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チームでバトンをつなぐ


「自分は子供の運動会のリレーが大好きです!!」

幼稚園や小学校の運動会で恒例の「対抗リレー」。

お子様がいる方は、その雰囲気もご存知かと思いますが・・・
1組、2組、3組、・・・赤組、青組、黄組、・・・

クラスで選抜された足の速い子が、バトンをつなぎながら、速さを競うメインイベントです。
一生懸命、小さな体を必死に動かして、次のランナーにバトンを渡します。

バトンの渡し方は上手い下手があって、せっかく足が速くても、バトンを渡すのに手間取って遅れてしまったりします。

時には周回遅れになってしまうくらい差が開いたり、最後で大逆転が起こったり、最後まで全く目が離せません。

クラスの友達も、周囲の親たちも、すべての観客が一生懸命応援しています・・・。

そして、ゴール。

1位になったクラスはもちろんみんなで大喜び。2位になっても、3位になっても、周囲からは大きな拍手と歓声で、会場全体が、とっても暖かい雰囲気に包まれる感動の一瞬です!

走る子供たちは、誰一人、手を抜く人はいません。
一生懸命、とにかく必死に、少しでも早くバトンをつなぐように、全力で走ります。

応援する子供たちも、最後までずーっと大声で「がんばれーっ!」と友達を応援しています。
誰もが、自分のチームの勝利を最後まで信じています。

小さな子供たちの純粋さと全力で走る本気さが、私のような大人の心を打つのだと思います・・・。

すべての仕事はリレー

さて、私はすべての仕事や工程、作業はリレーだと思っています。
仕事である以上、何かの必要があって、必ず誰かの役に立ったり、次の人や工程につながっています。
たとえ個人事業であっても、ニーズがあって、お客様がいます。
人間の営みには、必ずインプットがあってアウトプットがあります。

さて、我々製造業では必ず「工程」があり、工程という点がつながって線になり、最終的にお客様につながっています。
必ず、すべての仕事に、前工程と後工程があります。

・・・ 受付 → 受け入れ検査 → 製造 → 完成検査 → 梱包 → 出荷 → ・・・

お客様から受注をいただき、納品し、代金を頂戴するまで、複数の工程を踏み、一人で完結する仕事は何一つありません。

日々の仕事は、バトンの受け渡しと同じ、リレーです。
すべてチームプレーです。

リレーのルールを理解していなかったり、手を抜いていたり、バトンをパスしなかったり・・・
そんな人が一人でもいたら、そのチームは失格です。

そして、チームはバトンの受け渡しと全力で走る本気さが、勝敗を分けます。
早く走る練習、バトンを渡す練習、どちらも欠かせません。
言い換えれば、生産性改善です。

時には失敗だって

でも・・・

時には、バトンを落とすこともあります。
途中で転んでしまうこともあります。

そうならないように、練習を何度も何度も積み重ねます。
それでも、本番でミスしてしまうことはあります。

必死に走っている子供が、バトンを落としたり転んだりしても、誰も責めたり非難したりしません。
バトンを拾い、起き上がり、また走り始める子に、大声援です!

早く走ることをチームでとことん追求して・・・
そして実際に「どう走ったのか?」

ん!?365日の紙飛行機の歌詞みたいになっちゃいました・・・(笑)

大人の私たちも安心しましょう。
前後工程を意識してみてください。

一人で、完結する仕事はありません・・・

仲間がいます・・・

お客様も鬼ではありません・・・
仕事で失敗しても、命まで取られるわけではありません。

次は、バトンを落とさないように、練習しましょう!


後工程はお客様

自分が好きな、トヨタ自動車さんの考え方。
この考え方をみんなが常に持てば、私たちチームのリレーももっともっと素晴らしいバトンパスでつながると思っています。

「後工程はお客様」

 同じ生産ラインの自分の担当部分より後ろの作業者のことを「お客様」だと思って、お客様(後工程作業者)が喜ぶような仕事をするように心がけましょうという意味です。

 クルマの部品は、約3万点にものぼります。もし組み付けた部品が壊れてしまったら、人命にも関わることになりまので、いくつも検査(チェック)をして、不良品があれば取り除いています。

 しかし発生した不良品は廃棄し、良品と取り換えなければなりません。 さらに部品が壊れた原因を究明する必要もあり、時間や費用がかかり、ムダも発生します。

 そこで、検査に頼るのではなく、『自工程完結』によって良いモノだけを、後に続く工程=『後工程』にバトンのように引き渡す。そうすることにより、出来上がった最終品も、間違いなく良いモノであると保証の考え方が生まれたのです。

 具体的には、不良や異常のある製品を後工程に流さないだけではなく、後工程の方が作業しやすいように部品の向きを工夫する、などのちょっとした心配りも大切です。

 この考えを企業経営の上流から下流、すなわち営業・生産・物流サービスまですべてのプロセスに関わるスタッフ全員が持っていれば、その会社の商品やサービスはお客様に喜ばれる心のこもったものになります。

 間接部門の例えば経理や総務の仕事でも、同じ会社のその方をお客様と思うことで、仕事の質が向上し会社はより良いものになっていくはずです。

「後工程はお客様」この発想を全従業員が持つと会社は強くなります。究極の顧客志向の会社はこうあるべきではないでしょうか。

参考:トヨタの思考法の世界一やさしい解説
佐々木眞一:[トヨタ自動車株式会社 顧問・技監]

Pay forward

 これは、ある人物から受けた親切を、また別の人物への新しい親切でつないでいくこと、または、多数の人物が親切の輪を広げていくための運動のことをいいますよね。

 日本には、「使う前よりも美しく」という考え方が以前よりあります。

 サッカーのW杯などで日本人サポーターが、試合後のスタンドに落ちていたゴミを拾う姿が世界で紹介されました。TVを見ている自分も、日本サポーターを誇らしく思いました。
ある意味、あれも後工程、つまり後から使う人に対する思いやりの行動です。

日常生活は、常にリレーの連続です。
自分も常に思いやりある、利他のバトントスを心がけます!

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