重ねる自分も肯定してくれる人を隣に置こうっていうこと。

あとは、何歳になってもミニスカ履くし、自分の好きなことがしたい!

原野:最高(笑)!自分の着たい服を着れば良いし、それを否定的に捉えない社会を作っていきたいね。

最後に

(文章:清水)

この座談会を通して、自分が少しだけ感じていた、「売れ残る」「摩耗していく感覚」を共有できる仲間が周囲にいたことに気づくことが出来ました。

正直に言うと、私は、今でも自分の見た目や年齢で落ち込んでしまったり、認めてあげられなかったりします。自己肯定感を常に高く保ち、「毎日、自分大好き!」と生きることは出来ていません。だけど、そんな日もあるし、きっとあっても良いのだと思います。

エイジズムやルッキズムで悩む全ての人に、

今のままで十分素敵で、素敵じゃないと悩むあなたもとても素敵」というメッセージが届きますように。
悩んだときは、お互い様なので、もやもやしたらぜひYomcottに教えて下さいね


執筆者:清水和華子/Wakako Shimizu
編集者:原野百々恵/Momoe Harano、RIHOKO


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?