ジェネラリストでもスペシャリストでもない公務員
「お役所仕事だな。民間企業だったらもっとしっかり仕事する。公務員は楽でいいよね」
相変わらず巷では、こういう言い方をされることも多い。まるで、公務員に対する枕詞か慣用句のように言い続けられてきて、慣れっこではある。
確かに、役所独特の文化や制度などが原因で、イマイチな行政はある。
でも、この種類の言葉は、現役の地方公務員としては、正直、とても悲しい。
当然、怒りも含まれているが、成果を示せてない悔しさもある。
そして、自分の会社(役所)や業界全体を変えていきたい、という原動力にもなっている。
公務員のよくあるキャリアパス
公務員ほど、同じ組織で多様な部署と働き方があるところはないように思う。
月100時間残業が当たり前!な部署がある一方で、ほとんどの職員が定時で帰る部署もある。
そして、異動は転職。しかも、異業種転職、かつ、職種変更が一般的。
民間企業でいうなら、
製造業大手A社で経理を2年やった人が、
B医療法人の人事担当を3年やったあと、
中小の建設業C社で3年現場監督をやる、
みたいな感じ。
さまざまな問題点はあるものの、公務員の多くはこんなキャリアを経ている。
ジェネラリストかスペシャリストか、それとも
こんな業界だから、いまのようなジェネラリスト育成ではなく、もっとスペシャリスト育成をすべきだ、という声もある。
確かに頷くところもあるけど、
わたしは、
ジェネラリストかつスペシャリスト
をめざしたいし、実際にそういう意識を持ってきた。
変化の激しい世の中では、これから必要な公務員像ではないか。
会計知識が必要な業務であれば、会計士や簿記を学び、
法務相談が必要な業務であれば、法律の勉強もしてみた。
海外との接点がある業務であれば、英語を学び、
システムを構築する業務であれば、情報処理の本を読んでみた。
もちろん、家庭状況その他の状況で、専門性を高める時間が取れない人も多いし、すべての人がめざせるわけでないと思う。
わたしのように、知識や経験、技能を磨けるのは幸せなこと。
でも、すべての公務員が
「ジェネラリストかつスペシャリスト」
という意識を、あと一歩、あと半歩持てれば、会社(役所)や業界全体、ひいては社会は変わっていくのではないか。
仕事を通じて「どんな自分になりたいか」
また、「民間に比べて公務員はイマイチ」という人がいたら言おう。
「それは昔の話ですねーうちの会社(役所)は、どの分野でも、すぐにスペシャリストとして活躍できる人材ばっかりですよ。
民間企業なんかに負けてません!」
まぁ、実際には、心の中でしか言えないとは思うけど。
さー、今日もがんばろ。
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