YOKO's SONG WRITING CAMP IN SWEDEN 2
引き続きスウェーデンソングライティングキャンプの内容をお話しします。
こちらはもう少し具体的な内容。
まず今回、会社規模で動かすことを一人で全部やってしまったので、めちゃめちゃ労働してしまった!というのがオーガナイザーとしての感想です。
作家側は楽ですね。ただただセッションに集中すればいい。
個人的にはそちらの方が好きなので、今まで参加した海外ソングライティングキャンプの主催者の方々がどれだけ大変だったか、今回よくわかりました。すべての仕込みからセッション終了まで、いざやってみたら莫大な仕事量でした。
渡航前、日本側の関係者は、ちょっと現地の作家さん集めて、ちょっと仲間に口聞いてもらって、ちょっとスタジオおさえて、ちょっとセッション組めばすぐまとまるだろう的なイメージだったと思いますが、とんでもない! 一応プロなので、プロフェッショナルな環境しかわたしのポリシーとして提供できないし、結果、想像以上に良い環境をセッティングできましたが、そのプロセスはまあまあ大変でした。
昔のわたしが、今回参加した日本人作家さんたちを見たら、「ありえなく恵まれた環境だよ!」と言うと思います。
自画自賛してるのではなく、メインスタジオも、外部スタジオも、ほんとにどれもパーフェクトだったので。
それくらい昔にくらべれば外国人作家と日本人作家のコライトが普通になってきているがゆえに、というのも感じました。とにかく自分でセッティングしておきながら、初海外コライトがこんなによい環境でできるなんて参加した作家さんたちはすごくラッキーと、羨ましい限りでした。
わたしの初海外コライトはひとり。
ひとりぼっち。笑
まだスウェーデンに住む前、約10年前のお話ですが、渡航のチャンスをくれた日本の音楽出版社がありました。
その会社からもらった、ストックホルムの音楽出版会社とスタジオの情報だけが手元にあり、あとは放置状態。笑
現地に着いたらその音楽出版会社に電話やメールをして、時間を決めて尋ねて、セッションを組んでくださいとお願いして、そこから全く知らない外国人作家とセッションをしてゆくという次元からのスタートだったので、SNSに自分をアップしてる暇もありませんでした。
スタジオも地下のスタジオから、地上スタジオ、民家、アパートとさまざまでした。でも、その時の毎日違うことが起こる新鮮さと未知の世界が開いてゆく感覚は、自分の人生を強烈に変化させるものとなりましました。
だから未だに好奇心やや冒険心が尽きず、現場セッションが好きで仕方ないのだと思います。
自分の歴史はまた別で話すとして、今回、ひとつのビルの中に数チーム用のスタジオがいくつかある守られた環境と、わたしが初めて渡航したときみたいにあらゆるスタジオを訪ねて回るサバイバルな環境と、そのふたつを体験していただきました。
もちろん後者の方が負荷がかかります。
でも、そうとうリアルなのでほんとに海外に住んでセッションするのは間違いなくこちらの環境がメインになります。
スウェーデン作曲家の年齢は、二十代の若手から大御所の先生的作曲家までさまざま。プロデューサー(日本でいうトラックメーカー)はとくに、ひとりひとりスタイルが異なり面白かったです。若手はだいたいビート主体にトラック作るのがとんでもなく早いタイプが多く、大御所やキャリア長い作家さんは楽器を使ってスクラッチから、という感じの方が多かった。
日本人作家さんの方も、がちがちにトラックメーカー、トップライナー、歌手、ディレクターと役割を分けるのではなく、トップライナーが楽器を弾きたくなったら弾くし、ディレクションしたくなったらするし、トラックメーカーもメロのアイディアがあれば出すし、と自由にやられてました。
わたしはほとんどヨーロッパの外国人作家としかセッションをやったことがないので、それでこそコライトだ!自由にやってOKだ!と思っており、境界線なくやりとりしてる姿がすごく微笑ましかったです。曲もいいのできたしね。
そしてふとよぎりました。個人的な次の課題として、イギリス、アメリカなどの完全英語圏で容赦ないセッションをしてみたいなぁと。
イギリスは仕事で何度かセッションしに行ってますが、アメリカはない。マーケット的にも、ビジネス的にも、スピード的にも、チャンスが多い分、生粋の日本人が踏み込んだところでそうとう厳しそうな環境に身を置いて、どれだけできるか試してみたいなぁと。これは、ソングライティングキャンプのオーガナイザーとしてではなく、いち作曲家として、もっと言えばわたしの専門は今のところトップライナーなのでトップライナーとして。
やりたいことがありすぎみたいに見えるかもしれないですが、結局行き着くところはひとつなので、やろう☆というか、止められないな。
話が少しそれましたが、もう少し技術的なセッションに関する内容などもお話したいと思っています。全部書くとかなり長くなるので、そちらはまた違う形でアップして行こうと思います。
いくつか現地の写真を残しつつ。
See you☆
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