見出し画像

男子クラス

新学期が始まってから、
息子は、毎日楽しそうに学校に通っている。
去年までは、どちらかといえば、
休日明けは、「学校嫌だなー」と言い、
雨が降ると、「学校めんどくさい」と言っていた息子が、
5年生になってから、なんだか楽しいらしい。

「学校、楽しくなって良かったねぇ。
T君と同じクラスだから?先生が優しいから?」と聞くと、
「うーん、わかんない。でも、とにかく楽しいってこと!」と息子は言う。

先日のこと。
「〇〇ちゃん(自分のこと)、クラスでお笑い係になったんだよねー」と言う。
確かに、家ではギャグマンガを読んだり描いたりするのが好きな子だ。
「へー、良かったねぇ、面白そう!」と言うと、
「こういうの、考えてるんだけどさー」と言って、
コントのネタを一人芝居して、私に聞かせる。
2個のアイデアをしゃべったので、
「2個目が面白いねー」と言うと、
うーん、と真剣な顔をして、また別のアイデアを考えているようだ。
お笑い係は、クラスでコントを披露するのか。
そのシナリオを考えているのか。

またある日のこと。
「〇〇ちゃん(自分のこと)、超能力が使える人みたいに見せる技を身につけたんだよねー」
と言う。
目の前に立てた鉛筆を、
手で触らずに倒す超能力らしい。
(種明かしは、息を吹いていないように見せながら息で倒す)
得意げに私にやって見せて、動画を撮らせて、
自分で見返して、より超能力らしく見せる方法を試行錯誤している。
「O君に見せたら、面白いって言ってくれたから、
一緒に超能力開発してるんだよねー」
と言う。

昨日、塾の帰り道。
歩きながら息子が言っていた。
「男子クラス、サイコー。
超能力開発できるし。
O君が笑ってくれるから、どんどんアイデア思いつくんだよねー。
女の子だとさー、
「なにそれ」とか言ったり、
いろいろ指摘したりするからさー」

なるほど。謎が解けた。

息子の学校はもともと共学だが、
5,6年生だけ男女別クラスになる。

そういえば、娘のときには、
「お笑い係」なんてものは聞いたことがなかった。
係は、クラスで子供たちが、必要だと思うものを話し合って決める。
もしかしたら、今までも「お笑い係を作ろう」という意見はあったかもしれないけれど、
多数決で却下されていたのかもしれない。

そういえば、息子はギャグ漫画「星のカービィ」が大好きで、
家ではそれについて延々としゃべり続けるのに、
学校ではいっさいその話はしないと言っていた。
「カービィ好きな人、他にもいるでしょ?」と思ったけど、
あれは、女の子の目を気にしてのことだったのかもしれない。

それが今、
"お母さん役"のような女の子がいなくなって、
安心して面白そうなことを追及している息子の姿が
目に浮かぶ。

そうか、そういうことだったのか。
最近の息子の楽しそうな様子が、腑に落ちた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?