喜多流職分会2004年10月自主公演
狂言「鎌腹」
シテ・山本則俊
アド・山本則秀
アド・遠藤博義
狂言「鎌腹」の充実感はとてつもない。山本則俊さんの狂言を拝見していると、自分がとてつもなく 貴重な舞台に接しているのだという思いを強く抱く。全体の構成、細部の仕上げ、どこをとっても 最高度に完成された芸術品なのだ。緩むことのない、見所にとっては心地良くさえある緊張感。 無駄なく、完璧に均整のとれたかたちとことば。(小道具の扱いさえ、疎かにならないのだ。) そして、その裡から溢れ出てくる諧謔味。山本家の狂言は、型の