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たかが魚

飼っていたメダカが死んだ。

想像以上にショックを受けている自分に驚いた。
子供の頃にもメダカを飼っていたけれど、
こんなにショックじゃなかった。

今回、飼い始めた当初から夫に、
「きっと、すぐに死んじゃうよ」と脅されていた。
今思えば、
死んでしまったときの私のショックを和らげるために、
「あまりハマるなよ」という警告だったのかもしれない。

私だって、別にもともとメダカが好きだったわけじゃない。
子供が理科でメダカを勉強していたので、
実験気分でネットで買ってみた。
そんなにハマるわけがないと思っていた。

ところが。

始めてみたら意外に興味が沸いて、
水槽、水草、LEDライト、ろ過フィルター、水替えポンプなど、試行錯誤した。
飼い始めてたったの1,2か月でたくさん卵を産むようになったので、
産卵床を入れて、卵を見つけるたびに別の水槽に移して
大事に扱った。
卵が孵化して、
目を凝らさないと見つからないぐらいの
糸みたいな稚魚が生まれ、
逞しく泳いでいる姿を毎日驚きをもって見守った。
赤ちゃんメダカは4,50匹にもなった。
そんな生命のサイクルを見ていたら、
親メダカにも子メダカにも情が移ってしまった。

こうなることは分かっていたのに。
寿命の短い生き物に
迂闊にも愛情を注いでしまった結果は、
なかなかにツライ。

たかが魚。
魚なんて、毎日食べてるじゃないか!
それにさえ注いでしまう湧き出る愛情が、
人間にはあるんだなと
思う次第です。

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