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SIM residency July-3

鳥居が完成し、7/18に撮影を開始した。鳥居は分解できるようになっており、そのパーツを運ぶための荷台を借りることができた。

【ゴールデン・サークル】
レンタカーを借り、車でゴールデン・サークルを目指す。
このエリアには、間欠泉や巨大な滝、プレートの境界など多くの見どころがあり、今回のプロジェクトである鳥居を設置するのに適した場所があると考えていた。

レジデンス施設から車を50分ほど走らせると、地熱により、そこら中から蒸気が噴出している地帯に到着した。硫黄の匂いが漂い、それほど有名な観光地でもないので、人はほとんどいない。
大小さまざまな地面に空いた穴からは、ボコボコと湯が煮えており、注意書きを読むと、沸騰している状態であり、地面自体も高温で危険らしい。
かなり大きい穴の近くに、三脚を立て、動画で撮影したが、湯が飛び散ったりして危険な雰囲気がすさまじかった。

次に、間欠泉を目指したが、少し道に迷った(直進しているつもりが、一回転するように前に通った道に戻ってきた)。北海道に風景は似ており、山は少なく、建物もほとんどない。ひたすら広がる平地に、コケや草が生え、道沿いに柵がしてあり、その中で馬や羊が放たれていた。高速はなく、普通道だけであるが90km/hが基準であり、道も空いているため非常に快適なドライブではあった。

間欠泉(ゲイシール)は、完全に観光地化されており、道の駅のようなインフォメーションセンターとレストラン、土産物屋、ホテルがすぐそばにあり、多くの人でにぎわっていた。
それもそのはずで、高さ数十メートルまで到達する高温の水しぶきは、見ごたえ十分であり、数分に一度、爆発するように起きるので、エンターテイメントとしての強さがあった。

「ザ・アイスランド」といった感じで、それ以上でも以下でもない。次は、グトルフォスの滝を目指す。

この滝も、ゲイシールと同様に、道の駅的なものと巨大な駐車場がすぐそばにあり、多くの観光客でにぎわっていた。確かに、その大きさ、迫力は圧巻で、蒸気のように水が天に昇っていき、音もすさまじいものがあった。

こうして、アイスランドに来た人なら、まず行くであろう観光地に足を運んでみたのだが、結局、鳥居を設置する気にはならなかった。

【鳥居の設置・撮影】
鳥居を設置するシミュレーションなど、事前に想像していたイメージでは、アイスランドの自然と組み合わせるといったものだったが、自分の持っていたその「自然」のイメージが観光的なものであり、実際のアイスランドの自然の中でも特殊なものであると気づいた。

観光のイメージを消費することを、作品と分けて考えられていなかったことを考えさせられたのは、この初の海外のレジデンスで、いい経験だった。

グトルフォスの滝を離れ、車を走らせる中で、どこまでも広がる平原に鳥居を立てようと思った。特に、象徴的なものもなかったが、ありふれたアイスランドの風景と組み合わせてみたかった。

山を背景にして撮影し、次に水辺の近くで撮った。
写真自体は悪くない。しかし、ただ独特なフォルムを持つオブジェが自然の中に存在しているだけで、それ以外の意味は生まれなかったように感じた。

これは鳥居を立てることを通して、逆説的に、日本の鳥居が持つ意味を強調したように思う。この辺りを、もっと考えていきたい。後日、noteに記載していく。

【シンクヴェトリル】
滝を離れ、鳥居を立てた時点で夕方の7時を超えていた。
次に、滞在先からは1時間半ほどかかる場所であり、次にどこへ行くか、行かないかを考えたが、やや無理をしてシンクヴェトリルへ向かう。

と、言うのも、ここには広大な場所に、湖や、プレートの境界、歴史的な教会などが混在し、すべてを見て回るのに2時間はかかるらしい。

この日は朝から動いているが、疲れはそれほどなかった。
夜9時ごろ、現地に到着し、有名な観光地であるのにも関わらず、ほとんど人影がなく、独占するように満喫できたのは良かった。

11時ごろ、シンクヴェトリルを出発し、12時に滞在先へ到着。



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