「ぶっちぎりV」と4人の女性関係
いきなりおかしなタイトルをつけてしまったが、横浜銀蝿のアルバム「ぶっちぎりV」を聞いていて、今さらながらふと気づいたことがいくつかある。
「ぶっちぎりV」は、横浜銀蝿のラストアルバムである。正確には解散前にリリースされた「ぶっちぎりR」が最後のアルバムになるのだが、「ぶっちぎりR」は今まで銀蝿のメンバーが銀蝿一家の弟分妹分へ提供した楽曲のセルフカバーアルバムだった。アルバムのために書き下ろした楽曲による純粋な最後のアルバムは「ぶっちぎりV」ということになるのだ。
この「ぶっちぎりV」で一番のトピックは、翔以外の3人のメンバーがそれぞれボーカルをとっている曲が1曲づつ入っているということだろう。メンバー全員がソロで歌っている曲がひとつのアルバムに入るのはこれが最初で最後だ。
そしてこの3曲は、それぞれボーカルをとっている本人の作詞作曲の楽曲でもある。要するに自分が歌いたい曲を作り、それを自らが歌った曲達なのである。そしてこの3曲は全てひとりの女性へ向けたラブソングだ。
「半拍ズレてるお前に夢中」
作詞 Johnny
ハラハラ ドキドキ メチャクチャ
ズレてる 周波数
そうさ 完全半拍ズレてる
お前が 好きだよ
お前が 好きだよ
お前に夢中さ
「愛する人へ」
作詞 嵐
お前だけさ お前だけさ
今日まで そして明日から
お前だけさ お前だけさ
お前だけ愛しているのさ
「可愛さあまって好きさ100倍」
作詞 TAKU
OH! ネピア お前だけ
I love you 好きさ
OH! ネピア 愛すのはいつも
たったひとりの俺の…
たったひとりのLady
だからBaby Baby Baby Baby
Baby tonight!
どの曲も聞いているこっちが恥ずかしくなるくらいの熱いラブソングだ。そう、これは不特定多数の女子をテーマにしたものではなく、当時メンバーが付き合っていたであろう恋人へ個人的に向けたラブソングなのではないか?
嵐さんの「愛する人へ」は、当時中学3年だったオレでも付き合ってる恋人へ向けた曲なんだろうなと感じてはいた。しかし、他のメンバーまでそんなことを歌っていたのか!とリリースから37年も経った今さら気づいたのだ。まぁこれはオレの思い違いかもしれないが。
「最後のアルバムで最愛の人へ向けたラブソングを歌いたい」とメンバーそれぞれがそう思うのは、考えようによっては当然ともいえる。3年3ヶ月横浜銀蝿として突っ走ってきたメンバーにも当然恋人はいただろう。影で支えてくれた恋人なら感謝の気持ちがあるに違いない。そんな恋人へ向けて最後のアルバムでラブソングを歌う。恋人にとってはこんな粋なプレゼントはないだろう。
勝手にそういうことだったのかと決めつけたものの、だとしたら翔くんだって恋人へ向けたラブソングを歌ってるはずではないか?と思い、早速「ぶっちぎりV」をそういう視点で聞き直して見た。
翔くん以外の3人は簡単だ。だってアルバムの中で自ら作詞作曲して自ら歌っているのは該当曲のみなのだから。問題は翔くんだ。このアルバムで翔くんは7曲作詞作曲して7曲ともボーカルをとっている。その7曲のうちラブソングらしき内容のものは5曲もある。その5曲の中で今回のテーマである個人的なラブソングを見つけ出したい。
そんな思いで聞いてみたら見つかった。それは「ハートピカピカ・ロンリーガール」だ。歌詞を見てみよう。
「ハートピカピカ・ロンリーガール」
作詞 翔
街から街へと流れてきたのか
ちょっとすねたまなざしで
無口なくせして どこかで燃えてる
そんなムードが気を引いた…
色あせたカバン(ひとつ)
かぼそい腕に抱き(おまえ)
暗がりの路地裏で(Oh yeh)
ひざこぞうかかえてた(アーハン)
だけどピカピカBaby(好きさ)
お前を見ればわかる(すべて)
世間はつれないけど(Oh yeh)
俺と一緒に…
ロンリーガール 醒めた瞳の
ロンリーガール お前が好きさ
ロンリーガール 不良チックな
ロンリーガール いかす女
ロンリーガール 誰もこの世じゃ
ロンリーガール 信じられない
ロンリーガール だけど俺がいるぜ!
