某日のブログから 2013年7月31日(水) 何によって人に憶えられたいか

某日のブログから

あるところで、一般公開していないブログを書いています。週一くらいの更新です。今年度までのブログです。そのブログから、ある日の記事を再掲します。

2013年7月31日(水)
何によって人に憶えられたいか

今週はずっと、さいたま市大宮で研修です。
2日間の主任職員の研修と、課長補佐の研修です。

2日間の主任の研修では、1日目は、企画立案、業務改善、事業改善について学びます。
2日目は、部下や後輩を支援、指導するコミュニケーション、フィードバックの方法を、キャリア開発について学びます。

公務員もキャリア開発が必要な時代になっています。
昔は、企業ではキャリアデザイン、キャリア開発の考えが必要ですが、公務員には関係ないという考えが普通でした。
しかし公務員も、自らのキャリアを意識し、自ら切り開いていくことが必要です。

キャリアとは何かを考えるときに、以下の定義が分かりやすく、有用でしょう。

キャリアとは、生涯を通しての人生の生き方、表現である。
Edger H. Schein

成人になりフルタイムで働き始めて以降、生活ないし人生全体を基盤にして繰り広げられる長期的な仕事生活における具体的な職務・職種・職能での諸経験の連続と、節目での選択が生み出していく懐古的意味づけと、将来構想・展望パターン
金井壽宏

キャリアの世界では、この二人の定義が有名です。
キャリアとは、生きてきた軌跡そのもののことです。

民間企業と違って地方自治体では、望むと望まざるとに関わらず、仕事が数年で変わります。
まったく違った職種に就くことも珍しくありません。
民間企業では考えられないことです。

ですから、民間企業とは違って、公務員はキャリアを考える必要はない、考えても自由に仕事に就けるわけではないので、無意味だという人がいます。

私は、これは違うと思っています。

公務員は、異動することによって、キャリアの幅を広げることができるのです。
広範囲な視点から自分自身のビジョンを思い描くことができるのです。
なぜなら、いろいろな仕事に就くことが出来、経験できるからです。

民間企業では、いろいろな経験をするためには、仕事を変えなければなりません。
仕事を変えるイコール転職です。
転職には当然リスクが伴います。
ですから民間企業では、キャリア開発には限度があります。
その点公務員は、異動により、自らのキャリアの幅を広げていくことが出来るのです。

キャリアを考えるときに、私は以下のドラッカーの言葉をよく思い出します。

私が13歳のときに、宗教の先生が生徒一人ひとりに「何によって人に憶えられたいかね」と聞いた。
誰も答えられなかった。
先生は笑いながらこう言った。
「いま答えられるとは思わない。でも50歳になって答えられないと問題だよ。人生を無駄に過ごしたことになるからね」
「非営利組織の経営」 Peter F. Drucker

ドラッカーは以前から読んでいたのですが、なぜかこの言葉にはあまり気をつけていませんでした。
この本を読み返しているときに、改めてこの言葉に気づきました。
その時私は50歳を超えていました。

なんと人生を無駄に過ごしてしまったのか・・・。

「何によって人に憶えられたいか」、つねに自分に問い続けなければならない問いですね。

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