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ドッグトレーニング:犬だけでいいの?

こんにちは。Yokohama Dog Academyです。

みなさん、ドッグトレーニングと聞いて、どんなことを連想しますか?

・チャンピオン犬のように、競技に出るようなワンちゃんにする
・アジリティができるようにする
・飼い主さんのコマンドを聞ける
・トリック(テレビで見るような面白い芸)を身につけさせる
・人への咬みつきや吠えを矯正する

こんなことを想像する方、多いと思います。いわゆる、犬に対して飼い主が望む行動を教えるということをイメージされていますよね。

でも、実はドッグトレーナーという仕事は犬のしつけやトレーニングをするだけじゃないんです。

1.ハンドラー(飼い主)指導

警察犬のように何か仕事に従事したり、あるいは競技に出場するようなワンちゃんもいますが、最も日本で一般的なのは、家庭犬です。いわゆる一般家庭で家族の一員として迎え入れるということですね。ペットショップやブリーダーさんから子犬を買って、迎える方法を選択されるご家庭が多いですが、実は飼い主さんが犬の飼い方をよく知らないことが多いんです。

結果として、それじゃあ、ワンちゃんが欲求不満になっちゃうよね、学習がうまくいかなくて問題行動が出ちゃうよね、なんて飼い方をされている飼い主さんが多いんです。。。せっかくなので、ワンちゃんにも喜んでもらえる飼い方、してみませんか?

2.飼い主さんのよくある勘違い

では、飼い主さんはどんな勘違いをされているのでしょうか?私がこれまで受けたご相談をもとに事例をご紹介します。

・ケージの中にトイレを置いたほうがいいの?

犬は、寝る場所と排泄の場所を分けて生活します。寝る場所に自分のにおいがついていると、休んでいる間に敵に襲われてしまう可能性がありますよね。また寝床を清潔にするためにも、寝る場所と排泄の場所を離したいという欲求を持っています。が、マンションなどに住んでいる飼い主さんは、よくケージの中にしかトイレを作りません。それは犬からすると不自然な場所ですね。そこで排泄させるにはトレーニングが余計に必要ですし、一度癖づいてしまうと、逆にそれ以外の場所ではしないなんて傾向も出てきます。

ワンちゃんには、ケージの場所だけでなく、トイレスペースも必ず作ってあげてください。

Tips
お留守番のときなど、長時間ケージの中に入れるときは、ケージ内にもトイレを作ってあげてくださいね!

・ワンちゃんと一緒に寝たい

わかります!その気持ち!なので、絶対ダメというつもりはありません。が、一人で寝れるようにもしてあげてください。飼い主さんが一緒に寝るのが当たり前になってしまうと逆に一人で寝れなくなってしまいます。これからお泊りや違う環境でも一人で過ごせるようにしたいのであれば、別々で寝ることをスタンダードにしてあげるといいでしょう。

ワンちゃんを置いてお泊りなんかに絶対に出かけない!なんて方もいらっしゃるのですが、冠婚葬祭、災害時の避難、ご自身の入院など、どうしてもワンちゃんを連れていけないシーンというのは、絶対にあるものです。そのときにはじめて知らない場所で一人で寝なきゃいけないワンちゃんの気持ちを考えてみてください。。。

たまに知り合いのワンちゃんを預かったりもするんですが、一人で寝る練習ができていないと、夜中ずっとワン・・・ワン・・・と吠えています。人間も寝れないですが、ワンちゃんも不安で眠れない夜を過ごしてます。犬のことを思うのであれば、ぜひ自立心を養ってあげましょう!

・去勢手術をするのは同じ男としてかわいそう

私はオンナなので、この気持ちはわからないのですが・・・w とはいえ、やはり健康な体にメスを入れるのはどうなのという議論はありますよね。なので、必ず去勢・避妊手術をしなくてはならないということもありません。

が、去勢・避妊手術をしなかった場合のリスクについてはきちんと理解をしておきましょう。オスだと性成熟を迎えるとテストステロンが分泌され

・攻撃性が高くなる
・マーキングが強く出る
・発情期の犬が近くを通ったときに激しく興奮する(徘徊する)

という行動が増えてきます。マーキングが多くて困る、なんていう飼い主さんがいらっしゃいますが、去勢されていない犬にとっては自然なことですよね。抑止したいのであれば、「子犬のころからトレーニングを行う」か「ホルモンの分泌を抑えるために去勢する」なんてことをしてあげてください。

また去勢・避妊手術をすることで前立腺がんなどの病気になりづらいという研究結果もあります。

Tips
メスであっても発情期には攻撃性が高くなる傾向があります。避妊するとその攻撃性のムラがなくなるといわれています。

・散歩は一週間に一回行きます!

もう、圧倒的に少ないです。。。><

ワンちゃんには一日20分の散歩を朝晩してあげてください。どんなに小さいワンちゃんでも、トイプーでもチワワでも、お散歩は必要です!

よくペットショップでお散歩いらないって言われたなんて飼い主さんいますが、お散歩は行きましょう~!
朝起きれないっていう飼い主さんもいますが、お散歩は行きましょう~!

運動量だけでなく、いろんな匂いを嗅いだり、社会化の一環としても非常に有効です。また、犬の問題行動予防には、特に朝行くのが効果的ですよ。詳しくはこの記事を読んでみてくださいね。

3.まとめ

どうですか?飼い主の皆さん、心当たりはありましたか?昭和のころの犬の飼い方と、令和の犬の飼い方は大きく変わっていて、より犬のQOLを考えたものになっているといわれています。一方で、犬を過度に擬人化しすぎると、犬の習性を無視して、人間ならば・・・という価値観に陥りがちですよね。

同じ社会の一員であっても、犬は犬、人間とは異なる種であることを念頭において、犬らしい生活をさせてあげてください。

ぜひ飼い主さんもワンちゃんのハンドラーとして、より犬にとって適した環境や飼い方を考えてみてくださいね!

4.参考:ドッグトレーナーのお仕事って?

先日の記事で、CCPDTは日本でも取得可能な唯一の国際的なドッグトレーナー資格ともお伝えしましたが、実はこのテストの項目の半分は、飼い主指導の仕方なんですよ!(下図のInstruction Skillsというものですね)

学習理論よりも、飼い主指導方法のほうが重きを置かれているっていうのはちょっとおもしろいですよね!

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