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冬の三首 ~白熊杯~

冬木立通り抜け戸を開けてみる
出迎えたのは満開の花

ふゆこだちとおりぬけとをあけてみる
でむかえたのはまんかいのはな

❄️

夜も更けて帰った君とふたりきり
湯船で過ごす語らいの時

よもふけてかえったきみとふたりきり
ゆぶねですごすかたらいのとき

❄️

いってらっしゃい気をつけて
手袋渡し君を見送り今日も待つ

いってらっしゃいきをつけて
てぶくろわたしきみをみおくりきょうもまつ

【一首目】
先日ひっそり呟いたが、昨年末、5年9ヶ月勤めた会社を退職。最終出社日、いつも通る冬木立を、一歩一歩踏みしめて歩く。冷たい風が頬を刺し、木の葉が舞う。緊張の面持ちで会社の戸を開けると、まず鮮やかなフラワーアレンジメントが目に飛び込んできた。その前に退職連絡をした取引先の方からだった。予想外の出来事に立ち尽くした。最後に大切な思い出をいただいた驚きと感謝の一首。

【二首目】
帰りの遅い妹を出迎えると、へとへとに疲れきっている。ごはんを食べ、息をつく間もなく、皿洗いの後入浴。入浴後、妹はいそいそと髪を乾かしスマホタイムに浸る。湯船に浸かる時間だけは、誰にも邪魔できない。温かい湯船で心身ともに癒され、愚痴や印象的な出来事を語り合う。そんな時がいつまで続くのだろう。できれば、まだもう少し、続いてほしい。

【三首目】
求職活動中の身。面接のない日は、書類を書いて提出したり、買い物をしたり、散歩をしたり。そんな日々、毎朝妹のほうが早起きして出社していく。遅れて目覚めた私も、必ず玄関へ向かい送り出す。身だしなみを鏡で確認する間手袋を預かって、渡せば別れの合図。今日も無事帰って来てね。そんな思いを込めて見送り、私もがんばろうとやれることをやりながら、妹の帰りを今日も待つ。

初めての短歌大会参加となります。短歌はあまり詠んできていないので、無知で恥ずかしながら参加いたします。
思いは俳句の記事に込めました。
短歌でもお世話になります。
よろしくお願いいたします。

#白熊短歌


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