道の先に

私にとって、大切な作品がある。
それは、ハスつかさんの企画に参加させていただいた作品。

こちらの企画、ハスつかさんのお人柄を感じる記事をお読みの上、ぜひみなさまに参加していただけたら嬉しい。
とっても気軽に参加させていただけ、みなさまの珠玉の一本が読めるのに、過去の記事をタグで調べなければならず、ハスつかさんがマガジンに登録されるのは一苦労だ。それなのに、お読みの上コメントをいただき、サポート、オススメまでしていただいた。
今年は素敵なサンタさんたちに贈り物をいただき、私は幸せ者だ。
ハスつかさんご自身が選ばれたのはこちら。

サッカー愛をひしひしと感じる記事だ。
拝読しながら、数年前に後輩と、子どものときに家族とサッカー観戦をしたときのことを思い出した。
私はハスつかさんのおむすびの記事も素敵で好きだ。

私が参加したのは、「道」という短編小説。

この作品は、特に思い出深い大事な作品だ。
「2000字のドラマ」企画参加から、私のnote生活が始まった。
「2000字のドラマ」については別記事でも語ったが、本当に学びが多く、ありがたい企画だった。
その最終日。この作品を送り出した。
ずっと、「今」を生きる主人公を描きたかった。「今」に響く作品を紡ぎたかった。
この大変な日々を歩む方々へ、希望が感じられる、それが、嘘っぽくない、自然にそう思えるようなものにしたい。
それを模索しながら「今」しか書けないものを初めて書けた気がしていて、「今年のいっぽん」を問われたら、これだと迷わず選べた。

評価という観点からも、大切な作品だ。
小説で初めてサポートとオススメをいただいたのが、この作品。驚き、とてもうれしかった。
きゃらをさんにサポートいただいたのだが、そのときいただいたコメントが本当にうれしかった。
私の胸だけに留めておくが、本当に、「伝わった!」。そう思った。

きゃらをさん、かっこいい。
仕事に誇りを持っていらして、それに真摯に全力で取り組んでらっしゃる姿勢が素晴らしいと感じる。
ただ、いいと思ってサポートしてくださったきゃらをさん、本当にありがとうございます。
私は、あのサポートにとっても勇気をいただいた。今書き続けているのは、あの日があったからと言っても過言ではない。

私は、道には、思いが乗り移っていると思う。これは受け売りの言葉なのだけれど、その言葉を聞いて、表現の美しさも然ることながら、そのイメージが鮮やかに想起された。
昔通った道。毎日通った、通る道。特別な日に通った道。
歩いた道。自転車で通った道。運転した道。車や公共交通機関に乗せてもらって通った道。
一人で通った道。家族で通った道。恋人と通った道。同僚と通った道。友人と通った道。
子どものとき通った道。大人になって通った道。
道を再び通り、その道に意識が向いたとき、そのときの思い出とともに、感情、温度、天気、言葉がぶわーっと蘇る。
小さいときに通った道に再び赴くと、変わっているものもそうだが、目線が違うから世界が変わって見えたりする。
乗り物に乗って通った道を歩いてみると、いつもと違う方向から通ってみると、違う発見がある。
記憶と歴史が宿る場所、道。
道の写真は過去いくつも撮ってきて、どれにするか悩んだが、前日に撮ったこの写真に決めた。今の私が一番思い入れがある道がいい。そう思ったからだ。

この「道」を書いて、「2000字のドラマ」を締めくくれて個人的にすごくよかったし、同時に、ああ、また書きたい!と強く思えた。
「今」を表現するのは難しい。
小説といえど、誰かの物語を大切に描くがゆえに、その描写にこだわればこだわるほど、それによって心を痛めてしまう人がいるかもしれない。特に、今を描けば、そういう人が増えるかもしれない。過去は過去で、蓋をしていたものを呼び起こしてしまうかもしれないけれど。でも、私は経験していない未来を描くほどの想像力は持ち合わせていないから、過去、今の作品がどうしても多くなる。
でも、多くはなくても、だからこそ響くものを書けるのではないか。そう信じながら、これからも書いていきたいと思う。

ちっぽけな私の築いてきた道が、私の今を形作っている。今進むこの道の先に、どんな未来が待っているのだろう。どうか、望む未来になるように、日々を大切に生きていけたらいい。

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