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「普通」ではない2人が、普通の人たちから奇異の目で見られる様子が痛々しいほどに描かれていて何とも言えない気持ちになったし、一方で、そんな2人が2人だけの世界に生きている「ファンタジーな描写」も多く、明るいのか暗いのか、とても混沌とした世界観で話は進んでいくんだけど、社会悪、非常識、偏見、差別、いろんな逆境の中にある2人からくっきりと見える純愛がほんとうに綺麗に描かれていて、ロマンス映画としてはお見事な作品だなと。女優さんの演技もすごい。韓国映画すごい。

同時に、この映画を観ているときに、ぼくの中に眠る「偏見の目」はなかったか、自問自答しながら観ていることにも気付いた。結局、マイノリティだとか、社会的弱者だとか、そういう話じゃなくて、自分が理解していない存在が目の前に現れたときに、どう接していいかわからなかったり、どんな攻撃をされるかわからなかったり、差別や偏見にはそうした不安意識が根底にあるのだと考えている。

お互いに理解し合い、多様性を受け入れること。言葉では簡単だけど、これが難しいから「排除」し合ってきた歴史がそこ彼処にあるわけですよね。それでもぼくたちは、目の前の人に対して理解を示す姿勢を貫く必要がある。誰かを排除してしまうことになるからね。潜在的に持っている自分の汚い部分に気付く意味でも、こういう映画を観る意義はとても大きいと思っています。

主人公の男性の無垢さがいかに尊いものであるかを再度認識する機会にもなり、観て良かったと思いました。アニさんが評価している点もじっくりお話を聞きたいな。


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