お告げの終わり(新着投稿お知らせ)
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豊穣の預かり手は水を地の中から頂く夢を持った。代々、預かり手たちは時の円環でものを見る。
彼等にとって未だ顕れていないものというのは、既に今にあるものだった。
遥か先にあるというよりは自身にすべてが内包しているので、昨日と明日が今を支えて導く。
先見さきみ ではなく、今への観察により、所属する集団とその子孫へ必要なことを顕あらわした。
それは能力や力というものではなく、性質と呼べるだろう。人が持つ自然な性質であり誰もがそのように暮らしていた頃もあったが、ユーマであるユ・ウマトと、ルゥ・ラァであるリ・ル・アウラが預かり手の頃には特別なちからとなっていた。
それを選んだ先人がいたからだ。選んだのはやはり、当時の預かり手だった。
「ずっと先の子供たちのために」と、微笑みと静かな喜びで決めたことだった。彼等は選んだ。人としての進化を選んだのだった。
この先、少年と鳥は大きな変化を受け入れる。時を円環で見る性質は、いよいよ能力となっていく。
特別な才能を持つ少数または一人が、所属する集団へ宣(の)る 仕組みを人々が採用していく。
万物を顕現する火と水を裡うちに見ることが終わり、それらを外に見ることを選んでいく。
火と水、または、カミ。
赤い瞳の銀の鳥 38話 発 より。
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