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キウイ栽培の原点に立ち、日本の将来へできることを模索する

静岡県掛川市でキウイ農家を営む平野耕志さん。とは言っても、いざサイトへアクセスすると、BBQにキャンプ場、動物とのふれあいなども催されています。「お客さんの入り口を広くして、そこから農作物への関心にも繋げていきたい」と話す平野さん。その思いに至った経緯やこれからのことを伺いました。

キウイの国内栽培は、私の父がパイオニア

私の家は、父の代からキウイ農家でした。1976年にアメリカへ農業研修に出かけたそうなのですが、その時に訪れた果樹研究所で、みかんの隣で栽培されているのがキウイでした。元々うちの家は当時からみかんとお茶を栽培していましたから、父が種をもらうことを頼んだそうで。それで日本に持ち帰ったのが、今国内で栽培されているキウイの原点。いわゆる「パイオニア」のわけですが、私はその二代目として、日々畑に立ち農業を営んでいるところです。

スタッフの写真家族写真

世界に目を向けていた自分が日本を選んだ理由

そんなわけで私にとってキウイは、生まれた時から身近ではありましたが、父の畑を継ぐ気持ちが当初からあったわけではありませんでした。農業に携わろうと思った時も目線は諸外国にあって、世界中で教育に従事することを思い描いていたんです。実際にアメリカで農業研修をしたあとは、JICA(青年海外協力隊)としても活動しました。

そんな私にとって転機となったのは、アフリカで現地の農業支援をしていた時のことでした。そこは水道も無ければ電気も無いような地域だったのですが、「恵まれていない」とだけ捉えるのは早合点で。なぜなら彼らは、作物の成り立ちや、火はどうやったら起こせるかなどを、当たり前のように知っています。片や日本はどうでしょう、大人も子供も自分が食べているものがどこから輸入されているかを知らなかったり、最近ではIH普及もあってか本物の火を見たことが無かったり。物事の本質を捉えられているのは、むしろアフリカの彼らであって、自分が働きかけなければいけないのは日本の若者なんじゃないかと。そう思い立ったんです。

農業体験の敷居の高さをクリアするために

日本で働くと決めてからは、父が続けてきたキウイの栽培へ携わるようになりました。もちろん根底には「将来を担う日本の若者に、自然のことや農業のことを肌で感じてもらいたい」というのがありましたから、1990年からは観光農園として体験型に本腰を入れました。案内を見てもらうとわかるように、農業体験や自然体験だけでなく、BBQや音楽イベントなどもやっています。どうして?と思われるかもしれませんが、実は農業を体験したいって最初から思っているお客さんは少ないんです。敷居が高いと言いますか…なので、音楽だったりスポーツだったり、時には異なる分野からも足を運んでもらうきっかけ作りをして、実際に来てもらった時に併せて農業や自然のことにも触れてもらう、という流れにしています。

気が付けば一緒にイベントを催してくれるお店や企業さんも増えてきて、キウイの栽培も品種で言うと約80種類、商品化できているものだけでも18品種になりました。以前に比べれば市場価値も下がってきてしまっていますが、これからも「キウイフルーツカントリーJAPAN」をきっかけに、キウイあるいは農業に興味を持ってくれる人たちを増やしていけたら嬉しいです。

メイン画像農園で作っているキウイDSCN6211_7824

【おまけ:キウイのおいしい食べ方・活用法】
やっぱりキウイはそのまま生で食べるのが一番だと思います。
あとは皮を刻んでお肉と一緒に漬け込むと、酸味の成分が働いてお肉が柔らかくなるのでおすすめです。
それとキウイジャムなんかは、紅茶へお砂糖代わりに入れるのもおいしいですよ!

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