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Звезда по имени Солнце (Виктор Цой) / 太陽という名の星 (ヴィクトル・ツォイ)


Белый снег, серый лед
白い雪 灰色の氷

На растрескавшейся земле.
ひび割れた大地を覆う

Одеялом лоскутным на ней –
 
継ぎ接ぎのような その大地に
Город в дорожной петле.
環状道路に囲まれた 町がある

А над городом плывут облака,
その町の上では

Закрывая небесный свет.
天の光を隠す 雲が泳ぎ
А над городом – желтый дым,
黄色い煙が 揺蕩うのだ
Городу две тысячи лет,
二千年間

Прожитых под светом 
町も 人々も
Звезды по имени Солнце.
太陽という名の星の光の下に

И две тысячи лет – война,
そして 二千年間の戦争

Война без особых причин.
特に理由もない戦争があった

Война – дело молодых,
戦争とは ―― 若者のものである

Лекарство против морщин.
老いないための薬である   (注1)
Красная, красная кровь –
赤い 赤い血

Через час уже просто земля,
一時間後にはもう ただの地面

Через два на ней цветы и трава,
二時間後には 草花が芽生え

Через три она снова жива
三時間後には 大地が息を吹き返す

И согрета лучами Звезды
そして それを温めるのは   (注2)

По имени Солнце.
太陽という名の星の光

И мы знаем, 
そして我々は知っているのだ
Что так было всегда,
いつもそうだったことを

Что судьбою больше любим,
運命がより愛するのは

Кто живет по законам другим
他者とは異なる掟で生き
て
И кому умирать молодым.
若くして死ぬ定めの者だということを

Он не помнит 
彼は覚えていないから
Cлово «да» и слово «нет»,
「はい」という言葉も 「いいえ」という言葉も

Он не помнит 
彼は覚えていないから
Ни чинов, ни имен.
地位も名声も

И способен дотянуться до звезд,
そして彼は星へ手が届くのだ

Не считая, что это сон,
それを夢だとも思わずに

И упасть, опаленным
そして落ちるのだ
Звездой
 по имени Солнце.
太陽という名の星に焼かれて   (注3)

注1: лекарство против морщин — 直訳すると「シワ防止薬」。単純に戦場での刺激が老化防止の効果を持つという意味なのか、あるいは「戦死すればそれ以上老いることもない」という解釈も可能か。

注2: И согрета лучами Звезды по имени Солнце — 原文では述語がсогрета (温められた)だが、韻は「太陽という名の星」で終わっているため、本日本語訳でもなるべく韻をそろえることを優先した。 

注3: И упасть, опаленным Звездой по имени Солнце — 他の日本語訳ではこの箇所を、「焼け焦げた星」と訳していた。しかし原文でопаленнымは造格男性系変化、Звездойは造格女性形変化であり、修飾関係ではない。〔被動形動詞+名詞造格: ~によって~される〕の構文から理解すると、焼けているのは星ではなくон=彼であるため、「太陽という名の星によって焼かれた状態で彼は落下する」と解釈するほうが原文の構造をより正確に表していると考える。


ツォイは暗い曲が多いので最近は聞いてなかったが、今の時世をよく風刺しているこの曲がシャッフルで流れてきたときに心にくるものがあった。この時代から進歩していない、むしろ退化している面もあることを考えると、ツォイも草葉の陰で怒っているに違いない。


参考:
先駆者様の日本語訳動画 
ツォイについて  紹介記事
        日本語wiki

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