裁判を蛇がしただなんて(全1回)


今日は今から1400年くらいも前の日本の飛鳥(あすか)時代のお話し。
その頃の中国は隋(ずい)という国だったんだ。その頃、隋の人たちが日本に来ていたんだね。その時のことが「随書倭国伝」(ずいしょわこくでん)という古い古い書物として中国に残ているんだって。

ポンと昔。
飛鳥時代のことさ。飛鳥時代ってのはね、聖徳太子(しょうとくたいし)が生まれた頃から奈良に都が移った710年の頃までを言うんだよ。聖徳太子は574年に用明天皇(ようめいてんのう)の子供として生まれたから、140年間くらいの事をいうんだね。その頃中国は隋(ずい)という国だった。日本に来た隋の人たちが日本で見た面白かったことをいろいろ書いておいたんだね。それが随書倭国伝というのさ。それにはね、こんなことが書いてあったんだ。

日本人は皆素直で優雅な者たちで、女の人たちが多いようでした。結婚は好きな者どおしですることができて、その結婚式には女の人が火をまたいで夫の家に入っていくのです。
悪いことをした人については、人を殺したり、人に怪我を負わせたりすると、死刑にされました。泥棒は盗んだものを返すか、もし返せなかったら奴隷(どれい)にされました。それでなかったら、内々の罰がありました。
また裁判も行われていました。嘘をついているかいないかは、沸騰したお湯の中に沈めてある小石を取らせて手が火傷(やけど)するかどうかで、それが本当か嘘かを決めました。また、他の方法には甕(かめ)といわれている桶の中に蛇を入れておいて、その蛇を取り出させるのです。嘘を言っている者は手を噛まれるというのです。またお正月には皆でお酒を飲んだり囲碁(いご)やサイコロを振って遊んでいました。なぜ阿蘇山は火を吹いているのかと誰もが不思議に思っていました。

こんなことが書いてあるんだって。結婚式にはお嫁さんが火をまたぐって、ちょっと怖いね。人を殺したりすると死刑があるのはこの頃だったんだね。でも、嘘をついたかつかないかを蛇が噛むか噛まないで決めるなんて、そりゃあないよね。囲碁や双六(すごろく)はこんな昔からあったんだ。長い歴史を持ったゲームなんだね。

この隋書倭国伝で日本の昔の様子が分かるから、もっともっと読んでみたいね。

さぁ、お休み。ポン!

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