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となりのトロロ

あらかじめ、先にいっておくが、あの熊みたいなよくわからない
生物の事ではないことを伝えておきたい。
トロロだ、とろろだ。

バカでかい熊じゃなくて、白いネバネバした食べ物の話なので、
あの映画が好きで、きっと感動したとか、裏話とか、そういう話ではないので、何度もいうが、変な期待はしないでほしい。
あくまでも今回は、山芋とか長芋をすり下ろした白いネバネバした方の話だから、残念ながら、お化け屋敷みたいな家も、昔の衣類乾燥機みたいな名前の少年も出てこないので、何度もしつこいが、ご注意いただきたい。

そういえば、よくよく考えてみると、山芋はおろか、長芋の方のトロロも何年も食べていない。
納豆とかナメコとかも好きな方なので、特に抵抗があるわけでもない。
でもワザワザ食べようと思うかどうかといわれると特に食べたいわけでもないのだ。おそらく、明日の夕食の順位としては100位以下の優先度だと思う。

要は、別に好きでもないし嫌いでもないのだ。

そもそも、好きでもないし、嫌いでもないと言える理由があるのだけれども、まずトロロの味がわからないのだ。

トロロって何味なんだ?そう言うと、
「醤油とか出汁の味だよ。」という人がいる。

でも、普通に考えてそれは答えにはなっていない。
とんかつの味を聞いて、ソースの味だ!というぐらい雑な答えだ。

他に同様の特性を持つ食べ物として、
TKGという、KGBみたいなカッコいい異名を持った卵かけご飯や納豆がある。

これらもたしかに醤油や出汁の味が
全面に出ていることは事実だ。
しかし、卵かけご飯には、黄身というなんかチートな味がする奴が入っているし、納豆は野良犬の腹周りみたいな匂いがあるのだから、それはそれで美味いのだ。

では、トロロの味とは何だろうか?
正直よく解らないのだ。誰かトロロの味を語れる人は居ないだろうか。

調べて見ても、トロロの味付けについて語る人は居ても、トロロ自体の味を語る人は見つけることが出来なかった。いいところ、痒くなるとかそんなレベルだ。

これは、トロロ自体の味は無いという、証明になるのではないだろうか。そう考えると無理矢理にでも納得が行く。それで良い気もしてきたが、やっぱり駄目な気がする。

インターネットの大海原で唯一、トロロの味を語る文書を書きたいのだ。

しかし、いまいち味を語れる自信がないので、トロロのメリットを考えることからはじめてみようと思う。

トロロのメリット、それは食材の流動化だ。

ボソボソするご飯も、蕎麦も、白いネバネバは包み込んでくれるのだ。要は喉越しがよくなるということである。 
更に味に特徴が無いので、他の食材を邪魔しない。
色合いも限りなく白いので、色合いも変な主張をしない。流動化の優等生なのだ。

これはもやしや卵の白身にもその様なイメージがある。彼らは名脇役なのだ。卵には黄身という国民的アイドルがいるが、白身は親衛隊かストーカーの如くいつも一緒にいる。モヤシはコロコロ相方を変える不貞野郎か婦女なのだか、大概、脂ギッシュな奴と一緒にいる歪んた性癖。。。というか、相手が脂ギッシュなら良い仕事をするのだ。床上手な奴だ。

段々脱線してきたのでもとに戻すと。。
名脇役はみんな味が無いのだ。でも、主役の濃すぎるキャラを程よくして、主役の魅力を引き出すプロなのである。

でも、味が無い。
いや、無いことは無い。なんか土臭い感じの味がする。でも、甘くも辛くも苦くも酸っぱくもない。
でも、嫌いじゃない。

答えが解りにくいほどかすかな存在だからいいのだ。
いまさらだけど、水もそうだ。
美味しい水と書いてあっても、大体の場合、ファンタの方がうまい。

でも、ファンタは毎日飲めないし、ファンタで味噌汁は作れない。

よく解らないからいいのだ。
だから毎日一緒に居れるのだ。

でも、トロロは毎日は食べない。
きっと忘れた頃に大切な事を教えてくれる物なのだ。



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