見出し画像

プロダクトデザイン1年生へーその⑥ アイディア出しに困ってる方へ!名著『アイディアのつくり方』を自分に置き換えて図式化してみた

こんにちは!もう1月も終わりですね。。早い!
今日は、名著『アイディアのつくり方』について、自分なりに解釈や経験を踏まえて書いてみたいと思います。(おこがましいですが、、)
かく言う私も、アイディア出しにつまずき、この本を買いました。30年以上前に書かれた英語を翻訳した本なので、内容的にはすばらしい反面、なかなか理解できない部分も多かったです。今回、自分で内容を咀嚼するためにも記事にしようと思います。(解釈や表現等、適切でない部分があるかもしれません。また、本の表現を私が置き換えていたり、付け足している部分があります。先にお詫びしておきます。)

著書の概要

はじめに概要を説明すると、この本はジェームス・W・ヤング氏によって書かれた、アイディアのつくり方のプロセスについての書籍です。(私の周りのクリエイティブ系の職業の方は、みなさん読まれている名著なのです。)

ヤング氏によると“アイディアは新しい組み合わせである”とのことです。例えば、スマートフォンは携帯電話やパソコンなどの今までにある電子機器を結びつけたものですよね。
すごいアイディアに見えたとしても、今まで思いつかなかった既存の様々な要素を組み合わせたということです。

次にアイディアを出すプロセスについて、ヤング氏は下記のような5段階で書かれています。

第一 資料集めー諸君の当面の課題のための資料と一般的知識の貯蔵をたえず豊富にすることから生まれる資料と。
第二 諸君の心の中でこれらの資料に手を加えること。
第三 孵化段階。そこでは諸君の意識の外で何かが自分で組み合わせの仕事をやるのにまかせる。
第四 アイディアの実際上の誕生。〈ユーレカ!分かった!みつけた!〉という段階。そして
第五 現実の有用性に合致させるために最終的にアイディアを具体化し、展開させる段階。

『アイディアのつくり方』より

ちょっとわかりにくいので、ここから私の経験談踏まえ、独自解釈していきたいと思います。どの段階も、徹底的にやってから次の段階に移ることが重要と著書には書かれています。

第一段階 情報収集(アイディアをだす対象に特化した情報と一般的な情報の両方)

最初は情報収集です。集めてくるのは、アイディアを出す対象に関する情報はもちろん、関係のなさそうな一般情報についても収集していきます。自分の脳みそを土壌に例えると、もともと知識や経験が埋まって所に、どんどん肥料となる情報を入れていくイメージです。なぜ一般情報が必要なのかというと、要素は多い方が新しい組み合わせが見つかりやすいからです。また、関係のない情報が、後々思わぬ化学反応を起こして、良いアイディアを生み出すきっかけになることもあります。例えば、板海苔の作り方は、紙のすき方からヒントを得ていると言われています。まったく関係のない、紙のすき方と海苔と結びついて現在の板海苔ができているなんて、どんな情報も侮れないと思いませんか?

肥料となる情報は多ければ多い方がよい

第二段階 情報の理解・深堀、関連性探し

集めてきた情報注意深く観察して、情報の関連性を見つけだします。例えば、銅という情報があった場合、銅は金属という情報だけでなく、抗菌性がある、熱伝導率が高い、加工しやすい、劣化しにくい、という風に広げて、他との関連性をみてみる。さまざまな角度から、情報を広げるようこころがけてみてはどうでしょうか。
ブレストやKJ法などは、関連性を見つける手助けとして使えます。また、この段階で、いくつかアイディアが生まれてくることがあります。
(この段階が一番ハードに脳を使うと思います。)

土壌を耕すように、情報を混ぜたりグルーピングしたりして関連性を探る
関連性を探す中でアイディアの芽がいくつか出てくることがあるので、それはメモしておく

第三段階 リラックス

ここまで猛烈に考えてきた内容を、一歩引いてみてみる。完全にアイディアを出すことを忘れてしまうのではなく、なんとなく心のどこかに引っかかっている状態がいいと思います。ただ、必死に机に向かって考えるのではなく、リラックスしていることが大事です。
だいたい、こんな時がおすすめです→お風呂に入っているとき、散歩中、買い物中、寝る直前布団の中にいるとき、TV・雑誌を見ているとき、エクセサイズ中、トイレの中、、、

