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【マレーシア滞在記①】移住したい国No.1って本当!? 試しに暮してみた

日本人が移住したい国No.1と言われているマレーシア。

その理由は、一年を通して温暖、食べ物が美味しい、
治安もいい、ビザも下りやすいなど。

でも、
いったい どんな人に何人に調査してNo.1?
誰が言い出したん?

そこで、マレーシアが本当に移住したい国だと
思えるのか実際に滞在してみることにした。

あくまでも日常生活を送るうえで、
移住したいと思えるかどうかであって、
マレーシアで働く、教育を受けるの観点ではない
ということをあらかじめ断っておく。



① 人々皆やる気なし


とて、私一人で旅行にいくのもなんだし、
夏休みも近かったことから、高校生の長女と
2週間ではあるが親子留学をしてみることにした。

行った先は首都クアラルンプールから
さらに飛行機で一時間ほどの「ペナン島」

ペナン島はクアラルンプールに次ぐ第2の都市。
日本人の移住者も多く住んでいるらしい。

日本からの直行便はないため、
クアラルンプールで乗り継ぎとなる。

空港に着くやいなや、
日本との違いに気がついた。

空港で働いてる人が皆ダラダラしているのである。のんびりではない、ダラダラだ。

店のスタッフも清掃員も、入国審査官ですら
圧倒的無気力で接してくる。

街で働く人たちはもっとだ。

スーパーのレジの人は座って弁当食べてるし、
警備員はスマホ見てるし
コンドミニアムのフロントマンはあいさつしても
知らん顔だし。

まるで無気力
街全体が無気力

もう働いてる人とそうでない人との区別がつかない。

だけど、海外が十数年ぶりだったせいもあり
久しぶりにあの心地よさが蘇ってきた。
「あぁ、素敵すぎるこの脱力感…

初めからやる気のない態度で接してくるので、
こちらも良きサービスなんぞ期待しない。
お金を払って物が買えれば本来それで十分なのだ。

対して、客の姿が見えなくなるまで見送り、
見えなくなると頭を下げて持ち場に戻る、
誰も幸せにならない過剰すぎるサービス、ニッポン。

近所のダイソーでさえも、
おヘソの前で両手を揃えてお辞儀する。
丁寧過ぎて気持ちが悪い。実に気持ち悪い。
気の抜けたコーラよりも気持ち悪い。

やはり窮屈過ぎる日本
それを当たり前に思う日本人



② 道路が渡れない

そんな緩すぎるマレーシア人だが、
車を運転させれば、えっ?と思うことがある。

マレーシアは日本のように「歩行者優先」
ではない為、人が道路を渡っていたとて、
お構いなしに猛スピードで突っ込んでくる。
何度ヒヤっとしたことか。

その上横断歩道がほとんどのないのだ。
あっても高い確率で信号機が壊れていて、
渡りたくて立っていても1台も止まってくれないので
車がビュンビュン行き交う中、
命がけで道路を渡らないといけない。

落橋して向こう岸に渡れず途方に暮れている村人
のような私をよそに、いとも簡単に
車を交わしながら渡っていくマレーシア人。

小走りするわけでもなく、
そこはやっぱりダラダラと歩いて渡る。
なぜそれで渡れんの???
日本人と時の流れが違うのかね?

後から聞いた話だが、
道路を渡れず、それだけの為にGrab(マレーシアのライドシェア)を頼む日本人もいたそうだ。

慣れれば普通に渡れるようになるのか?

でもこれ、歳とったらあきらか困るよね…



③ 屋台村は最高!