この曲に出てくる女性は、どことなく影があり、いろいろ訳ありなんだけど、隠れた魅力が溢れる女性のような気がする。どうだろう、翔くんが惚れそうな女性のような気がしないだろうか。勝手な思い込みだがこの曲こそ翔くんがもっとも大切な人へ向けたラブソングなのではないだろうかと確信した。
先日、ラジオにゲストで出ていた翔くんが「銀蝿時代はモテたしいろいろ誘惑はあったけど、19歳の時からずっと付き合ってた恋人がいたからね。他の女性と遊んだことは一度もないよ」と語っていた。なんとも硬派な翔くんらしいエピソードだ。もしこの恋人がハートピカピカ・ロンリーガールだったら素晴らしいじゃないか。
さて、勝手に翔くんの個人的な恋人へのラブソングを「ハートピカピカ・ロンリーガール」と決定づけてしまったが、何度も聞いていて気づいたことがもうひとつある。それは「とばしてRock'n Roll Way」はオレたち横浜銀蝿のファンへ向けたメッセージソングなのではないかと思ったのだ。
「とばしてRock'n Roll Way」
作詞 翔
みんなハッピーかい? ハッピーかい?
今この瞬間 Oh yeh!
ハッピーかい? ハッピーかい?
燃えてるかい? Oh yeh!
ハッピーかい? ハッピーかい?
まだまだいけるかい? Oh yeh!
今夜は離さないぜ!
今まで全開とばして生きてきて
こんなにハートしびれる夜は
はじめてたぜBaby
いつものこの街で
お前に出逢えたことにカンパイ!
同じこの世代に生まれ
同じときめきに恋をした
お前がいるからオレがいる
そんなつき合いをOK Baby
ヨロシクやろうぜ!
くじけそうなショックうけて
ちょいと黄昏れた
涙ムードでうつむく夜は
歌ってやるぜBaby
いつでもこの俺が
さびしさまぎらすシャレた歌を…
同じこの世代に生まれ
同じ夜をみんなすごしてる
悲しい時は多いけど
のりこえられるさ OK Baby
とばしてRock'n Roll Way
みんなハッピーかい? ハッピーかい?
今この瞬間 Oh yeh!
ハッピーかい? ハッピーかい?
燃えてるかい? Oh yeh!
ハッピーかい? ハッピーかい?
まだまだいけるかい? Oh yeh!
今夜は離さないぜ!
みんな ハッピーに ハッピーに
歌いつづけて Oh yeh!
ハッピーに ハッピーに
燃えてみようか Oh yeh!
ハッピーな ハッピーな
気分は最高 Oh yeh!
今夜は離さないぜ!
もしこの曲が横浜銀蝿からファンへ向けたメッセージソングだとしたら…と思って聞いていたらなんか泣けてきた。オレたちファンは横浜銀蝿と出会えたことに幸せな気持ちを持っている。そしてメンバーも同じようにオレたちと出会えたことを喜んでいる。今頃こんなことに気づくだなんて。
メンバーの個人的な恋人へのラブソングから話は逸れたが、恋人へのラブソングの中にオレらファンへのメッセージソングをこっそり紛れこませているなんて横浜銀蝿も粋なことをしてくれる。
今日のコラムは、ちょっと気持ち悪いくらいにオレの妄想のみで突き進んでしまったが、今日書いたことはオレの妄想でも想像でもなく、きっと真実なような気がしている。なぜなら横浜銀蝿はそんな粋なバンドだからだ。今日を境にこのアルバム「ぶっちぎりV」がさらに好きになったのは間違いない。
it's only Rock'n Roll
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