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2歳児と行くヨーロッパ旅行~オランダ2泊3日の旅~中編

遥か昔の記憶だが、小学校の頃の夏休みといえば静岡のおばあちゃん家によく連れて行ってもらっていた。

おばあちゃん家の向かいの家には自分と同い年の孫がいて、そちらの家でも夏休みの度におばあちゃん家に来ていた。
便宜上、その子は夏だけ会える「なっちゃん」としておこう。

小学校も高学年になった頃だっただろうか。その年の夏は、自分が大きくなってきたこともあってか、色々なところに連れて行ってもらった。
名前を挙げ連ねられるほどの記憶力は持ち合わせていないが、少なくともアスレチックフィールドみたいなところで思い切り遊んだ記憶がある。

その静岡帰省中、1日だけ件のなっちゃんと遊んだ日があった。

どちらの家だったかは忘れたが、大きなスイカを真っ二つにして、それを兄弟みんなでスプーンで食べたのだ。
スイカといえば普通は切り分けられた扇形のものを食べるものだったので、半球のスイカを直接食べるという経験は、小学生の自分からしたらすごく非日常で贅沢でキラキラ目を輝かせたイベントだったはずだ。

その後、夏休み明けの小学校でこんなことを聞かれた。

「夏休み何が1番楽しかったですかー?」

そこで私はそのスイカの話をしたのだ。
そのことを家に帰って親に話したところ、

「あんなにいろいろ連れて行ってあげたのに」

その時は親の反応にハッともしたが、いやいやでも自分はこれが一番楽しかったんだもん心に残ったんだもん、とも思ったのを覚えている。

その話はその時それでお終いだったのだが、自分が大人になってから母にその話をしたことがある。母はごめんねと言っていた。

こんな幼少の記憶があるので、今回の旅行にあたって、いや今後の旅行やイベントにあたって自分に言い聞かせている。

  • フェルメールやレンブラントやゴッホやミッフィを見に行ったとて、たまたま寄った公園で拾った綺麗な石や、中央駅のキオスクで買ってもらって吹いたシャボン玉の方が楽しいかもしれない

  • あくまで、親の想像で、エゴで、連れて行ってるのだ

  • 連れて行って"""あげた"""のではなく、連れて"""行った"""のだ

と。
そんなわけで、オランダ旅行2日目ユトレヒト編開幕です。
前編、Day 1 Amsetrdam編はコチラから。

@Utrecht

Day 2:Nijntje Museum

オランダではミッフィはMiffyではなくNijntjeと書いてナインチェである。

ミッフィのお人形をギュッと抱っこしながら歩くお子に、「Oh you like Nijntje!!」と話しかけてくれたロシアのお姉さんがいたが、たぶんお子は英語もナインチェもわからなかったであろう。
「We Japanese call the rabbit Miffy」なのだ。

さらにちなみに、日本語のミッフィの絵本でミッフィはうさ子である。どういうこっちゃ。統一してくれ。

わかりやすさの観点からいつも「ミッフィ」に読み替えて絵本を読む。

Nijntje Museumは午後お昼過ぎに予約していたので、午前中はユトレヒトの街散策。
かの有名なMiffy Traffic Lightsに行った。世界で唯一、中の人がミッフィになっている信号機だ。

あっという間に赤になるけど、青も可愛いミッフィ信号機

日本でこんな可愛い信号機があったら渋谷のスクランブル交差点みたいになってしまうだろうけど、ユトレヒトではそんな素振りは全くなし。

観光客結構来てそうなのに。不思議-。

ここぞとばかりに観光客魂全開で信号機撮ってたら赤で止まってた車の人に「何やってんだコイツ?」みたいな顔されたけど、その後すぐ「あ!ここミッフィの信号機か」的な反応だったのを見ても完全に街に溶け込んでるのが伺い知れた。
信号機だけ見上げてると気付くの遅れてしまうが、実はここの横断歩道もカラフルになってて地味可愛いのもポイント高い。

生活に溶け込むミッフィ信号機

お次は、郊外の隠れミッフィへ。
ユトレヒトは中心街しか見ていないが、川沿いにお店がひしめき合っていてとても活気がある。
川を見下ろせる位置にカフェやバーが並び、川では船を浮かべて宴をする。
街も広くなく、こじんまりしていて歩くには非常に楽しい。

少し歩いていると遠くに見えるのが、St Martin's Cathedral。一番目立つ高い教会だ。
これを横目に通り過ぎ、またしばらく川沿いを歩いて登り、さらに一本道を入った住宅街の中にそれは突然現れる。

これを一目見るためだけに15分くらい歩く。15分なんてあっという間。

「今日はどこに行くのー?」
という質問に道中5回くらい答えながら、頑張って歩かせたり立ち止まって写真撮ったりしているとすぐだ。
絶対観光スポットじゃないようなところに急に現れるのがとても良い。

この急にヒョコっと出てきたミッフィに、知らなければ絶対通り過ぎてしまうミッフィに、「あれ何?何かな?何かな?」と気付いて欲しくて指をさして誘導する。

そしてミッフィを見つけてくれた時の笑顔!振り向いて、「ミッフィ触りに行って、いいかな?」とでも言いたげな顔に笑顔で「行け行け!」と促す。AFの照準を合わせる。走り寄るお子を撮る。撮る。撮る。
これがやめられない。これだけの、この1撮1表情のためだけに旅行に来てるといっても過言じゃない。

ミッフィタッチ!オムツがむちむちだー!

ミッフィの信号機に続いて、隠れミッフィにまで出会えて昨日とは打って変わってご機嫌のお子。ミッフィ楽しいね!ミッフィ可愛いね!

その後もお土産屋に入ってはミッフィいるし、ミッフィのグッズばかり売ってる専門店もあるし、ミッフィ型のクッキーを売ってるお店もあるし、ミッフィ尽くしの街歩きを堪能した。
堪能しまくり、本が2冊とお人形が1体増えた。うっかり大人用のTシャツも増えた。超満足。

さて、肝心のNijntje Museumは、それはそれは子供にとっては夢のような空間だった。

Nijntje Museum2階で待ち構えるミッフィ。実は外からも後姿が見える。

ミッフィの世界観で、ベンチがあり、ガーデニングがあり、キッチン、お風呂、病院のベッド、人形劇スペース、三輪車、パズルゲーム、動物園(の形をしたトンネル)、最後には工作&お絵かき場も。
これらがグルっと2階のスペースに広がっており、子供たちはあっちで遊びこっちで遊び、おもちゃを取って取られて、たまに喧嘩して。
真剣に遊んでいる子たちの年齢も5歳未満くらいだからか安心して見ていられる。

ミュージアム内ではショーがあるわけではないので、ディズニーやアンパンマンミュージアムのノリでミッフィ大好きな女子大生2人組がわざわざ来てもそこまで楽しめる感じではななそう。
もしかしたら一周5分くらいみたら終わってしまうかもしれないが、ミッフィの歴史や各説明をしっかり読む派はもしかしたらちょっとだけ楽しめるかも。

歴代のミッフィの変遷。最初はミミの付き方が違ったのね!

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