マレーシアにはホーカーと言われる屋台村が、
道のあちこちにある。

日本円で200〜500円ほどで、
美味しい料理がお腹いっぱい食べれる。

自炊するよりも安くつくので、
滞在中は毎晩のように食べに行っていた。

それぞれの店で注文すると、テーブルまで持ってきてくれる
道路のすぐそばの屋台村

反対に日本食を食べようとなると少々高くつく。
なので和食が恋しくなったら自炊するのが一番だ。

だが、日本のようなふっくらモチモチのお米は
食べれないことは覚悟しておくこと。

サトウのごはんを持っていって正解だった




④ 朝6時に叩き起こされる 「アザーン」


「アザーン」
とは、
イスラム教における礼拝への呼びかけの合図のこと

マレーシアは、国民の6割がイスラム教徒である。
ムスリム(イスラム教徒)は一日の間に
夜明け前、午前、午後、日の入り、夜と
5回礼拝を行う。
時間になると街中に放送でアザーンが流れるのだ。

しかしこれがとにかく大音量なのである。

アザーンのことを知らなかった私たちは、
マレーシアに到着した日に
初めてアザーンを聞いたとき、
爆音で 焼き芋を売りにきたのかと思った。

「や〜きいも〜♪」
というメロディがあるように
アザーンも男の人が歌っている。

娘は、「どっかでカラオケ大会やってるんかな?」
とか本気で言い出すし、
とにかく5分くらいずっと爆音で流れるのだ。

困るのは何といっても朝だ。

早朝6時にいきなり爆音で飛び起こされる。
アラームなんていらない。
もはや恐怖すら感じる。

そんな大迷惑なアザーンであったが、
異国情緒あふれるアザーンが今は恋しく思うのだ。

ペナン島の水上モスク(寺院)



⑤ ちょうどよい衛生面


日本人が海外へ行くと困るのが衛生面。

世界一の潔癖である日本人が
初めて東南アジア方面へ行くとなったとき、
いきなりカンボジアやフィリピンなどのディープな所に行くと、衛生面でカルチャーショックを受ける
可能性がある。

その点マレーシアは、ちょうどよい衛生なのだ。

確かに商業施設や観光地などのトイレは、
床が水浸しだったり、トイレットペーパーもなかったりで用を足す気にならない所もあるが、
空港や比較的新しいショッピングセンターは
日本とまではいかないが、なかなか綺麗。


和式トイレ。 ツタンカーメンに見えるのは私だけ?


屋台のテーブルや椅子などは、
タレやら汁がついてベタベタしていて
初めは携帯用の除菌シートで拭いたりしていたが、
2、3日経った頃には、
「これくらい汚い方が免疫力ついてちょうど
いいよねー」
なんて思ってしまうほど順応できるレベルだ。

また、日本人が海外に行って
特に気をつけないといけないのは「水」。

さすがに水道水をそのまま飲むことはないが、
他国のお店で飲んだジュースに入っていた氷で、
食あたりを起こすケースが多々ある。

マレーシアでは数年前から屋台でも厳しくなったようで、氷はちゃんとした飲料水が使われていて、
滞在中、ジュースはもちろんかき氷も食べたが
何ともなかった。

しかし、虫嫌いな人は少々厄介だ。

マレーシアの建物は隙間だらけのため、
滞在していたコンドミニアムの10階でさえも、
リビングやベットに、小アリが歩いてたり、
Gはもちろん、壁にヤモリが這っていたり、
時にはネズミも出てくるそうな。

