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KINTO vs Honda Monthly Owner

最近、Twitterに入っていると、結構広告が目につくKINTO。TVコマーシャルでもKINTOが宣伝されていて、多くの人が目にしたかもしれませんね。
KINTOはトヨタの車によるサブスクリプション型の新事業です。

https://ja.wikipedia.org/wiki/KINTO

 トヨタ自動車が提供する、トヨタ車・レクサス車を月額定額制で利用できる「愛車サブスクリプションサービス」のブランド名、運営会社の社名

ところで、あまり宣伝をしていないので有名ではありませんが、ホンダもサブスクリプションを始めていてHonda Monthly Ownerというものがあります。

今回は、サブスクリプション事業の比較ということで、サブスクリプションモデルとしてみたときにどちらが魅力的なのか?ということを見ていきたいと思います。

結論から言うと、

・KINTOはサブスクリプションではなく、ただのリース

・Honda Monthly Ownerは、中古車を活用したサブスクリプションモデル

しかしながら、Hondaにも問題があります。。。

KINTOの車両価格比較

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・月額定額
・任意保険も契約
・新車を3年ごとに乗り換え
・トヨタ(レクサス含む)車

ほかにも
・クレジットカードを利用可
・利用に応じてプレゼントがある

ということです。

例えばプリウスでシミュレーションしてみました。

・プリウス
・ツーリングセレクション
・ホワイトパールクリスタルシャイン
・スタンダードパッケージ(ナビなど)
・T-Connectナビ 7インチ
・ETC2.0ユニット (ビルトイン)ボイスタイプ
・その他の追加オプションなし

・個人
・ボーナス加算なし

・任意保険(対人・対物賠償責任保険:無制限、人身傷害:上限1名につき5,000万円、車両保険:上限規定損害金【自己負担額:1事故5万円】 等)
・ 自動車税、重量税、登録手続き費用等
・法定点検、定期点検、故障修理等

これで、58,300円(税込み)でした。

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58,300円 x 36 =2,098,800円としたいところですが、任意保険代があるのでこれを差っ引く必要がありますね。

適当に三井損保で見積をしてみたところ年額5万と出ましたので、3年間で15万円。

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ということは車両(税含む)でだいたい200万円というところでしょうか?

ちなみに同等条件のプリウスを新車で購入すると350万円ほどになります。

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ということは、トヨタはプリウスの3年落ちの価格を150万円で見ているということになります。


これを、カーリース会社で同様の設定でシミュレーションしたところ、35,000円ということでした。同様に36回払いです。

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35,000円 x 36 - 15万円(任意保険) = 110万円

ということは3年落ちの価格を250万円程度で見ていると。
グーネットなどで見るとちょっと強気の設定な気もしますが、あり得る価格に見えました。

KINTOの中途解約

さて、それでは、KINTOは何が売りで、契約すべきなのか?

サブスクリプションなので、途中解約できることですね。ただ、6か月ごとに設定されているうえ、追加で月額リース料を払う必要があります。要は違約金ですね。

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サブスクリプションといえば、自分が好きなタイミングで解約することができることが売りなので、サブスクリプション料金を追加で支払う必要があるのであれば、それはもはやサブスクリプションではありませんね。。。



では一方で、Honda Monthly Ownerはどうなのか?

Hondaは、税金やメンテナンス費用、自動車保険料などをワンパックにした最短1カ月から利用できる新たな月極定額モビリティサービス「Honda Monthly Owner(ホンダ マンスリー オーナー)」を、2020年1月28日に中古車で開始します。

月額利用料金は、税金やメンテナンス費用、自動車保険料などがすべて込みで29,800円(消費税10%込み)からの設定とし、燃料代と駐車場代(既に駐車場を所有している方は不要)のみの追加のご負担でご利用いただけます。支払いはクレジットカードを使用するため、従来のローンやリース契約時の時間のかかる契約書記入や審査はありません。

(Honda NewsReleaseより)

月額料金を見ると、同じタイプで考えると49,800円(税込み)ということになるのだと思います(FIT HYBRID 2017年式~)。

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ホンダの中古車を最短1ヵ月~最長11か月で利用可能です。急に必要なくなった場合も、解約金なしで返却可能。車に飽きたら違う車種に乗り換えも可能。

ということは1か月単位でのサブスクリプション料金以外かかることはありません。すなわち、これはサブスクリプションモデルということを言えるでしょう。

ただし、問題としては

車種が少ないということになります。

・N-Box(福祉車両含む)
・FIT HYBRID
・FREED HYBRID
・VEZEL HYBRID

しかないので、サブスクリプションとしての選ぶ際の選択肢が少ない。よって、この中で回すということを考えると、最初から中古車を購入したほうがよいということになってしまうでしょう。

よっぽど、たまたま車が半年くらい必要になったという場合でなければ、Honda Monthly Ownerを使う意味はないでしょう。。。


ということで、結論;

一応サブスクリプションとなっているのはHonda Monthly Ownerということがわかりましたが、メーカーによる(自称)サブスクリプションモデルは、あまり価値がないものだということがわかりました。

現在のカーシェアは使いにくい、レンタカーは高いのでサブスクリプションモデルがあれば利用してみたいと思っていた身としては、リースと変わらない、車種が少ないということなどのようなモデルとなっているのは非常に残念です。

車メーカーにもSaaSの考え方やカスタマーサクセスの考えが、身につくまでは時間がかかるのかもしれません。。。

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