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情報発信って一口に言うけれど

先週の日曜日、四国新聞に当店の紹介記事が掲載されました。
日曜日の特集記事で「地元香川の老舗の飲食店を紹介する」ページです。
その影響なのでしょうか?
今週に入ってからお客様の来店数が増えている様に感じます。
と言いましても、その増え方は

「はっきり増えてる!!!!」

と言うよりも

「気持ち増えている様な気がしない訳でもない。」

ぐらいの微妙な感じです(笑)
たまたま天候やお店周辺の人の流れが良かっただけなのかもれません。
それでも、普段、あまりお見かけしないお顔のお客様やカウンターで

「新聞見ましたよ。」

お声かけしてくれるお客様が何名かいらっしゃったので、多少の影響はあったのだろうと解釈しております。

§情報の役割

ありがたい事に、年に何度かは新聞や雑誌社、ラジオ、テレビ局から取材を受けたりする機会があります。
かつては情報発信と言えばこうしたマスコミによるものが唯一とも呼べる手段であり、かつまた、その大きな影響力も大きなものでした。
現在はそれに加えて、インターネットやSNSでの情報発信も大きな影響力を持つ様になり、それらの活用の仕方は企業においても重要なものになってきていると言えます。

言い換えると、かつての情報発信においては一度の情報発信で「同じ情報」が大量の人に届いていた、と言えます。情報発信の手段が限られている為に、情報の量も限られます。
自ずと受け取り側が得られる情報は全員大体同じ、と言う事になります。

それに対してSNSを中心とした情報発信においては誰でも発信できます。一度の情報発信で100万人に届けられる人もいれば、数十人にしか届かない人もいます。
その代わりに情報発信者の数が大量に存在する事になります。
つまり、受け取り手側が得られる情報は各々違う可能性がある、と言う事になります。

ですので、一口に「情報」と言ってもマスコミの発信による従来型のものとSNSなどによる情報とではその特徴や役割が違うと言うことは意識しておいた方がいいのではないでしょうか?

§マスメディア型の情報とSNS型の情報の特徴とは?

◉マスコミ型による情報発信の特徴

・受け手側の情報に対する信頼度が高い
・リリースのタイミングが決まっている
・ある程度、発信する内容に関してコントロールすることができる
・発信者からの一方的な情報の提供
・時間経過とともにその影響力は薄れていく
・多くの人が同じ情報を受け取ることができる

◉SNS型の情報発信の特徴

・受け手側の情報に対する信頼度が低い
・日々新しい情報が発信され続ける
・発信の内容についてコントロールすることが困難
・発信者と情報の交換や交流が可能(インタラクティブ)
・発信した情報がアーカイブとして蓄積されていく
・多くの発信者によってさまざまな情提が提供されているため、人によって受け取った情報の内容が大きく異なっている可能性がある

ご覧いただくとなんとなく感じられると思いますが、マスコミ型の情報の特徴もSNS型の情報の特徴もある一つの原則から生まれています。

「そのツールで情報発信が可能のは誰か?」

【マスコミ型情報発信】

大多数の人に情報を発信する権利は社会的にはごくごく少数の人たちだけが持つことができる特権です。そして、数十年前まではその特権を持たない人たちが社会全体に向けて情報発信するのは非常に困難な事でありました。情報発信者の数が限られている為に、情報の量は今の社会と比べると格段に少ないものになります。

それ故に発信された情報が社会に対する影響力も大きく、ますますその特権は強化されていく事になり、影響力があるが故に、情報の発信者も自分たちの社会的な意義を鑑みて信頼にたる情報の発信に努める様になります(あくまでも発信者側の主張としてですが)

日本における新聞の発行が明治初期に始り、以降、雑誌やラジオ、テレビなどマス(大衆)に情報を発信するメディアはさまざまな形で発展してきました。そうした発信者と受信者の長きに亘る関係の末に受信者にはマスコミに対する「ある種の信頼」を感じるようになります。

「今の時代はマスメディの力は弱くなった」と言われていますが、その「信頼性」や「影響力」は今でもやはりある程度健在です。それはやはりこの「信頼性」の部分が非常に大きいと思います。「ブランド力」と言い換えてもいいかもしれません。

ですので情報発信される対象となった人やお店、商品にはマスコミに取り上げられた、という付加価値が与えられます。その与えられた付加価値と合わせて情報の受信者は受け取る事になります。

ここで与えられる付加価値の高さを決定する際のポイントは

「誰が」発信するのか?

