ぼくをインテリア好きにさせてくれた、あの男は今。
26年前、1994年だった思います。ぼくはインテリアというものに興味を持ち始めました。あるひとりの男の影響です。
同じラグビー部に所属していたその男は、部の寮に入っていました。ある日スパゲッティーを作ってくれるということで部屋に遊びに行きました。そこでぼくは何気に感動しました。
和室6畳の畳部屋に簡易キッチンが付いている古い部屋だったのですが、他のやつの部屋とは全く違っていてインテリアにこだわっているというより、空間を大事にしている感じで、すごく居心地がよかったのです。
キッチンを丸見えにしないためのタペストリー、照明に掛けた布、わざわざ買ってきた観葉植物、その鉢に付けたクリップライトの間接照明、お香、紺のストライプの布団カバーとか、なんかいいバランスで遊びに行きたくなる部屋でした。あの部屋の写真は残ってないやろな~
3時間待たせれたトマトスパゲッティーは最高! 待たされたからなのか最高においしかったのを鮮明に覚えています。
それからぼくはインテリアや雑貨や寝具を扱う名古屋の会社に就職し、インテリアが仕事になりました。仕事になってもインテリアは好きなままで、東京の青山にあったIDEEその周辺のお店、大阪のgraf,トラックとかわざわざ見にいくほどでした。
その後福岡に戻り、10年前の2007年にインテリアコーディネーターの資格を取得。妻はキッチンスペシャリストを取得しました。
なのに、なのに当店にご来店頂いたお客様は、お店を見て「インテリアお好きなんですか?」と沢山の方から聞かれます。好きなんですけど、仕事でもあるので複雑な気持ちです。
もしかして、当店がインテリアも扱えるということが伝わってないんじゃないのか? と。それはそうだ、店名だってよくねる寝具店だし、インテリア商品も少ない、これでは伝わっているわけがないと。
インテリアのお仕事もやってますよ。
あの男のことですが、今どうしてるか? 東京の麻布十番でフレンチレストランやってます。ミシュランにも載りました。全てはあの部屋、あのスパゲッティーから始まったんです。
東京都港区南麻布2丁目5−21-1F タストゥー
これは、お客さんに「うちの店は、インテリアのお仕事もやってますよ!」とお知らせするために書いたものです。yokunelthingという毎月お客さんに送っている冊子の一部です。
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