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アイスランド1号線を1,000km走った話

先日、長期休暇を使ってアイスランドの南部をドライブしてきた。
アイスランドの国道1号線は別名Ring Roadとも呼ばれ、アイスランド内をぐるりと1周約1,300km程となっている。

画像転載元:https://www.earthtrekkers.com/10-day-iceland-ring-road-itinerary/

この国道1号線を首都Reykjavik(レイキャビク)から、アイスランド最大の氷河湖でも有名なJökulsárlón(ヨークルスアゥルロン)のちょっと先まで、あっちへふらふらこっちへふらふら寄り道しながら冒険してきた。
そう、旅行というよりも冒険という言葉がふさわしい旅だった。
初めての左ハンドル、初めての右車線、初めてのラウンドアバウト、そして見知らぬ土地。
土地勘もなければ、標識に書いてある地名も読めない(発音できない)、ガソリンを入れることすら全てが初めてだった。
正直、レンタカーを借りる予約をするまですごい気分が重かった。
レンタカー屋に向かい、説明聞いてサインして、エンジン入れて走り出すまでずっとドキドキしていた。

とまぁ、こんな話を聞いたらみんなもアイスランドでドライブしたくなること請け合いなので、せっかく得た以下のTipsをお裾分けです。
長いので、気になる所だけでも搔い摘んでくれたら!

国際運転免許証の使い方

海外でレンタカーを借りるには、国際運転免許証が~というようなGoogleで検索したら一番上に出てくるような話がしたい訳ではない。
「日本の免許証」+「国際運転免許証」が必要なのはそうなのだが、それぞれの役割について新発見があった。

「あなたは運転してもいいですよ」というライセンスを保証してくれているのはあくまで「日本の運転免許証」となっている。
では、なぜ「国際運転免許証」が必要なのかというと、海外で日本の運転免許証を出されても、向こうは何が書かれているかわからないからその翻訳書類、という位置付けらしいのだ。
つまりどういうことかというと、「国際運転免許証」そのものが無くても公的機関によってCertifiedされた翻訳書類があれば事足りるのだ。
そして今回役に立ったのは、日本の運転免許証を更新して書き換えられない限り「国際運転免許証」の期限が失効(通常は1年)していても運転することが可能という事実。
(じゃあ何のための有効期限なんだろうね)
こちらへの赴任前に発行した国際免許証だったので、私のは2023年の12月に失効してしまっていたのだ。
それでも何の問題もなく車をレンタルさせて貰えた。

まぁこれはあくまで、「日本で取得してきた国際運転免許証がもう切れてる!どうしよう!」という時のナレッジであり、時間に余裕があり日本でちゃんと国際運転免許証を発給できる場合は、事前に3,000円くらい払って取得してから行くのが適切であることは言うまでもない。

レンタカーの借り方/返し方

予約で気にするところ

日本でレンタカーを借りたことがある人は、ほぼ同じだと思ってもらってよい。
基本的にはオンラインで、期間、借りる場所、返す場所、車種、オプション、を選んでクレジットカードで決済をする。
今回私が選んだBlue Car Rentalでは、事前にデポジットをいくらか支払い、現地で残りの金額を払うというタイプだった。
レンタル時の保険については、脳死でCDWを選択。
アイスランドは治安が良いということで、追加での盗難保険などは掛けなかった。
アイスランド特有(?)の保険も見受けられ、入ってもよかったなと思ったのが、Sand and Ash Damage Waiver(SADW)。
アイスランドの道路は思った以上に小石が落ちてるのだ。
1人で走ってるときもカランコロンぶつかる音がするし、トラックやバスとすれ違えば5割くらいの確立で「あ、石当たったな」という音がする。
これに冷や冷や嫌な気持ちになりながら運転するくらいなら、いっそSADWに入っておくのが良いだろう。

話が前後するが、アイスランドのレンタカー屋には大きく2つのパターンが存在する。
・ヨーロッパ圏チェーン(Hertz、Europcar、他)
・アイスランドローカル(Iceland Car、Blue Car Rental、他)
なんとなくだが、ヨーロッパ圏チェーンは車種も豊富でオプションとかも多いが値段は張る。
アイスランドローカルの方が値段は手頃、というイメージだった。
私の場合はReykjavik市内で借りて空港で返したかったので、それができて保険もちゃんとついてるとかが重要だった。
最終的には口コミでの店員の対応も見てBlueにした。
結果としては、とても満足だったのでおススメしたい。

