言葉の宝箱 0110【可哀想かどうかを決めるのは、いつも傍観者よね】
幼い頃から自分に自信が持てず、
引っ込み思案で家族とも折り合いが悪く就職活動も失敗続きだった
智美は友人の紹介で、事情があって飼い主とは暮らせなくなった
犬を有料で預かる老犬ホームに勤めることになる。
時には身勝手とも思える理由で犬を預ける飼い主たちの真実を目の当たりにして複雑な思いを抱く智美は犬たちの姿に自らの孤独を重ねていく。
最期を飼い主の代わりに看取る老犬ホームを舞台に繰り広げられる物語。
・結婚イコール男に選ばれることだという、ひどい偏見 P42
・社会に出てみれば、
生きることは体育の授業でやらされたドッジボールのようなものだった。
どこからボールが飛んでくるかわからないのに、
ボールが当たればやたらに痛い。
ようやく受け止めて投げ返したかと思えば、
すかさず次のボールが飛んでくる。
それらをすべて受け止めて投げ返すなんて、智美にはとてもできない P48
・頑張り次第では、その行為は無謀でもなんでもなくなる。
間違ったか正しかったか、自分で決められることもある P65
・素直な子の方がなにかと得だけど、
人間、自分に向いてない行動は取れないものよ。
素直になれなけりゃ、それはそれでいいわ P119
・見捨てるのではなく、手放すのでもない。
迷いを迷いのままで置いておく P124
・信じられたらどんなにいいだろう P132
・可哀想かどうかを決めるのは、いつも傍観者よね P147
・無責任だって批判することは簡単だけど、
結局人がどのくらい重い荷物を背負うべきかなんて、
他人に決められることではないわよね P148
・どんな仕事でも痛みはある。
その痛みを感じる場所が、少し違うだけ P159
・犬は昨日を愛する生き物ね。
今日も昨日と一緒であればいいと思っている P169
・ふたつの愛情はあきらかに違うものなのに、
辿り着く場所はどちらも一緒なのだ P187
・なんでもできるように見える人だって、
どうすることもできない痛みを抱えているのだ P196
・特別なことはなくても、
変わらないことはそれだけでひとつの幸せだ P207
・感情を覆い隠した人と、親しく付き合うのは難しい P302
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