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おしんの生きた”時代”

追悼番組としてのダイジェスト版

冒頭の画像は「週刊女性プライム https://www.jprime.jp/articles/-/17792」から引用させていただきました。

脚本家の橋田寿賀子さんが逝去され、追悼番組として、昨日「おしん」のダイジェスト版がNHKで放送されていました。リビングルームを通ったら両親がかぶりつきで見ていて、私もちょっとだけ…と思いきや、離れられなくなり、かなりの時間見てしまいました。

明治~大正~昭和を生きたひとりの女性のライフストーリーです。

振り返ってわかる時代の特徴

ダイジェスト版だからでしょうか。その時代時代の様子が色濃く描かれていることが印象に残りました。

たとえば、明治時代は、すさまじい格差社会でした。小作と地主、長男とそれ以外、男性と女性など、それぞれの生まれ落ちた「身分(立場)」によって、生き方も異なれば、言葉遣いも全く異なっていました。個人の選択肢はほとんどないように見えました。

一方、大正時代では、格差社会の中でも、それぞれが弁えた自由を追い求める様子が描かれていました。働き方としては、自営業や個人事業主的な「小さな商い」「小さなサービス業」に従事してしている人々が多いことが伝わってきました。しかし、そういった小さな暮らしを壊滅的に破壊したのが関東大震災でした。保険も何もない時代、運命に翻弄される人々の悲哀と強さに胸を打たれました。

そして、昭和の時代。戦争の影が迫る緊張の時代から敗戦、その後の高度成長期まで、虚しさが強く描かれているように感じました。特に、おしんの夫が玉音放送の数日後に自死してしまうくだりは、個人の生きざまにどれほど強くその「時代性」や「社会通念」が影響するかを物語る強烈なエピソードでした。当時の思想を持たない私には理解しようとしても理解しがたい、許しがたい行動に見えました。

俯瞰的な目がほしい

と、テレビの前で「ダイジェスト版」という形で見ていると、時代の形がありありと見えることに気づきます。俯瞰的な目で見ているからでしょう。また、その時代に関する断片的な情報を私自身が知らず知らずのうちに蓄えていることも奏功していると感じます。

で、この令和の時代。コロナ禍の時代。誰もがスマホを手にオンラインでの何かに参加できる時代。私たちの何が変わり、何が加わり、何を失おうとしているのか…それを俯瞰的に見てみたいと強く思いました。

渦中にいる時には見えないものも、ライフストーリーという形になり、それを読んだり、見たりすることでいろいろと見えてくる、その面白さを再確認した昨日でした。

「おしん」については来週も取り上げたいと思っています。いろいろな気づきがありました。

気持ちのよい月曜日 皆様いってらっしゃいませ!



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