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雑談チャットボットのキャラクターを魅力的にするには?(認知させるまで)

この記事では,雑談チャットボット(1対1の対話方式)で,キャラクターを魅力的にするための第一歩,認知機会を得る方法を考えます.以下チャットボットと言ったら雑談チャットボットのことを指します.

記事のサマリ

  • チャットボットのキャラクターが魅力的かどうか以前に,キャラクター認知の機会が足りない.

  • 認知機会を増やすためには,日常生活に入り込むのが良さそう.


ヒトがキャラクターを「魅力的に」思ってる

「キャラクターを魅力的にする」という言葉,キャラが良すぎて延々会話してしまうという場面をイメージしますが,「魅力的」を辞書を引けば「〘形動〙 人の心をひきつけるような力のあるさま。」となるように,そこにはキャラクターだけではなく会話するヒトがいる.そして「魅力的」なのはヒトの主観であることを忘れてはいけません.「魅力的」をキャラクターが持っている性質と捉えると,キャラクター設定,会話の語尾,容姿などを深く追求してしまいます.しかしキャラクターをいくら深めても,そこから「人の心をひきつける」状態を作り上げるのは難しいでしょう.だって会話するヒトの心を考えてないのですから.

魅力を感じるのは,ストーリーの中で認知するところからはじまる

ではヒトがチャットボットに魅力を感じるにはどうしたらいいのでしょうか.これについてですが,ヒトがキャラクターにはじめから魅力を感じるのは無理です.「映画や小説では魅力的なキャラクターがいるじゃん!」と思うかもしれませんが,それは魅力的なキャラクターになったきっかけであるストーリーの存在を意識していないからでしょう.映画の作り方を考えればわかりやすいですよね.映画ではストーリーによるキャラクター認知は欠かすことが出来ません.

チャットボットはストーリーがないので,認知すらしてもらえない

ではチャットボットの場合はどうでしょうか.チャットボットをいざ使い始めてみると,何を話せばいいのかわからない・聞きたいこともない,となったことはあると思います.これは当たり前で,映画のようにボーっとしてれば勝手にストーリーがはじまってキャラクターが認知され,ついには魅力的になっていく,といったこともないわけです.本来制作側が与えてくれるはずのストーリーをユーザーに作れと言われても,そりゃ難しいですよね.これってヒトとヒトの会話でも当てはまる話で,急に知らないヒトが出てきて,そのヒトを魅力的だと思えるなんてそうそうないわけです.そしてチャットボットの場合,キャラクターを知るストーリーがないため,キャラクターを魅力的だと感じる以前に,大半は少し触ってすぐに使われなくなり,認知機会も失ってしまう可能性が高いです.

ストーリーによる認知の代替手段=日常生活へ入り込む

しかしながらチャットボットのキャラクターでも認知機会を十分な時間作ることは可能だと思います.映画の場合,ストーリーを踏み台にしてキャラクターを魅力的に感じさせますが,その逆に,キャラクターを日常生活に入り込ませるわけです.普段ヒトがおこなっている行動を,キャラクターを仲介または代替させることで,日常生活でのヒトとキャラクターとの単純接触回数を上げる,これならチャットボットでもできそうな可能性はあります.

雑談のためだけのチャットボットにしない

つまりチャットボットの認知機会を稼ぐためには,雑談させるために出すのではなく,日常生活の中で使われるものとして出し,それによって単純接触を増やす.たとえば部屋の電気を消す・音楽をつけるなど,現在スマートスピーカーでやられている行為などがそれに相当します.代替・仲介機能によってもたらされるメリットを考える必要はありますが,ここで認知機会を得たならば,チャットボットに興味を抱かせる次のフェーズに進めそうですね.

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