見出し画像

自信のなさからチャンスを自ら手放してしまったほろ苦い思い出

【はじめまして・プロフィール】はこちらです。

https://note.com/yokoasone/n/ndd26ac28c313

今から6年ほど前のこと。その当時お世話になっていた音楽スクールの発表会がありました。

その頃は、指の関節症もありながらもまだ何とかキーボードの演奏が出来ていましたので、あまり練習は出来なかったけれどオリジナル曲をソロで演奏させてもらいました。

ジャズバーを会場にして、30人程集まっていたと思います。

まずリハーサルがあって、それぞれ順番に一回ステージで練習の演奏して、ほかの参加者は自由にお喋りしたり軽食を取ったりザワザワしていました。

私の番が来て、日頃はキーボードタッチの電子ピアノを弾いていたので、思ったより鍵盤が重くて上手く弾けない…と思いつつ演奏し終わり、ふと気づくとザワついていた他の参加者の皆さんが席についてシーンと静かに聞いてくれていたのです。

十分に練習していないし、鍵盤が重くて音が出ていない焦りがありましたけれど、でもリハーサルで静かに聞いてもらえたのが自信になって本番も何とか頑張って演奏しました。

その日は生徒の他にゲストとして10名くらいの管楽器のアンサンブル集団の人たちが来ていたのですが、私の演奏の後、「あんな曲を演奏してみたいです」「素敵な曲ですね」と何人かのメンバーの方から声をかけていただきました。

その頃はYouTubeでは発信していたけれど、家族とレッスン以外で知らない人たちの前でオリジナル曲を演奏したのは初めてだったので、直に声をかけていただいてとても嬉しかったです。私にとってはデビューみたいな日でした。この段階で、気持ちは舞い上がっていたような記憶です。

発表会が終わって帰りかけた時に、その管楽器のアンサンブルのリーダーである男性から声をかけられました。「あなたに仕事として作曲を依頼したいので、連絡ください。」そう言って名刺を渡されました。「仕事としてですよ。」と念を押されました。

この後の私はふわふわとした気持ちで帰宅して、早速旦那さんにもある人にこんなこと言われたと喜びの報告をしました。

そして、すぐに名刺にあったその方のHPにアクセスしてみると、なんと、その方は有名な音大を出てご自身でも作曲している方でした。

そこで私はすっかり怖気づいてしまったのでした。その頃の私は、作曲はしていたけれど、音楽理論は全くわからず、コードも直感でつけていただけなので、音大出の専門家の方からお金を貰って作曲なんて大それたことは無理…と思ってしまいました。

曲が良くて声をかけてもらえたけれど、実際に会って話をしたら、何も分かっていないのがバレてしまう。

それで、「私は理論がほとんど分かっていないし、メジャーやマイナーのスケールも、♯や ♭ が三つ以上つくと怪しくなります。コードの理論も分かっていません。今YouTubeに何曲か上げているのでその中に使える物があったらどれでもお使いください。お金はいりません。」といった内容のメールを送ってしまいました。

その後、その方からは返信はなくて、その話もそれっきりになりました。もしかして怒らせてしまったのだろうか…という思いだけが残りました。

後にある人に言われました。

「せっかくあなたの才能を認めて声をかけてくれたのに、お金はいらないから、というのはとても相手に対して失礼なことだよ」と。

今になるとその理屈も分かります。自分の作品に対してではなくて、知識がないことの自信の無さからチャンスを手放してしまいました。

あの頃の自信のない私には、怖さから逃げることしかできなかったんだなぁ…と、思います。

思い出すたびにほろ苦さを感じるのと、あの声をかけられた時の気分が高揚したところから⤴️、ジェットコースターのように一気に「怖い」に落ちていった⤵️自分がちょっと可愛くもあります。音楽に関しては今でも怖いことはたくさんあります。

今回CD を作るのも、大変な勇気が必要でした。そんな話もいつかまた書いてみようと思っています。

お読みいただきありがとうございました。



【YOKO】のオリジナルアルバム

•YOKO × doe4 / Prayers(プレアーズ)

アルバムトレーラーはこちら




サポートいただきありがとうございます。いただいたサポートは、参考図書の購入など、更に良い記事を書くために使わせて頂いています。