会期中のこと
会期中毎日この作品を見ている。もちろん他の出展作品も毎日見ているのだけど、この"Gray; Noumena #12"という作品は、複数のレイヤーが重なり合い、数色の色が混ざり合って作り出すこの複雑な画面の中で、毎回目に飛び込んでくる部分が変化する。見る角度によって色が変化するホログラムの層、CMYの絵具が混ざり合い様々な表情を見せるアクリル絵具の層、一番上の層にプリントされている輝度値(明るさの数値)が示す理論上の色。仮にこれらの数値に基づく色(光)が視覚化したら、この作品は一体どのような画面になるのかと、想像がかきたてられる。
私たちが見ている光景も、刻々と変化しているという当たり前の事実に思いが至る。例えば今自分がいる位置から、一歩右に動くとする。それだけで、全体の光の反射に影響を与えているはずなのだ。多分。
体重計に乗ったときに数値がフラフラと変化するように、あらゆる物事が一定の状態であることはないのだ、と直感的に思ったり。そんなこと考えながら文章を書いているうちにも、急に日の光が差し込んできたりする。
また作家に話を聞いてみたくなる。先日録音したインタビューも、ひとまず文字起こしが終わったので、もう少ししたら記事として出せるかなと思っている。
香月恵介作品展について
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