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言葉の宝箱 0654【弱い人ほど強がって、平気なふりをするんですよ】


『鴨川食堂⑦もてなし』柏井壽(小学館文庫2020/6/10)


料理雑誌に掲載されている、「食捜します」の一行広告。
食にまつわる心に秘めた想いを胸に依頼人がたどり着くのは
京都にある看板のない食堂。
店主の鴨川流と娘のこいしが再現された思い出の料理で温かく迎えます。
認知症の父が母と一緒に食べたというビフテキ、
幼馴染みの母親が作ってくれた春巻、後悔が詰まったチキンライス、
亡き夫が食べたがっていた五目焼きそば、
料理人を目指す原点になったハムカツ、
料理をしない父がめずらしく作ってくれたちらし寿し。
今作では流と深い関わりのある“あの人”との過去も明らかに、
シリーズ第七弾。

第一話:『ビフテキ』認知症の父が交わした約束
第二話:『春巻』身勝手で淡い思い出
第三話:『チキンライス』おばちゃんに謝りたい
第四話:『五目焼きそば』あの頃に戻れたら
第五話:『ハムカツ』料理人の原点
第六話:『ちらし寿し』親の心子知らず!?

・歳月は人の姿を変える P13

・早くいい人を見つけて結婚しなさい。
夫婦というのはいいものだよ P62

・しあわせっちゅう言葉から、どんな絵を思い浮かべるか。
人それぞれや。みんながみんな、おなじ絵を描いたらつまらんがな P66

・しょせん人生はうたかた。どんな泡もいつかは消える。
生きとることが夢物語なんや P68

・ほんとうに美味しいものは、食べたあとに言葉など出ないのだ。
噛みしめながらそう思った P79

・人をだますより、だまされるほうがよろしいがな。
無責任な言い方に聞こえるかもしれまへんけど P183

・一面を見て決めつけまっけど、別の見方もせんとあかん P184

・人生の曲がり角で出会うた食いもんのことは一生記憶に残る。
食いもんの記憶は飛んでしもても、
それを食べたときの思いは死ぬまで忘れん(略)
それをもういっぺん食うことで、
そのときの気持ちをリセットできることもある P187

・美味しいものを食べながら、
美味しいねと言い合える相手がいないのは、
どれほどつらく寂しいことなのか P202

・食べるということは案外保守的なもので、
生まれ育ってきたなかで食べてきたものが違うと拒絶反応を示してしまう。それもしかし、ずっとおなじところで暮らすか、
各地を転々とするかによって大きく違ってくる P203

・涙は心の浄化装置 P236

・美味しいものを食べて機嫌が悪くなる人って、絶対いませんよね。
美味しいものを食べるとみんな笑顔になるし、
それはしあわせってことだと思うんです P265

・弱い人ほど強がって、平気なふりをするんですよ P286

・食いもんに決まりはおへん。
好きなもんを好きなように食べてもろたらよろしい P300

・意地張ってるんやない。余計なことを言わんようにしとるだけや P339

・ええ人ほど不器用なんや P342

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