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エッセイ集『エロスとオカルト』

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2013-2015年に書かれた演劇論や文芸論を集めたエッセイ集です。戯曲『日曜日』『縛られたプロメーテウス』も収録。
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2016年1月の記事一覧

『エロスとオカルト』(3/15):意識について

『エロスとオカルト』(3/15):意識について

意識について(五点)<目次>

・「見えない記憶」

・「心の外側にあるもの」

・「無意識の中の意識」

・「未知に関する覚え書き」

・「意識について」

「見えない記憶」

 見えない/聞こえない記憶に対して、不安を感じる。いや、むしろそれは不安という感情そのもののことで、かつてあった記憶が消滅するという感情を我々が不安と言っているだけなのかもしれない。

 消えるということは、確かに人を恐

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『エロスとオカルト』(1/15):演劇論・音楽論・美術について

『エロスとオカルト』(1/15):演劇論・音楽論・美術について

演劇論・音楽論・美術について(六点)<目次>

・『18人の音楽家のための音楽』への試論

・業[わざ]とらしさと自然らしさ

・アーマッド・ジャマルの聴き心地

・規則への憧れとシャトレ座感想

・詩のことば

・ビル・ビオラの目まい

『18人の音楽家のための音楽』への試論 まだ一冊も研究書を読んだり、楽譜を見たわけではないので、「試論」と付けておくことにする。現時点での所感を少し述べておきた

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『エロスとオカルト』(2/15):演技論

演技論

<目次>

・メタ言語、演じることの現実認識

・持続されない現在

・持続的演技状態

・俳優にとって身振りとは何か

・リズムと空間

・演技の歴史化の作用について

メタ言語、演じることの現実認識

 (どうも、去年の十二月にアルバイト先で嫌なことがあったっきり、精神状態が良くない。始終アルバイトのことを考えているし、いかに人の悪口を言うかということしか考えていない。もう、本当にダ

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