KYOTO OPEN ATELIER2023/スタジオ紹介①/淀スタジオ
KYOTO OPEN ATELIER2023が、京都の5つのスタジオを舞台として10月28日(土)・29日(日)に開催されます!
アーティストの日常の制作風景を見学でき、時間によってはアーティスト本人から直接作品の素材や技法、経緯等を解説頂ける交流型イベントとなり、昨年度に続く2回目の開催です。
本日は、会場の一つであり、本イベントを私たちYOMAFIG.と共同主催している淀studioにスタジオの特徴や注目してほしいポイントをインタビューしてみました!
淀スタジオについて
「淀スタジオ」は京都市伏見区に位置する共同スタジオです。 彫刻家の名和晃平氏のアトリエを引き継ぐ形で2010年に創設されました。3つの河川(木津・宇治・桂)が合流して形成される淀川の始点に位置しており、まさに多様な感性が混じり合う場所として様々なジャンルのアーティストがこれまで活動を続けてきました。
「淀」という水分り(みくまり)で起こる様々な作用と変化を、それぞれの「つくるコト」を通じて共有し、流れ行く「その先」を展望していきます。
別のチャネルを開拓し、新たな道を拓いていくスタジオ
ーどのような特徴があるスタジオなのでしょうか?
(井上)
元々はアーティスト同士が「あまり干渉せずに支え合う」という点が特徴だったのですが、最近はだいぶ雰囲気が変わってきたように感じています。ただ制作するだけじゃなくて、アクティブにお互いが成長できるために取り組んだり意見交換をする、そんなスタジオなんじゃないかなと主宰の立場からは見えております。
若い作家も多いので、閉じたアートワールドの中でのキャリアアップを目指すだけではなく、別のチャネルを開拓して新たな道を一緒に拓いていく、そんな取り組みを意識していますね。
私自身も積極的に外部の情報や、交流機会を提供できるよう心がけていますし、まさに今回のKYOTO OPEN ATELIERもそういった取り組みの一環と捉えていますよ!
(田守)
ずっと制作に没頭している人もいれば、たまーに来てサッと帰るような人、昼夜逆転している人など、様々な制作スタイル・ライフスタイルがあることを感じます。
また、大きな音出しOK!ってところもこの立地ならではだと思いますよ。
シェアアトリエには珍しく、壁に仕切られておらず個室やブースのないスタジオなので、緩やかに会話が発生するところも気に入ってます。
(井上)
田守さんはアーティストとして活動をしてきたわけではなく、普段は某ゲーム会社でプロデューサーとしてご活躍されています。そういったアートワールドの外の世界の視点を持った人がいることも淀スタジオの特徴です!
田守さんは普段のお仕事のご経験を活かして、アート分野でもプロデューサー視点での疑問やアドバイス、議論もよくスタジオでしています。作家にとっても刺激になっているのでは?と思います。
(田守)
アートワールドは、まだまだ知識的にも商慣習的にも素朴に疑問に思うことが多いので、そういった議論をスタジオメンバーと率直にできるのはいい環境だなと思っています。スタジオメンバーも積極的に話をしたり、相談をしてくれたります。
作家の入居については井上さんにご連絡を!
ー現在5名の作家が在籍していますが、入居者はいつもどのように決まるのでしょうか?
(井上)
教えている大学で学生に紹介したり、どこかでスタジオの存在を知って連絡をくれて入居に繋がることが多いです。入居にあたっては、最低限のポートフォリオなどは送って頂いております。ただ、そのタイミングで満室の場合はお断りすることもありました。
あの大先輩が使っていたスタジオ
ー「淀スタジオ」ができる前はこの建物はどのように使われていたんですか?
(井上)
元々30〜40年前は三棟続きの工場だったんです。作家の名和晃平さんがNYのレジデンスから京都に戻る際にアトリエ探しをして、ここに今の淀スタジオを作りました。
アーティストの息吹・現場の空気感を楽しんで貰いたい
ー最後に、来場者に伝えたいメッセージやスタジオの見どころがあれば教えてください!
(井上)
完成した作品だけではなく、アーティストの息吹・現場の空気感を楽しんで頂けるのがオープンアトリエの醍醐味だと思います。制作現場の空気を肌で感じられる機会は滅多にないので、存分に体感して頂ければ幸いです!
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