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なぜ日本ワイン?【後編】

 ”なぜ日本ワイン?【前編】”の記事の続きです。

 夫も私も美味しいものを食べるのが大好き、キャンプも大好きで、独身の頃は、2人で夏休み1週間、東京から180kmの伊豆七島の1つである新島でキャンプをして、魚が釣れなかったら朝ごはんは白米だけ、みたいな楽しみ方をしていました。子供が生まれてからは、もう少し計画的な遊び方になりましたが、年に数回、山梨県や長野県にキャンプに行っています。
 山梨にキャンプに行く度に食材を調達しているのが「ひまわり市場」というスーパーです。このスーパーは、一見普通のスーパーなのですが、青果、鮮魚、精肉、惣菜、各エリアにこだわりの商品が並び、食いしん坊にはテンションの上がるお店です。このスーパーでは、お酒売り場にも、山梨を中心としてこだわりの日本ワインが100種類ほどずらっと並んでいました。ワイン売り場のおじさんに、「今日キャンプ場で、すき焼きしようと思うんですが、どれがいいですか?」なんて聞きながら、おすすめされる日本ワインを購入。このスーパーに行くまで私たちは全く日本ワインを認知しておらず、むしろ「日本ワインって美味しいのかな、甘いだけなのでは?」と思っていたのですが、飲んでみたらどれも美味しい!!それ以来キャンプの度に、ひまわり市場で日本ワインを購入するようになりました。

キャンプで初めて飲んだ日本ワインたち

 ただ美味しいだけだった、という話でこの話は終わりません。ひまわり市場のワイン売り場のおじさんの話がめちゃ面白かったのです。ワインをつくっている人がどんな人で、1本のワインにどんなストーリーが秘められているかを聞くのが楽しくて、いつしか、このワイン売り場のおじさんとのお喋りが目的でひまわり市場へ行くようになりました。おじさんも私たちを(キャンプついでにワインを買い込む変人夫婦として)認識してくれるようになり、ある時「せっかくこっちまで来るなら、ワイナリーに直接行ってみたら?」と。「是非!」という事で山梨のワイナリーを5軒ほど紹介いただき訪問することになりました。
 ワイナリーへ伺いつくり手の方の話を聞いていると、それぞれに色んな歴史があり、熱意があり、とても面白い。そしてそこで買って帰ったワインを飲むと、なんとそのつくり手の人柄を感じるのです。つくり手の人柄や志も、ワインを買うときに知る事が出来たら楽しいな。和歌山のみかんを売った時の楽しかった記憶が蘇り(詳細は「前編」)、「作家ものや手仕事の器を買うように、日本ワインも、つくり手を知り楽しみながら買える仕組みをつくってみたい」と、初めて日本ワインを売ることに関心が芽生えました。
 ワイナリーは山梨・長野・北海道など自然豊かな地方に多く、ブドウ栽培という農業を通じて人と自然が共存する仕組みをつくり、地域経済を活性化していける事業となる可能性を感じます。何より、ワイン造りに携わる方々はとても生き生きと楽しそうに働いていらっしゃいました。和歌山のおばあちゃん家のみかんを販売している時に感じたワクワク感を味わいたい、そして、日本ワインという産業に関わりながら、地方経済を活性化することに貢献したいと思い、日本ワインを広げていくこをナリワリとすることにしたのです。自分の子供達が大きくなった未来に、美しい里山や生き生きと働ける場所、こころ豊かに生活できるプラットフォームが存在することを願って。


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