勝手にチャレンジ1000 0113 今年の梅について。母の考察。

 今年は梅が不作だった。
 和歌山を始め、日本各地の生産地で不作のニュースが聞かれたが、我が家に一本ある梅の木にもほとんど実はならなかった。もっとも、うちのは梅の実を取るための木ではなく、観賞用の枝垂れ梅なのだけど。それでも毎年、花の後にはそこそこ実もできて、買ったりもらったりした梅と一緒に梅干しになったりシロップになったりしていた。けれども今年はたった5粒。5粒といえどもちろん自然の恵み。すももと一緒に小さなガラスびんに入れて、酵素ジュースにした。

大きくて赤いのはすもも。

しかしながら、近くの八百屋にもショッピングセンターの中のスーパーにも例年のように青梅が並ぶことはなく、時機を逃した私は買いそびれ、今年は梅干しを作るのは諦めるしかなかった。店頭で梅を見なかったのは、実家通いのあれこれで梅の出盛りを見逃したのかと思ったりもしたが、周囲にも今年は梅を手に入れることができず梅を漬けるのを諦めた、という話を結構聞くようになり、梅の不作を実感したのだった。

 さて、その不作の原因だが、ニュースや新聞では、一番大きな原因は暖冬で、花が未熟なうちに開花してしまい実が付かなかったことや、せっかく結実したものも雪や雹など早春の天候不順で傷ついて商品にならなかった、といっていた。梅に限らず花も果実も野菜も、全てのものが一月前倒し、というのは、昨年辺りから感じていたが、今年の梅は本当に早く、うちの辺りでは一月に既に満開の状態だった。花そのものが未熟かどうかはわからないが、美しく咲いてはいた。

 虫がおらんかったのよねー。
とは、母の言。
 母の考察によると、花が早かったので花粉を運ぶ蜂や蝶がまだ出てきてなかったのが実にならなかった原因ではないかということだった。
何となく納得させられるような。

 暖冬が原因ならこれから先も不作が続く可能性が高いが、虫とのタイムラグなら、そのうち虫も早く動き出して花とタイミングが合うようになるだろう。花も気温に合わせて自分のはなの成熟度を変化させるだろう。自然は、何とかして命を続けるように変化し続けるから。そして、環境に適応するために進化をするものであるから。
 大量絶滅の時代の始まりということも聞く。もう100年くらいしたら受粉してくれる虫も少なくなって、梅も実が少なくなって、私たちは梅干しはおろかいろんな植物の恵みを受けることもできなくなるかもしれないけど、その後に続く何らかの生物は存在するのだろう。自分を変えず、環境の方を変えて適応してきた人類は、いよいよ大規模な環境の変化について行けなくなりつつある。今までの生活を維持するためには環境を変えるより、環境を戻したり、守ったりの方が重要なのでは?と思う。

今年も夏がやって来たが、土用干しは無し。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?