見出し画像

志賀直哉の文章はなぜ素晴らしいのか

 お疲れ様です。こうやってnoteを書いていると、読み返すたびに自分の文章の読みづらさ(レイアウトも下手ですが)を実感する日々です。文章が上手に書けるようになりたいと思って自分なりにお手本にできそうな作家やエッセイストを探していた時、志賀直哉の文章が素晴らしいと感じました。今回はこの志賀直哉の文章について書いてみたいと思います。研究者でも評論家でもない、少し彼の作品を読んだことがあるだけのレベルなので、ただ感じたことを淡々と書きたいと思います。
 『理科系の作文技術』という学術的な文章術を述べた大ベストセラーがあります。その中で、筆者は学術的なレポートや論文では簡潔な表現が重要で、一般に「心の琴線にふれる」ようないい文章とされている文体は好まれないと述べています。つまり、ある種の曖昧さ、文学性は排除するべきということです。なぜこの本を取り上げたかというと、志賀直哉はこの2つ、簡潔かつ心の琴線にふれるような文章を書いていると思うからです。この本の筆者は上記の2点の両立は難しいという文脈で、簡潔な文体を薦めているのです。これは、学術的な文章にとどまらず、文章を書く上では、非常に重要な指摘だと言えると思います。しかし、志賀直哉のような日本文学に名を刻む文豪レベルだと、淡々とした簡潔な文体で、高い文学性を持たせた作品を書けるのだろうということです。一方で、彼のような超一流作家の文章を書ける人はそうそういないと思いますが。
 ここまで、志賀直哉の文章の凄さについてみてきました。皆さんの中で志賀直哉の作品を読んだことのある人はわかると思いますが、彼の文体は前述のとおりシンプルで、我々一般人にとってとても良い、文章のお手本です。これから文章を上手に書けるようになりたいと思ったら、志賀直哉の文章を手本にしてみてはどうでしょうか?
<参考文献>
・『理科系の作文技術』 木下是雄著 中公新書 2024年 
Amazon公式サイト https://shorturl.at/bfGP9 ←この本は本当にいいので、文理を問わず文章を書く人全員が読んで役に立つと思います。
 

この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?