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「金融システム」ってなに?(そもそも経済#15)
SVBの破綻やクレディスイスの経営不安で、「金融システム」という言葉がよく使われるようになりました。
なんとなくわかりそうで、つかみどころのない表現かもしれません。というわけで、金融システムってどういうものなのか、ザックリつかめるように、簡潔に解説します。
金融になじみのない方はこれを読めば、最近のニュースの本質が少しみえやすくなると思います。
GAFAM決算 曲がり角
きょうは、おとといでそろったGAFAM決算まとめです。ほんとうは金曜のうちに配信したかったのですが、作業時間の捻出に苦労していまして、日曜になりました。
その分、数日たっても(数週間後でも)読みやすい内容に仕立てました。少し長い目での全体感や各社の動向をコンパクトにまとめたので、テック業界や米国株に関心のない方にも「へ~」と感じていただけるかと思います。
で、タイトルに「曲がり角」といれたよう
米銀SVB株急落 なにが起きた?
まず株価チャート
米銀SVB Financial Groupの株価急落が3/9のNY市場で話題となりました。株価は1日で60%も下落、時間外取引ではさらに20%以上下落しました。
長めのチャートだとこんな感じ。コロナ直後の安値も一気に下回った形です。
SVB株急落はJP Morgan Chaseなど大手銀行の株安に連鎖し、米株全体にも逆風となりました。いったいなにがあったのか、今後の影響をみ
クレディスイス経営不安 なにが起きた?
スイスの大手銀行、クレディスイスが世界の金融市場の話題の中心になってきました。この記事を流す直前まで、米CNBCの映像を流していましたが、話題の大半がクレディスイスでした。
まずは株価チャート。3/15に24%安と急落しました。
というわけで、何が起きているかを簡潔に解説していきます。
UBSがクレディスイスを買収
日本時間3/20(月)早朝、UBSがクレディスイスを買収したと発表しました。グローバルに展開するスイスの二大金融機関の統合です。
経営不安が強まっていたクレディスイスは先週、預金流出や株価急落が強まっていました。米銀SVBの破綻など、世界的に金融システムへの警戒も広がるなか、スイスの中央銀行や金融当局主導で、急展開の大型再編が進みました。
決定内容や今後のポイントをコンパクトに整理します。
よくわかる黒田日銀① 2%目標
「日銀」という言葉がニュースにでる日が増えています。
いくつか理由があります。
円安の一因は日銀の金融緩和
金融緩和の柱であるYCCの修正観測
総裁人事の本格化
黒田総裁就任からまもなく10年。そして、この年末年始には次期総裁の人選が大詰めを迎えます(就任は来年春)。
日銀について断片的な知識はあっても、この10年間の全体像や、今後の焦点までは理解が追いつかないという方も多いかと思いま
米景況感 予想外の改善 → 株安に
W杯 日本ークロアチア戦は残念でしたね。キックオフのころに発表されたISM非製造業指数は下記の通り、市場予想をかなり上回り、前月比でも改善しました。
この指標は、ISM(サプライマネジメント協会)が企業に聞き取った景況感。速報性が高く、いまのように景気の現状が読みづらいときには特に注目されます。先週発表された製造業版の解説は👇です。
「前月比で改善したか」を指数化した数字で、「50以下」だと
米経済の「いま」がわかる ベージュブックまとめ
FRBは今週、ベージュブックを公表しました。これは全米12の地区連銀が企業などへのヒアリングをFOMCの2週間ほど前にまとめるもの。FOMCの政策判断にも影響します。
経済のイマを知るには経済指標だけではなく、ヒアリングなど定性的な情報も重要です。特に最近のような不透明な情勢ではなおさらです。
なによりFRB自身が経済指標だけでなく、下記の定性情報を金融政策の重要な判断材料に位置づけています。
日本も40年ぶりインフレ いつ収まる?
けさ発表の日本の10月CPI(消費者物価指数)。下記の通り、40年ぶりの高騰を記録しました。
noteでは今回のCPIの中身を詳しくみるとともに、いつ収まるのか、最後に少しだけ、今回の物価高騰下の賢い支出の仕方についてお話しします。
Bitcoin急落 なにが起きた?
まずBitcoinのチャートから
1日あまりで20%以上も急落。1年前の高値と比べると4分の1になりました。最近、Bitcoinはあまり派手な値動きをしなくなっていたのですが、一変しました。
なにが起こったのか――。暗号資産になじみのない方にもわかるようザックリ整理します。
FRB入門#5 逆イールド
【注】7/26配信の記事をもとに、9/15時点の状況を踏まえ上書きしました
前回、「逆イールド」とはなにか、なぜ「景気後退(リセッション)の兆候」とされるかを説明しました。今回は過去の逆イールド局面も簡単に振り返ります。
上記は1987年以降の長期チャートです。緑のシャドーが「景気後退(リセッション)」(NBERベース)です。そして赤丸が「2年-10年」の逆イールド。いずれも景気後退の少し前に
FRB入門 #3 そもそも10年債って?
10年物国債。いろいろある国債のなかでも主役といえ、マーケット報道でよく耳にします。「10」がキリの数字ということもありますが、それ以外にも注目される理由があります。そこを理解すると、「金利と株価の関係」や「イールドカーブ」など債券市場の重要な概念もかなりわかってくるようになります。
前回、3カ月物国債や2年物国債の金利は今後のFRBの政策金利の予想でほぼ決まると説明しました(👇リンク)
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FRB入門 #2 利上げと国債金利
前回、中央銀行の「利上げ」は「銀行間の短期金利の引き上げ」と伝えました。一方、最近の報道では「米国債金利」「米長期金利」という言葉も報道でよく目にすると思います。今回のテーマは短期金利と長期金利の関係。少し複雑ですが、ここを理解すると景気や株価との関係も一気にわかりやすくなります。
国債金利と銀行間金利カードローンや住宅ローンに返済期日があるように国債も3カ月債や30年債など様々な種類があります