借りる時の注意

店が把握している傷以外の傷がないかのチェックで、乗る前に車の写真を撮っておくように伝えられる。
日本みたいに一緒に点検表持ちながら車をグルっと一周はやってくれない。
自己責任で自分で見ておいてね、なのだ。
上に書いた飛んでくる小石とか、車高が思ったよりも低くて駐車場の縁石にとか、擦りそうなところを事前にチェックしておくのがベター。
また他責での傷としてあり得そうなのが、駐車場でドアを開けた時に突風が吹いてドア持ってかれて傷付けられるのパターン。
アイスランド、とにかく風が強いのだ。
その辺を考慮した事前の写真が取れると良さそう。

返す時の注意

これも基本は日本と同じ。
最寄りのガソリンスタンドで満タンにして、傷のチェックをしてもらって終了。
「ここに傷が付いてるみたいなんだけど、事前の写真ある?」
という感じで、結構ちゃんとチェックしてくるので事前の写真はやはり大事。
私の場合は、写真にギリギリ写っていたので、なんとか事なきを得た。

この角度の写真で運転席側のドアの確認にOKが出た

さすが海外なのか、撮影日時とか証拠写真の提出とかガソリン満タンにした際のレシート提出は求められない。信頼で成り立っていた。

空港のカーレンタルは、店舗によってはかなり遅い時間までやってくれているようで、Blue Car Rentalでは深夜2時まで営業だった。ありがたい。

ガソリンの入れ方

アイスランドのガソリンスタンドはいくつかあり、よく見るのはob、olis、N1などなど。

画像転載元:https://www.iceland-dream.com/maps/iceland-gas-stations-map

今回はレンタカーのキーにobとolisの割引ICチップが付いていたので、積極的に使わせてもらった。
ガソリンの入れ方も基本的には日本と同じなのだが、セルフが基本。
その中で「ん?」と思ったのは、主に以下の2点。
・給油の種類の表記
・お金の払い方
セルフスタンドの脇に止めて、給油ノズルを見上げるとそこに書いてあるのは「(黒色で)Diesel」「(緑色で)Bensin」
さすがのアイスランド初心者でもディーゼルでないのは自信をもってわかる。
だが、ベンジン。ベンジン…?レギュラー満タンはお前なのか?本当にお前でいいのか??
振り返って車の給油口をよく見ると「95」というシールが貼ってある。
95………?何の役にも立たねぇ。謎が深まるばかり。
仕方がないので、向かいで給油していた姉ちゃんに聞こうと思ったのだが、その車にも「95」のシールが貼られていて「Bensin」を勢いよく入れていたので、右へ倣えで入れたやった。たぶん正解だった。

手順は前後するが、給油をする前にクレジットカードを読み取り機に当てると金額のメニューが出てくる。
1000 ISK、2000 ISK、5000 ISK、10000 ISKなどなど。
日本で1回の給油って5千円前後くらいだろーと思って、「5000 ISK」を選択。

リッター320円…

どうやら上限額の指定だったみたい。
便利と言えば便利なのかもしれないが、レギュラー満タンに慣れてる日本人としては、満タンメニューも欲しかった。

国道1号線の走りやすさ

南側しか走ってないので主に北側の話は他に任せるとして、今回はすごく大雑把に言うと以下の2パターンで違いが見えた。
・Reykjavik(レイキャビク)~Vik(ヴィーク)まで
・Vik(ヴィーク)から東

