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#9経営者が知っておくべき、個人型と企業型の違いとは?

もっと会社を良くするための、確定拠出年金制度の有効な使い方とは!
中小企業経営者様にそのポイントを解説いたします!

確定拠出年金と一口に言っても、個人型と企業型と2種類が存在するのをご存知でしょうか?
実は、経営者には両方の選択権があります。
個人型で自身の老後資金を積立することもできるし、自社への企業型導入の決定権も持っています。
今回はこの2つの違いについて、経営者が知っておくべき点をお話いたします。

基本的なしくみは同じ

idecoしくみ

                         厚生労働省HPより

個人型も企業型も、上記のしくみは変わりません。

①自分で拠出
個人型ではお金を出すのは本人、企業型では会社が退職金としてお金を出しますが、どちらも、個人別の口座に積立することになります。
企業型であっても、会社の口座に一括で積立するのではなく、社員個人の確定拠出年金専用口座を開設して、会社が毎月積立します。

②自分で運用
個人型・企業型共通です。
自分のお金を投資する運用商品は、自分で選択します。
運用商品の種類は、定期預金・保険商品・投資信託があります。

③年金受取
個人型・企業型共通です。
60歳から70歳までの間に受取を開始します。
企業型の場合は、定年退職年齢(最長65歳)から70歳までの間に受取を開始します。
※個人型・企業型とも2022年4月から、受取可能年齢が60歳から75歳に引き上げられます。2020年法改正

それでは、具体的にどの部分に知っておくべき違いがあるのか3つに分けて見ていきます。

ポイント1 掛金の上限

企業型個人型拠出限度

                          厚生労働省HPより

個人型の掛金の上限は、上記のように細かく分かれています。
ここでは、「2.厚生年金保険の被保険者  確定給付型の年金及び企業型確定拠出年金に加入していない場合」で見てみます。
これは、会社に確定拠出年金、確定給付企業年金、厚生年金基金の制度がない場合となり、中退共や特退共は含まれません。
一般的な中小企業であれば、この部分に該当することが多く、個人型の掛金の上限は月額23,000円です。
経営者自身や、ほかの役員も同様の金額です。

企業型では、「確定給付型の年金を実施していない場合」で見ると、月額55,000円となります。

このように、個人型と企業型では積立できる上限が2倍以上違います。
例えば、上限いっぱい20年間積立した場合、個人型は552万円、企業型では1320万円を積立でき、その差は768万円になります。

ポイント2 口座管理手数料

確定拠出年金では、受取まで個人の専用口座で個別に管理をしていきますが、この口座には毎月数百円程度の手数料がかかります。
個人型の場合は、この手数料は当然、本人の負担となります。
60歳以降の引き出しが可能な年齢まで、口座を持ち続けることになりますので、1ヶ月数百円といえど、10年20年となると結構な金額になります。

企業型の場合は、会社が負担することになり、手数料は福利厚生費として損金計上されます。
退職金制度として導入しますので、加入者全員分の積立額だけでなく、手数料についても考慮する必要があります。

ポイント3 税金の優遇

確定拠出年金で積立する掛金は、税金が優遇されています。
こちらも個人型と企業型に違いがあります。

個人型の場合、自分でお金を出しますが、その掛金は全額所得控除となります。毎月23,000円を積立した場合、年間で276,000円になり、この金額が所得から控除され、結果的に支払う税金が安くなります。

企業型では、退職金の積立として会社がお金を出しますが、その掛金は福利厚生費となり全額損金計上されます。要するに給与とは別に掛金を出すことになり、個人の所得にはなりません
ですから、個人には税金も社会保険料もかからず積立ができ、会社からみても、給与ではないので社会保険料はかかりません。
また、企業型は中退共と違い、経営者やほかの役員も加入できます。
経営者の退職金積立としても、活用することができます。

このように、確定拠出年金には個人型と企業型があり、経営者であるからこそ、どちらを選ぶこともできます。(企業型の導入には、社員の同意が必要です)
今回は、そのポイントとなる部分をお話させていただきました。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。


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