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言葉の宝箱 0892【いつでも会えると思う人に対してはなかなか優しくなれない】

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『十三の墓標』内田康夫(双葉社1998/3/5)

「パパが、ママが、帰ってこないの」……
警視庁捜査一課、
岡部和雄警部の部下、坂口正二を五歳の姪が訪ねて訴えた。
姉夫婦に何が!?
不吉な予感に襲われる坂口に義兄が福島県郡山近郊の石川町で、
殺されて見つかったという悲報が届く。
現地に飛んだ坂口は和泉式部の研究者、吉川弘一から、
数日前に義兄を佐賀県有明町で目撃したという証言を得る。
二つの町には王朝の歌人和泉式部の史蹟があり、
義兄は失踪直前に「イズミ」という言葉を残していた。
事件の背景に和泉式部が関係しているのか!?
やがて姉も他殺体で発見され、
両親を喪った幼い姪のため、若き刑事は真相究明に乗り出した。
宮津線の余部鉄橋、天橋立股のぞき、猫啼温泉、母畑と
旅情豊かに展開する、岡部警部シリーズミステリ

・学問とは死との競争である P6

・人間は
いつでも会えると思う人に対してはなかなか優しくなれないものだ。
一期一会と思えば、ゆきずりの人にさえ懐かしさを覚えるというのに P104

・違和感にしろショックにしろ、人間の、
ことに大人は、常識という武器ですぐに平静を取り戻してしまう P124

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