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会期中のこと

香月恵介 / Gray; Noumena #12, Gray; Noumena #11
香月恵介 / Gray; Noumena #12 / detail

会期中毎日この作品を見ている。もちろん他の出展作品も毎日見ているのだけど、この"Gray; Noumena #12"という作品は、複数のレイヤーが重なり合​い、数色の色が混ざり合って作り出すこの複雑な画面の中で、毎回目に飛び込んでくる部分が変化する。見る角度によって色が変化するホログラムの層、CMYの絵具が混ざり合い​様々​な表情を見せるアクリル絵具の層、​一番上の層​にプリントされ​てい​る輝度値​(明るさの数値)​が示す理論上の色。仮にこれらの数値に基づく色(光)が視覚化したら、​この作品は​一体どのような画面になるのかと、想像がかきたてら​れる​。

​私たちが見ている光景も、​​刻々と変化しているという​当たり前の事実に思いが至る。例えば今自分がいる位置から、一歩右に動くとする。それだけで、全体の光の反射に影響を与えているはずなのだ。多分。
体重計に乗ったときに数値がフラフラと変化するように、あらゆる物事が一定の状態であることはないのだ、と直感的に思ったり。そんなこと考えながら文章を書いているうちにも、急に日の光が差し込んできたりする。

また作家に話を聞いてみたくなる。先日録音したインタビューも、ひとまず文字起こしが終わったので、もう少ししたら記事として出せるかなと思っている。

香月恵介作品展について

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