もう、マレーシアに移住し家を借りるとなれば
家中の穴という穴を、ガムテープやらで完全に塞ぐという対策を取らないといけないだろう。

虫と共存する覚悟はもっておく



⑥ わかっていたけどやっぱり暑い

気候に関して私は、断然日本がいい。

赤道付近だから暑いのは重々承知だったが、
やっぱり蒸し暑いのは歳をとると体にこたえる。

日本の殺人級の真夏に比べるとかなりマシだが、
観光してると汗びっしょりでクラクラしてくる。
半年も住めば少しは慣れるのだろうが、
日中はとにかく外に出たくない。

日本の暑さは数ヶ月だが、
一年中これだと、私にはちょっとキツい。

ただ、日本みたいに熱い風が吹くことなく、
日陰は涼しいし風がとにかく気持ちいいのが救い。

以前、ネットで
「日本には四季がある」
とつぶやいたところ、
おそらく海外に住んでるであろう日本人たちから

「四季なんて世界中にある」とか
「それ言うのほんとにやめろ、2度と言うな!」
となぜか叩かれたことがある。

でも、
高温多湿の地で2週間だけだが過ごして思うのは
「やっぱり日本の四季が好きなんだ」


超インドア派なのに、
暖かくなってくると湧き出すワクワク感や、

夏を一度も満喫したことがないのに、
何故かセンチメンタルに浸れる夏の終わり、

どの猫よりもコタツで丸くなって過ごす冬が
やっぱり私は好きだ。
あらためてそう思った。

ただ、マレーシアには花粉症というものがない

毎年、春と秋に花粉症で苦しめられてる人には
マレーシアはパラダイスであろう。



⑦ デジタル音痴は生活できない

マレーシアは、発展途上国だから
なんでも日本より劣っていると思っていないか。

だとしたら、その認識はもう古い。
カビが生えそうなくらい古い。
マレーシアは、日本よりも遥かにデジタル社会だ。

カフェやレストランでも、
注文はスマホからのみ、の店が多く、
ライドシェアも何年も前から普及しており、
学校からの紙のお便りなんて存在しない。

なんでもスマホでピッピッで完了!

日本で、紙の保険証があーだこーだって、
いつまで昭和なん?
正直、マレーシアよりも10年は遅れている。

デジタルが使いこなせず、
いまだFAXや窓口を利用している中高年は、
マレーシアでは生活出来ないと思ってよい。



⑧  言葉が通じない心地よさ


買い物や何かの手続きの際は
英語が通じるから生活面で困ることはない。

マレーシア人は英語を話せる。が、
マレーシア人同士が話す言葉はマレー語である。
何言ってるかさっぱりわからない。

中国語も聞こえてくる時があるが、
もちろんさっぱり分からないから
耳に入ってきたとしても、特に何も気にならない。

ところがだ。
日本に帰国するとき、
シンガポール空港のロビーで
乗り継ぎ便を待っていたところ、
後ろから久々に日本人家族の話し声が聞こえてきた。

あえて聞いていたわけではないが、
会話が勝手に耳に入ってくる。

別に自分に関係のない話だったが、
意味が分かるもんだから、内容にイラっとしたり、
それ違うだろと突っ込みたくなったり、
いきなり脳が余計な思考でいっぱいになってきた。

その後、シンガポールからはANAに乗った為、
機内では日本語が飛び交い、あれやこれやと
頭が休まらなかった。

日本の空港についてからも、
うるさい広告やアナウンス、頼んでもないのに
勝手に耳から情報が入ってきて、脳が一気に疲れてしまったのだ。

マレーシアに滞在中は、
マレー語や中国語を聞いても、
それが生活音の一部になっていて
無駄な脳のリソースを使うことなく、
必要な情報を得る時だけ、
脳をONにして英語を話せばいい。
気持ちも頭の中もゆったり過ごせた。

言葉が通じないことはデメリットに思えるが、
いらない情報が入ってこないことは
こんなに心地よいことなのか!

日本を脱出しなければ感じ得なかったことだ。



⑨ 【結論】長期では住めない

《おさらい》
1、人々皆やる気なし
2、道路が渡れない
3、屋台村は最高!
4、朝6時に叩き起こされる「アザーン」
5、ちょうどよい衛生面
6、分かっていたけどやっぱり暑い
7、デジタル音痴は生活できない
8、言葉が通じない心地よさ

私的には、マレーシアで生活してみて一番の
メリットは  「言葉が通じない心地よさ」
デメリットは 「やっぱり暑い」
ということだった。

総合的に、旅行や短期で住むのには楽しいが、
移住とまではなぁ〜、が正直な感想。

しかし、今回は触れていないが
長女の語学学校での様子や、
英語を母国語としない国での英語の学び方などについて、日本よりも良かった点が多々あったので
また別の機会に紹介したいと思う。

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