サブスクリプションで考える企業 -Freee 後半 カスタマーサービス+カスタマーサクセス

では後半の2つをやっつけてしまいます。

②カスタマーサービス ★★★★☆

Freeeのカスタマーサービスは他社と比べると早いです。

Freeeのアップデート情報は公式ブログで公表されており、履歴を確認することができます。

キャプチャ

この情報を見る限り、たいていの場合は1か月に2度(月初と月中)でアプリの更新をしており、内容としてもユーザーからの指摘事項の更新や、直近では軽減税率のようなお上の対策も取り入れています。

一度アプリを手に取ってもらった人に継続的に使い続けてもらうためには、アプリが常に最新の状態でなければならないということを考えれば、この更新速度は納得ですが、なかなかベンチャーとは言え、上場企業でここまでのスピードを保っている会社は少ないです。

プロダクトアップデートを見せる方法としては、本来一覧でまとめるべきであり、何月何日にこういった内容を更新しましたということは使用している人にとっては無駄です。この点、何を更新したかがわかりにくくなっているので、☆を一つ外しておりますが、対応としては優れているといえると思います。


③カスタマーサクセス ★★★☆☆

カスタマーサービスが守りとすれば、カスタマーサクセスは攻めです。

カスタマーサービスでは、一度契約した人が継続的に止めないための方策を増やしていくのに対して、カスタマーサクセスでは新しく参入する人がより魅力的に、また一度契約した人がFreee漬けになるための施策です。

ここから見ると、

・銀行などの金融機関や経営分析管理ソフト会社との連携を強める

・人事労務ソフトも提供することでより、ERP化をする

といったことはカスタマーサクセスに値します。よりサービスを向上しているためです。ただし、連携の強化は当たり前なので一部カスタマーサービスともいえる面が出てきているかもしれません。同じようなことをMoneyFowardもしているということ考えればわかると思います。

一方で、最近のFreeeはカスタマーサクセスに力を入れていない状態になっています。

基本的には他社とのAPI連携を強めるばかりで、新しく革新的なサービスを世に生み出すということを停止してしまっているのです。

すなわち、Freeeのサービスには革新性が薄れているということになります。今後、同様のサービスが増えているということを考えると現状のままでいれば当然圧倒されてしまう可能性が高いので、本来であれば是非新規のサービスを願いたいところです。

まとめてみると

Freeeは、上場からすこし守りに転じているようです。もしかしたら水面下では新しいサービスに乗り出そうとしているのかもしれませんが、上場したことで得たはずの資金でさらなる採用や、新しく革新的なサービスを発表するということができていない状態であることを考えると、上場ゴールと疑われてしまっても仕方がない状態になっているのではないかと感じます。

Freeeのようなベンチャー企業は、日本が今後育っていくためには非常に重要ではありますが、個別銘柄としてサブスクリプション観点からみたときには、あと数か月以内に革新的なサービスが出て、Freeeのサブスクリプションに対するやる気を感じられなければ、サブスクリプションモデルを採用している意味がない会社であると判断してよいかもしれません。

いずれにしても上場間もないので、もう少し猶予期間はあってもよいかもしれませんが、上場=サービス革新性の停止となってしまっているように見える現状では、この会社を高く評価することができない状態です。

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