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「春」が教えてくれること―季節×身体×養生の話

各地で桜の満開を迎え、まさに「ニッポンの春」真っただ中ですね。
陽気もよくて気分もウキウキ・・・なのですが
私は昔から季節の変わり目に体調を崩しやすく、特に「春」が苦手でした。

理由は「なんだかイライラする」から。

それって「春」と関係あるの? たまたまじゃない? と思われるかもしれませんが、実はこれ、春にありがちな不調のひとつです。
そう、季節と体調には大きな相関関係があるのです。

皆さんは、最近こんな症状ありませんか?

たとえば・・・
☑感情のコントロールができず、イライラして怒りっぽくなる
☑のぼせやすく、頭痛やめまいがする
☑寝つきが悪く、睡眠不足になりがち
☑目の疲れ、ドライアイ、視力低下など目のトラブルが多くなる
☑食欲が暴走して、ストレス食べをしてしまう

「あるある、普通に」という方も多いかもしれません。こうした症状を東洋医学では「春」に由来する不調と捉えます。

今回は、「春」が私たちの身体に与える影響について見ていきます。



ステップ1 「春」を分解してみよう

そもそも、「春」はどんな季節なのでしょうか。

 「春」は、超・目まぐるしい

東洋医学の視点でみると「春」は、冬(陰)から夏(陽)に向かって少しずつ陽気が高まり、1年の中で最も「上昇エネルギー」に満ちた時期です。
冬ごもりの虫がうごめきだし、新芽が出て、花が咲き、身の回りの自然もキラキラ&イキイキと輝き始めますよね。

一方、天候は「三寒四温」で気温や気圧のアップダウンが大きく、春一番にあおられたり、花粉や黄砂が吹き荒れたり、自然のダイナミックな変化に振り回されやすい時期です。

さらに、現代の「春」はライフスタイルの変わり目でもあります。卒入学、転勤、新年度。新しい出会いや交流も増えるのではないでしょうか。

つまり、「春」は超・目まぐるしい。こうした様々な変化に対応しようと、身体は知らず知らずのうちに交感神経優位になりやすく、疲れやだるさをため込みやすくなっているのです。

春の始まりである立春から春分の頃までを「木の芽時」といいます。昔からこの時期には体調を崩す人が多いと言われています

 「春」の身体は「肝」が主役

そんな目まぐるしい「春」は、身体にどのような影響を与えるのでしょうか。東洋医学の「五行色体表」をチェックしてみましょう。表は、縦の列がひとつのグループになっています。

「五行色体表」臓器と季節の関係や症状などを関連付けて、
不調の原因やケアの方法をまとめた分類方法です。


なんのこっちゃ・・・という思いは抑えて)
「春」が属するグループをざっくり見てみましょう。一番上に「肝」とありますね。いろいろな臓器の中でも、春の不調は肝に出ますよ、という意味です。不調になると「目」や「爪」に現れ、「怒り」の感情が起こりやすい・・・などとまとめられています。

五行は「木」です。木々がぐんぐんと上に伸びていくイメージですね。人間も自然の一部ですから、私たち自身も特に「春」は伸びやかに、健やかに過ごすことがベストなわけです。

でも、そう簡単にはいかないのが人生

なんせ春は「超・目まぐるしい」。気候やライフスタイルの変化は少なからずストレスを生むので、うまく発散できないと「ちょっとした我慢」「何となく閉塞感」が積み上がり、自律神経系(ストレスコントロール)を司る「肝」を直撃します。

すると、肝に溜まった熱が上昇して頭に停滞してのぼせや頭痛を引き起こし、感情は「イライラ」モードに! 怒りの興奮状態は不眠にもつながります。

肝が担う機能はこれだけではありません。造血(血を貯めて全身の血流量を調節)が滞ると末端まで気血が行きわたらず、目のトラブルなどにつながってしまうのです。

養生ダイエットでは、こうした悪循環が「ストレス食べ」など食の暴走につながり、陰陽バランスが崩れた太さになるとお伝えしています。


ステップ2  「春」対策を実践してみよう

それでは、春を伸びやかに過ごすためにはどうすればいいのでしょうか。おすすめの過ごし方・対策方法をご紹介します。

 養生~食べ物の見直し

肝は解毒作用も担うため、消化や解毒に負担がかかる食品は特に避けたいところです。具体的には、肉類、揚げ物などの脂っこいもの、添加物、乳製品、アルコールなど。養生ダイエットではNG食材として頻出する王道のラインナップです。ダイエットの敵=肝の敵であることがよく分かりますね。

★おすすめ食材★
春に旬を迎える葉野菜や山菜、青魚などは、肝の高ぶりをおさえてくれます。葉野菜は生食だと冷えて「陰」に傾くので、加熱してからいただくのがおすすめ。五臓を補う「酸」は、柑橘系やレモンなどで少量(大匙1程度でOK)を取り入れます。肝にダイレクトに効くハブ茶もおすすめです。

薬膳では気を巡らせる「疏肝」、肝の血を補う「補血」などの食材を推奨しています。いつもの食事にプラスしてみてはいかがでしょうか。

「疏肝」に良い食材・・・三つ葉、あけび、チャービル、きんかん
「補血」に良い食材・・・パセリ、黒豆、ほうれんそう
「養肝」に良い食材・・・しいたけ生・干など

 毎日「12時間断食」

食事の間隔をしっかり空けると、肝をはじめとした内蔵全般の休憩&回復につながります。「14時間断食」、「2日間ベジタリアン」もおすすめです。

 手軽にリラックスタイム

・まずは深呼吸でリラックス! 伸びやかに広がる樹木のごとく、両手を大きく伸ばしてフレッシュな空気を全身に送り込みましょう。

・自律神経で働く「目」は、特に不調が表れやすい器官です。小豆のアイマスク、ホットタオルなどで優しく目もとを癒しましょう。

・ぐっすり睡眠。血液は就寝時に蓄えられるので、7時間以上の睡眠で肝の造血機能をサポートしましょう。

帽子をぬぐ、まとめ髪をほどく。ちょっとした抑圧感が解消できます。

 マインドセット(受け止める心)

「季節の移ろい」という、抗いようのない大きな流れの中にある私たち。特に春はストレスを感じやすい時期だと受け流す気持ちも大切です。

以前は私も「イライラは性分」と半ばあきらめていましたが、「春」によくある一般的な症状だと知り、とても気が楽になりました。

もちろん今でもイライラはあります。でも、「春だしね、私だけじゃないし」と開き直ることで、無用なストレスから解放されました。自分の中では、とても大きな変化です。

大自然の法則に抗うことはできない。自然の法則に従って生きることが、最も健康で幸福な生活を送る秘訣だ。(ルイ・パスツール)

〇最後に、ChatGPTに聞いてみました

Q:四季の自然エネルギーの変化を上手にやり過ごすコツやヒントを、中学生にもわかるように、ユーモアを交えて簡潔に説明してください。

A:ポイントは「自然とタッグを組む」こと! 春はイライラせずに体を活発に、夏はクールに水分補給、秋は美味しい食べ物で気分をリフレッシュ、冬はぬくぬく暖かく過ごそう! 自然と一緒にリズムを合わせれば、季節の変化も楽しめるよ!

いかがでしたでしょうか?
季節はもうすぐ春の土用(4月16日)。立夏を経て梅雨、猛暑とハードな季節が巡ってきます。「何となく不調」に見舞われた時は、ぜひ季節の養生を取り入れてみてください。
苦手な季節が、例年よりもラクに過ごせることを心よりお祈りしています。


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