この部分です。

同じテレビで取り上げられるのでも深夜のローカル番組とゴールデンタイムの全国放送ではその影響力には大きな違いが出ます。その発信者の持つ「強い影響力」がそのまま「価値」として上乗せされたものが「情報」として発信される事になります。これがマスコミを介して情報発信される際の最大のメリットだと考えられます。

【SNS型発信】

これに対してSNSでの情報発信における最大の特徴は「誰でも発信できる」事です。そして、それ故にその情報に対する信頼性の担保が難しくなります。100万人に情報を届けることのできる人物の発信も、今日初めて情報を発信する人物の投稿も分け隔てなく、同じフィールドに並べられます。

マスコミ型だと同じ情報を大量の人が受け取る構図になるのに対して、SNS型だと一つの事象に対してあらゆる人たちから多くの情報が発信されます。中には真偽のほどが疑わしいものも含まれてくる中で、どの情報を自分が有益と捉えるかは受信者の自由です。情報を受け取る側には正しい情報を見極めるための経験や学習が必要となります。

そうした「信頼性の担保」が弱点であるとは言え、自分自身が情報の発信者になれる仕組み、というのはその弱点を補って余りあるメリットになります。誰もが自由に発信できることで、

「本当に自分の伝えたいことを発信できる」

従来のマスコミ型の情報発信では自分が発信者になれないために常に発信者が伝えたい情報として情報発信が行われていました。故に、自分の思っていたものとは違う形での情報発信になりうるリスクが常に潜んでいます。そもそも情報発信者にはその人たちにとって「伝えたいこと」や「伝える目的」があるはずです。
その目的が「お店の目指す理想」とずれていたり、違っていたとしてもなんの不思議もありません。

ですので、この「自分の伝えたいことを発信できる」手段を手に入れられたのはものすごく画期的なことだと思います。合わせて「誰でも発信できる」ことがインタラクティブな情報発信を可能にし、それによって様々な所でコミュニティが誕生しました。
そうしたコミュニティ活動はこれからの経営にとっては大きな役割を果たしていく可能性を秘めていることも事実です。すなわち情報交換によって得られる「信用」が企業や個人の「価値」として評価される時代になっています。

そしてSNS型情報発信のもう一つの大きな特徴は

「情報が蓄積される」

現状において、一度発信された情報は発信者が自ら削除しない限り、基本的にはいつまでもその情報はアーカイブとして残り続けます。つまり時間が経てば経つほど、対象となる商品や人、企業に関する情報は増え続ける事になります。

これはつまり、かつてのマスコミによる情報発信においては、情報発信を行なったその瞬間に最大の影響力を発揮して、時間の経過とともにその影響力は減衰していくのに対して、SNS型の発信では一つ一つの発信の影響力は少なくても、アーカイブとして残り続けるその影響力は、時間の経過とともに徐々に積み重なって、最終的には大きな影響力となって、効果を発揮する事になります。

情報発信の効果や影響力の現れ方を一言で説明すると、

マスコミ型は瞬発力、SNS型は持久力

こんな風に言えると思います。

§まとめとして

今回はほとんど概要絵的なお話に終始しましたが、細かく具体的に見ていくとこのテーマはまだまだ深掘りできそうですね。

マスコミ型の情報発信でも新聞、テレビ、雑誌、ラジオなどそれぞれの強みや弱み、特徴などを分析して、それに沿ったターゲットや伝え方、届けるメッセージなどを考えてみるのも面白いかもしれません。

自分のお店が情報を発信するのに最適なメディアはなんだろう?
その為には自分のお店が目指す理想やターゲットなどの絞り込みから考える必要があるのかもしれません。
こうして順序立ててお店の情報発信について考えてみるのもいい学びになると思います。ぜひやってみてください。

今週もありがとうございました。




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