第四段階 アイディアが生まれてくる(結びつく)瞬間

実はこの段階が私は2パターンあると思います。一つ目は、ぼんやり考えているだけなのに、いきなりアイディアが浮かび上がってくるパターン。(目を閉じて布団に入っているときなど)
二つ目は、偶然目にしたものが刺激になって、アイディアが結びつくパターン。(買い物をしてるときなど)

パターン2のイメージ 偶然の刺激でいきなりアイディアの芽がでる

<私の経験談>
大学3年のとき、3日間しか猶予のない課題で「新しい照明器具のデザイン」のアイディアを考えていた時のことです。2日目の午後になっても、アイディアが浮かばず、非常に焦っていました。プレゼンまであと10時間くらいに迫っていたと思います。深夜まで考えても何も浮かばず、どうしようもなくて一度ベットに寝転んでぼんやりしてました。そのき、カーテンが風に揺れるのをみて「これだ!」と閃きました!
次の日「風で音が鳴るたび光るー風鈴型の照明」をみんなのまえでプレゼンし、クラスメイトの人気デザイン投票で一番票を集めることができたのです。(それまでの課題では、票が集まらなかったのに)

第五段階 アイディアの吟味、展開

ここで、せっかく出てきたアイディアを厳しく吟味していきます。類似品がないか?本当に有用性があるのか?
もし、この段階でダメだと思っても、そのアイディアを人に話してみるといいかもしれません。いいアイディアは他の人が突破口を見つけてくれる場合もあります。
この吟味をくぐりぬけたアイディアを、今度は実用化にむけてどんどん展開していきましょう!

冷静な目でアイディアを観察

どうしてもアイディアが出ないときは?

以上がヤング氏の書いた著書をもとに私が解釈した内容ですが、どうしてもアイディアに行き詰まるときがあると思います。そういう時の私のおすすめの方法は、あえて条件を足してみる。例えば、ユーザーが子供だったらどうだろうか? 学校で使うのもだったらどうだろうか? 夏限定で使うものだったらどうだろうか? など。

柵を作って状況をあえて限定してみる

〈私の体験談〉
吉野地方の木材を利用したプロダクトのデザインコンペで、どうしてもアイディアが出なかったときのことです。木材といえば、家具デザインのイメージがあったのですが、私は家具デザインを本格的にしたこがなく、自信がありませんでした。いろいろ考えたあと、「自信がない家具をデザインするよりも、いっそ自分の知識でできるものを作ろう」と思いたちました。そしてできたのが、吉野の風土や文化、歴史を題材にした板カルタ「吉野物語」です。ありがたいことに、コンペで審査員特別賞をいただきました。あえてアイディアを出す方向を限定したことがよかったと思います。

吉野の風土や文化、歴史を題材にした板カルタ「吉野物語」
吉野の歴史・風土を題材にしている

もう一つの方法として、常識を疑う。例えば、スイカは丸いけど、四角かったらどうだろう?→転がらなくて案外いいかも!など、、

また、新しい技術・素材・発見があったときはチャンスだと思います。新しい要素が加わることで、関連性がよりたくさん生まれるからです。例えば、今までスピーカーは大きくて重かったけど、新技術で小さくて軽くなった→気軽に携帯できるから、キャンプに持っていくスピーカーを作ろう!など、、

最後に

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。『アイディアのつくり方』に自分の解釈や経験談を入れて書いてみました。参考になったという方がいらっしゃったら大変うれしいです。
伝えられていない部分も多いと思うので、ぜひ気になった方は『アイディアのつくり方』を読んでみてください。(ちなみに上の写真には写っていませんが、この本の帯のキャッチコピーがすばらしいです!実物で確認してみてください)

*プロダクトデザイン1年生へは、プロダクトデザイン以外の職業の方にも身近に感じてもらいたくて、基礎的な事をわかりやすいように書いています(プロダクトデザイン1年生の教科書のような!)。私自身初心を忘れないためにも、1年生という言葉を使っています。コメント、スキいただけると今後の励みになります。よろしくお願いします。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?