お願い!落ち着いて!

夏休みだからかな、Twitterなどで知り合った推し友さんたちから、続々と連絡がある。
私の住む地方には、推しが出演した映画のロケ地、いわゆる「聖地」なるものが複数あって、巡礼に訪れるオタたちはかなりいる。
「8月○日に旅行で行くよ!会いたいな〜」
というお知らせが何件も。
これはありがたい。文字だけのやりとりだったフォロワーさんたちが、私に会いたいと言ってくれるのも嬉しい。8月になったら毎週末のようにフォロワーさんたちがやって来る。
「わ〜い!嬉しい。楽しみ〜!」
と返していました。少し前までは。

けれど、そこから状況は悪化しました。コロナ禍。緊急事態宣言が続々と出され、これを書いている時点で東京は5000人を超え、まん防地域も増え…。全国知事会はお盆休みの帰省や旅行の延期・中止を求めています。

私に連絡をくれた(かなり多くの)推し友さんたちは、それぞれにグループを組んで2泊くらいの行程でやってくる。しかも、渦中の東京に住んでいる人も多いし、「聖地」のあるこちらの地域も宣言は出されていませんが、感染拡大は続いています。

楽しみにしていたけど今回はしょうがないな〜、と思っていたけれど…
なんと、旅行の計画を延期するグループがひとつもないんです。
「コロナは気合で乗り切るよ〜!」とか「推し活は不要不急じゃないよね」とか「推しへの愛はコロナに勝っちゃうよね〜」とか、連絡がくるんです。

私には強烈な違和感しかありません。

確かに芸術文化は不要不急だと思っていませんし、コロナ禍での映画館や劇場への制限などに関しては、言いたいことが山ほどあります。
けれど今、この状況下で個人の旅行、しかも緊急事態宣言下などからのグループ旅行は、私なら絶対にしません。落ち着くまで様子をみます。

不要不急の宿泊を伴う移動とは、私にとっては介護が必要な高齢の親などへの帰省だとか、家族単位の移動だとか、行楽であっても緊急事態宣言下ではない地域間の移動や、短時間滞在などです。
私が勤務する会社では今、自治体をまたいだ移動は必ず上司に報告し、許可を受けることになっています。私は立場上、部下たちから夏休みの行動について連日多数の報告相談を受けていますが、基本的にすべて許可を出しています。
部下たちには、できる範囲で楽しい夏休みを過ごしてもらいたいし、大事なものは大事に守ってもらいたいからです。しかも、現状ではこの勤務地は、感染急拡大地域ではありませんし、幸いにも事情のある移動だけでなく行楽であったとしても、社会的に大人として常識の範囲内だと判断できる相談しかありません。

けれど、今回の推し友さんたちが私の部下だったら私はなんと言うでしょう…。
感染が急拡大している地域から大挙してやってる。ちょっと私の感覚には今、それはないんですよね。

今の日本では、強制力はないし、個々の常識や良心に任されているのが現状。ならば自由にすれば良い、という考え方なのかもしれません。
けれど、彼女たちの間では、そこに疑問を持つことはなかったのかな〜。
もしかすると、ここにも集団心理かな。

リア友だったらちゃんと話し合うけれど、しょうがない。私と感覚が違う。それだけのこと。そう思うしかないのかな。

けれどね、「聖地」は逃げません。
お願い、落ち着いて!

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