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多文化国際交流会 @南永田団地(横浜市南区)

お互いが知り合うきっかけに
 1960年代から70年代、盛んに建設が行われた「団地」。建設から約50年の年月が経った現在、団地に暮らす外国人の人々が全国的に増えています。横浜市南区にある南永田団地もそのような団地の1つです。南永田団地では、単身で入居する中国人や会社の借り上げ住宅として入居するインド人の人数が多いことが特徴です。他にもフィリピン、バングラデシュなど様々な国の人々が暮らしており、団地の在住人数の約1割弱が外国人となっています(2021年3月現在)。団地での外国人入居者増加に伴い、日本人入居者とのコミュニケーションやお互いの生活習慣に関する理解と協力が重要になってきます。

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 このような各団地の課題に取り組むため、団地の管理を担っている株式会社URコミュニティ(以下、URコミュニティ)横浜住まいセンターでは、団地管理から一歩踏み込み団地でのコミュニティ形成支援活動にも取り組んでいます。団地自治会の支援のほか、例えばサークル活動の立ち上がり支援などは、入居者の誰もが楽しく参加できるテーマを選び、将来的な自立活動を目指して取り組んでいます。また、URコミュニティ社員が積極的に団地入居者と接点を持つことで、入居者の安心・安全の確保とともに、困りごとが大きな問題になる前に解決することを目標としています。
 団地内では、コミュニティカフェ「サロンほっとサライ」を運営するNPO法人法人永田みなみ台ほっとサライ(以下、ほっとサライ)が団地入居者同士のカフェを通じたつながりづくりを目標に活動しています。
 この春、URコミュニティとほっとサライが協力し、「多文化国際交流会」が開催されました(2021年3月27日)。団地に住んでいる外国人のみなさんと日本人のみなさんが顔見知りになり、日常生活でも挨拶を交わすことができるきっかけとなること、コミュニティカフェ「ほっとサライ」に足を運んでもらい交流を深めることができる関係となれることを目指した企画です。この交流会に、当協会が受託運営するみなみ市民活動・多文化共生ラウンジ(以下、みなみラウンジ)も通訳や進行などで協力参加しました。

桜の花が満開となった3月27日、青空のもとで「多文化国際交流会」は開催されました。会場は団地内の広場です。交流会準備中から、団地入居者の方が何人か集まってくれました。通りがかった人も何をするのか興味を持って近づいて来ます。「これから多文化国際交流会をします。ぜひ、参加してください」とみなみラウンジの王がみなさんに呼びかけます。
 10:00になり、UR横浜住まいセンター ウェルフェア業務課長の荒尾さんの司会進行で交流会が始まりました。交流会では、日本人のみなさんも外国人のみなさんもお互いのことを理解し、共に楽しむことができるような企画作りが心がけられています。最初に、受付で渡した自己紹介シートをもとに参加者全員が自己紹介をしました。名前、出身地、南永田台団地在住歴、好きな日本料理、趣味を参加者が順番に話していきます。出身地が横浜市以外の人も多いことや、南永田台団地に長く住んでいることを聞いた参加者から感嘆の声が聞こえてきました。
 自己紹介の後は、外国から来たみなさんによる母国紹介の時間です。中国出身の温さん、バングラデシュ出身のナハさんが母国語での挨拶や、母国の様子を用意した資料を見せながら説明しました。同じ地域に住む外国人のみなさんの母国の話に、参加者全員が興味をもって聞いていました。

外国の話を聞いた後は、日本人から日本文化紹介の時間です。みんなで折り鶴に挑戦です。日本人も外国人も説明書を見ながら一緒に鶴を折ってみました。また、日本の食文化を外国出身のみなさんに楽しんでもらいたいという思いから、ほっとサライのみなさんによる手作りの和菓子とお茶が振舞われました。イスラム教徒であるバングラデシュ出身のみなさんはお菓子の材料について気にしていたのですが、材料について説明を聞き食べても大丈夫であることがわかると安心してお茶とお菓子を楽しむことができたようです。
 今回の交流会で出会ったことをきっかけに、同じ地域に住む日本人、外国人が日ごろから挨拶を交わすことができるようになり、お互いの文化や考えを理解し合いながら暮らしていくことができることが交流会を開催したURコミュニティ横浜住まいセンター、サロンほっとサライ、みなみラウンジの願いです。

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開催者からのメッセージ 

URコミュニティ
株式会社URコミュニティ横浜住まいセンターに2020年度ウェルフェア業務課が発足し、コミュニティ形成支援活動を開始しました。様々な世代が生き生きと安心して暮らし続けていただくための活動を模索中です。自ら積極的に団地入居者のみなさんの中へ入って行きたいと考えています。様々な活動を通して、問題が起きる前に解決できること、そして入居者の「あたりまえ」の日常を支えることを目指しています。新しく立ち上がった部署で、手探りで進めているところですが、みなさんに喜んでいただける活動ができたら幸いです。
株式会社URコミュニティ 
横浜住まいセンター ウェルフェア業務課課長 荒尾 栄二 さん

URコミュニティ

株式会社URコミュニティ 
横浜住まいセンター ウェルフェア業務課 
荒尾 さん、宇佐美 さん、長野 さん(左から)

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ほっとサライ
NPO法人永田みなみ台ほっとサライでは、南永田団地と周辺のコミュニティ拠点「サロンほっとサライ」を運営しています。「サロンほっとサライ」では火曜日と金曜日にワンコインで食べていただけるランチを提供する他、地域のみなさんにつながっていただけるイベントを企画しています。
地域のみなさんの居場所として、多くの方に来ていただきたいと思っています。外国人のみなさんもぜひサロンに立ち寄ってください。お待ちしています!

NPO法人永田みなみ台ほっとサライ
理事長 香西 玲子 さん

ほっとサライ

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みなみラウンジ
みなみ市民活動・多文化共生ラウンジで多文化コーディネーターをしている王です。私の幼少時代はいろんな民族が居住する地域で過ごしました。小さい時からいろんな文化があるなと感じながら育った私は、このような「交流会」にたくさん参加したいと思っています。皆さまとお会いできることをとても楽しみにしてます♪
みなみ市民活動・多文化共生ラウンジ 王 慶紅

みなみ市民活動・多文化共生ラウンジ地域コーディネーターの趙と申します。日本に来て19年になりましたが、南永田団地のこと初めて知りました。
団地の広さと景色に魅了されました。このような団地で多国籍交流会を開催することとても有意義なことです。是非交流会を通じて、より良いコミュニティづくり出来ればと存じます。
みなみ市民活動・多文化共生ラウンジ 趙 春梁

王さん趙さん

みなみ市民活動・多文化共生ラウンジ 王(左側)趙(右側)

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