嫌みったらしく半笑いで「何屋かわからん」って言われます。

よく言われるから慣れてきましたけどね。大体ね、企業にお勤めのえらい役職とかに言われるんですけど「何屋かわからん」半笑いで。あっ、お客さんじゃないですよ。取引先とかの人です。同業者とかにもですね。

はっ? なんか問題ありますか? えっ、あなたに迷惑でもかかりますか? 店名に寝具店って入ってますけどね。寝具店って。入口に看板もありますけど見えなかったですか? なんで、いけないことですか? ダメですかね、寝具店だけど味噌つくったり、アロマワークショップしたり、文化祭やったり、ライブやったりするのって。気に障りますか? 

そりゃ、歯科医師が外科手術したら問題でしょうけど、ドラッグストアで食品売ってるじゃないですか、うどん屋に蕎麦がある店もあるじゃないですか、ケイスケホンダはサッカー選手なのに監督やったりビジネスやったりしてるじゃないですか。寝具店がちょっとワークショップやる位いいじゃないですか。

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なんで、嫌みったらしく半笑いで「何屋かわからん」って言うんですかね。専門店なのに別のことやってたり、売ってたりするかでしょうか。寝具専門店は寝具だけやってろよ! ってことでしょうね。

うちは、専門店ですよ。寝具専門店です。寝具についても、眠りについても追求したり研究したり実験したりしています。うちの店の商品の軸は寝具です。

味噌を作ったり、焼き菓子売ったり、シャンプー売ったり、服を売ったりしているから寝具専門店じゃないやんってことですよね。そうじゃないんです。ぼくの中での専門店の定義は寝具が軸にあることなんです。その寝具や眠りのことを伝えるためには、まず共感してもらわないと聞いてもらえないですよね。だから、寝具以外の商品を置いたり、ワークショップをやったりしてるんです。

で、もっと言うと、寝具以外の商品やワークショップも真剣に吟味してるんです。売れるからとか売れ筋だからとかで選んでないんです。

この店やる以前はね、展示会とかで作り手の方に「今、どれが売れ筋ですか?」とか「他のお店でどれが売れてますか?」みたいなしょうもない質問ばかりしていました。恥ずかしい。じゃないんですよね。「うちのお客さんこの商品仕入れたら喜ぶやろうな~」なんですよね。これに気付いて商売が愉しくなりました。

だから、うちの店の軸は寝具です。が、商品構成の軸は「お客さんが喜ぶやろうな~」なんです。

それに、楽しいんですよ。ワークショップとかするとお客さん同士が仲良くなったり、お客さんが講師になったり、お友達を連れてきてお客さんにしてくれたり、色々な輪ができるんですよ。店がね、なんかの場になるんです。ぼくなんてね、コレといって得意技があるわけでもないですし、得意技持ってる人にお願いしてお客さんに楽しんでもらってるんですよ。

店がなんて言うんですかね、勝手に動き出すというか生き物になる感じです。ぼくは見てるだけですけどね。

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だからってぼくは何でもありって感じで闇雲にやっている訳ではないんです。お願いするワークショップの講師とか文化祭に出店してもらうお店の人とかは、うちのお客さんと波長みたいなものが合う人じゃないとダメなんです。そういった意味では何でもありじゃないんです。そこがズレると面白くないんです。

でも波長さえあってれば何でもありだと思ってるんです。寝具店がアロマワークショップやろうが、食品販売であろうが、家を売るのも車売るのもありだろうし「何屋かわからん」でいいですよ。むしろ、そう思ってくれてウエルカムです。「お客さんが喜ぶやろうな~」が軸なんですから。

こちら方の記事の方が分かりやすい(笑)


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