レイキャビクはやはり首都というだけあり、交通量も多く片側3車線あったり勢いのいい車が多い。
ぶっちゃけ車をレンタルして10分で「えっ怖い怖い!ごめんなさい!え!どっちいくの!」みたいな事態になったりもする。した。
最初にして最大の敵がココにいた。
だが、落ち着いて欲しい。
基本的にツアリストは1号線を行けばよいのだ。
黙ってひたすら1号線。
であれば話は簡単。
3車線の真ん中に陣取って、「Selfoss(セルフォス)」か「Vik(ヴィーク)」を見落とさないように集団についていけばいいのだ。
そうこうしていると、あれ?車少なくなってきたな?という瞬間が訪れる。
そこからひたすら片側1車線が始まる。
片側1車線なんだけど、自分が遅かったら後ろからビュンビュン抜かしてくれるから自分のペースで走れるし、1車線の車幅も広いしので「あれ?運転ってそんなに大変じゃない?」みたいな気持ちになってくる。
さらに行くと車窓を大自然が横切っていき、どんどん気持ちよくなっていく。
それがVikまで150kmくらい続くので、とても走りやすい。

そしてVikから少し様子が変わる。
明らかにすれ違う車の数が減ってくる。
車幅も若干狭くなっていく。
デカいトラックやバスと相対速度200km/hですれ違うと、車が揺れる。
風圧で引き寄せられる気がするので、ちょっと怖いからハンドルを少し右に傾ける。
車線はみ出しのアラートがピピッと鳴る。
これで雨が降っていたら最悪で、スプラッシュによる飛沫でフロントガラスが真っ白になり前方が一瞬見えなくなる。
そんなこんなでハンドルを握る手にも力が入るし、姿勢も心なしか前傾になるし、肩も凝る。
1号線は基本的に70~90km/hの制限速度なのだが、見通しがめちゃくちゃよく、周りに何もないから調子に乗って150km/hとか出したくなる。
しかし前述の通り対向車とのすれ違いが本当に恐怖だし、このあたりから道路の陥没も増えてくるので、100km/hを超えないほうが本当に良さそう。
天気もすぐ崩れるしね。
みなさま安全運転で。

駐車場の使い方

アイスランド内の観光スポットに併設のパーキングは大体有料。
1回あたり、900~1,000 ISKくらいする。
券売機を見つけて購入しても良いのだが、Parkaなるアプリを事前に落としておくのが良さそう。

特に、1日に観光スポットを複数回る予定がある場合、2つ目の駐車料金が半額になる可能性がある。
これを知らずに前半は紙のチケット買ってたので悔しい。

たまたま見つけた滝を見に行った時の駐車券

加えて、駐車場に入るとき「監視カメラあるからね」「監視カメラで撮ってまーす」「ナンバープレート見えてるよ~」アピールをすごくしてくるので、ちょろまかさないでちゃんとお支払いしておいた方が良さそう。

旅程について

旅程を組むときは、1日の走行距離を200~300km程度にとどめておいた方が良さそう。
「俺、運転得意だから」というのもわかるのだが、アイスランド内の観光スポットと観光スポットの間には、かなりいろいろ惹かれるものがあるのだ。
唐突に出くわす滝だったり、見晴らしの良い丘にあるパーキングだったり、観光ブックには載らない何の変哲もない景色だったり。そして山、山、山。
雪がかかった山、断崖絶壁の山、明らかに噴火した形跡がある山。
横目に流れる大自然が琴線に触れ、車を停め、ぜーったい写真を1、2枚撮りたくなるのだ。
そういう旅ができるのがアイスランドの1号線なので、このくらいの距離にしておくのが良さそう。

1日目:260km

ドライブ1日目はVikで昼食。町の南にある海岸Reynisfjara(レイニスフィヤラ)へ柱状節理を見に行った。

2日目:190km

2日目は道中のSkaftafell(スカフタフェットル)国立公園内からスタート。Svartifoss(スバルティフォス)の滝でパイプオルガンの様な滝を見てから、Jökulsárlón(ヨークルスアゥルロン)の氷の洞窟ツアーへGo。

3日目:340km

朝イチでDiamond Beachへ流氷を見に行き、ここから1日でReykjavikまで戻るのは体力的にキツいと考え、道中で宿を探した。
この日はお昼前からずーーーっと天気が悪く、雨に萎えながら走った。

4日目:245km

最終日、そういえばGrindavik(グリンダビーク)の火山どうなったんだ?と思って寄り道してみたが、普通に道路封鎖されててマグマ見れなかった。
生の活火山、生マグマ、見たかったなー。

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